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 連載開始当初から続いてきた『テトラ編』も、結婚したところでいよいよ終盤に差し掛かった頃合いです。愛する二人の未来に待つものとは――!?

 僕とテトラは、様々な出来事や人々の想いの交錯を経て、ついに結婚した。結婚式は、僕たちの幸せなキスと共に終了した。

 式が終わると、豪華な料理を前にしての食事会が開かれた。みんな泣きながら、笑いながら、僕たちの結婚を祝してくれた。

 晩餐を楽しんでいる最中、色々なイベントがあった。テトラの写真のスライドショー (スクリーンなどではなく、各テーブルに設置された水晶玉に映し出されていた) 、村の楽隊の生演奏、僕とテトラの初めての共同作業――ウェディングケーキの入刀だ。


 そして、テトラの両親が祝辞を述べる番となった。代表して父親が、伴侶や村のみんなの気持ちを代弁し、十数年に渡る思い出の蓄積から成る想いを、今ここに打ち明けるのだ。

 テトラの父親は、優しい表情で登壇し、懐から紙の束を取り出して、僕たちの方を向いた。新郎新婦の並ぶ姿を見ると、テトラの父親はたちまち何かが溢れそうな様子になった。


「テトラ、ユキオさん……ご結婚、おめでとうございます。また、こうしてお越しくださった村の皆さんにも、厚く御礼申し上げます」


 テトラの父親は深々と頭を下げた。


「我々の娘は、ご存じの通り村の生まれではありません。決して軽視できないことではありますが、我々は今日この日を迎えると思ったのです――テトラが我々の娘でよかった」


 テトラの父親は、もう涙ぐんでいる。


「初めて言葉を話した時、初めて自力で立った時、両手を広げる我々の元へ歩いて来れた時、友達が出来た時、学校にいった時、勉強で成果が出たと喜んだ時、行事でたくさん頑張った時、卒業した時、夢を見つけた時、夢を叶えた時……笑った時、寝て起きた時、ごはんを食べている時、村のみんなを治癒して清々しい顔をしている時――我々は、テトラがうちに来てくれて良かったと、心から思った。テトラ……ありがとう」


 スライドの写真には、笑顔のテトラが映っていた。テトラは、父親と向き合いながら泣いていた。おやの、不滅の絆があった。


「我々はみんな、テトラの幸せを切に願っている……そこで、我々は長老と話し合い、ある提案をすることにしたんだ。テトラ――長老の話を、しかと聞いておきなさい」


 父親は声を震わせ、壇から降りた。入れ替わるように、今度は長老が登壇する。


「テトラ……ワシはお前の両親と話し合った。真剣にな。お前の才能、将来、あらゆる全てを鑑みて、この提案をすることにしたのじゃ。無論、決めるのはお前自身じゃ。ゆっくり焦らず、よくよく考えて答えを出すがよい」


 長老の言葉を、テトラは涙を拭い、真正面から聞いていた。


「テトラ――村を離れ、街へ出てみないかのぅ?」


 僕はテトラを見た。ぼぅっと一点を見つめるテトラの瞳には、果たして何が映ったのだろう。

 本当ならストーリーなんてその場その場でパッと思いついたものを脈絡なく書き連ねていこうと思っていましたが、気づけば恐ろしいもので、あと4つか5つ先辺りまでのエピソードが頭の中で出来上がっていました。こんなことになるから頭パンクしちゃいそうになるんですよね。


 さて、作者が同時連載中の『ALTERNATIVE ~オルタナティヴ~』という作品の宣伝を挟みますと、こちらは本作とは双璧を成し、当初から構想されたストーリーに概ね則り進行しています。苦難、試練、過程、勝利、挫折、そして結末が一つの壮大な物語に凝縮されていることと思います。

 こちらもぜひご一読願います。http://ncode.syosetu.com/n9952cq/

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