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oyasumi matane
oyasumi matane
会いたい、会いたい、会いたいと、
声に出せたら、届くのでしょうか。
恋しい、愛しい、寂しいと、
涙を流せば、拭ってくれますか。
一生忘れる事の無い、名前だってあるでしょう。
一生消える事の無い、想いだってあるでしょう。
あなたは私に、こう言った。
「きみの儚い想いこそ、何よりも美しいんだ」と。
儚いなんて、決めつけないで。
あなたのものさしで、想いまで計らないで。
もう二度と会えないのなら、こんな痛みも綺麗なの?
もう二度と話せないのなら、こんな想いも必要なの?
あなたは、わたしの真ん中で。
わたしは、あなたの隅っこで。
掛け違えていた事に、気付きたくなかった。
終わりが近い事に、気付きたくなかったの。