僕等
「こわされる」
意味もない不安が巣食っていて
意味がないからまた不安になって
どこまでも四角い世界にいる
せめて言葉に出来たなら
まだ何とかなりそうなのに
実態のない不安だけ
ぐるぐると蝕む
「傷跡」
小さな痛みが一つ
また一つ
気付かぬ振りをして
曖昧に笑う
小さな傷は薄紫
きっとそこから腐乱する
作り笑いの仮面の下
致命傷になるまで
少しずつ、静かに数を増やす
「朝」
朝は夜の延長で
笑顔は寂しさを連れてきて
眠気は悲しい夢を呼ぶ
さよならも言わずに別れた人がいて
生きる事は忘却と共にあって
僕らは毎日死んでいる
また一つ何かを失った朝に
僕らは全く気付けない
「業」
眩む陽射しから
僕らは目を伏せて
階段を転げ落ちるように
重力に逆らえずにいる
堕ちるなら
手を取り合って
狂うなら
殺し合って
冷たい現実を抱えきれない僕らは
足元に後悔を引きずりながら
影を探して歩いていく
「終着」
喧騒と沈黙を繰り返し
季節は過ぎていく
僕等は何かを見つけたのかもしれない
僕等は何かを失ったのかもしれい
ただ全ては流れて行って
何一つ終わりなんて見えないから
僕等は限られた時間に終わりを創る
桜が散れば春の終わり
梅雨が過ぎれば初夏の終わり
木の葉が消えれば秋の終わり
雪が溶ければ冬の終わり
繰り返し繰り返し全て終わらせていく
「本当の終わり」なんて見つけられずにいるけれど
それが
「本当」なのかもしれないね、
なんて、肩を竦めて笑ってみたりして。