木漏れ日
【初夏のゆうべ】
向かい合って
でも目をそらして
それでも夕陽が君の目の色を輝かせるから
僕はたまらなくなって
気付くと目があってしまったりしてて
慌てて目をそらすんだ
そんな遠回りがどこか嬉しい
初夏のゆうべに
君はあいまいに笑って
また明日、と言って
寂しいけれど温かい
温かいけどそれはどこか熱くなって
あぁ、恋なんだ、と気付くんだ。
【雨ふらし】
アメフラシが空の上から
僕等を笑う。
うっすら透けるシャツから
きらきら零れるシズクを笑う。
少し下がった体温が愛しい。
君は困った顔で
濡れた前髪を指でいじって
僕の手を握る。
少し下がった体温が愛しい。
アメフラシは、困ったやつだ。
それでも嫌いじゃないって思うのは
この体温が愛しいから。
【優しいトゲ】
大丈夫
君は言う
そんなの嘘だ
僕は言う
また君に悲しそうな顔をさせてしまう
やっぱりダメだよ
僕は言う
そんな事ない
君は言う
信じているから
君は最後まで、悲しく笑う
君は優しいトゲを指す
【思い出】
忘れられない事ばかり思い返して
それは夏の空に浮かぶ雲のようで
はっきり白く輝いて
思い出す度に、忘れられなくなって
僕は一人
思い出と一緒
寂しくないよ
僕にはコイツがいるからね
僕が忘れない限り
僕は一人でも寂しくないよ
だから悲しまないでいいんだよ
そう呟いて
アルバムを閉じた。