今日も夜道を歩く
かなりの駄文です。本当に覚悟して下さい。 かなり暇で、暇すぎる方に(強いて)すすめます。 小説というより詩に近い気がしないでもないです。 駄文でも怒らないかたのみどうぞ…。
夜の河は静かで少し不気味だ。水面が揺れて、映る月がポロポロと形を崩す。 この世に生を受けてどれくらいたったのだろうか。それすら、忘れてしまった。
草のベットに寝転ぶと、彼は頭の後ろで手を組んだ。ちょうど、曲げた肘が空に向かう様になる。 優しく届いてくる虫の音、さやさやと微かに草の音。
永遠があるようだった。空は満天の星。いつ見ても変わりなく目に映る。
風が吹いた。彼の頬や額を撫でて去っていった。 彼に名前は無い。付けられる前に彼は捨てられた。彼の中に肉親の記憶は無い。彼の国ではよく有る事だった。
朝、目を覚ますと一匹の黒い犬がちょこんと横で眠っていた。彼が体を起こした気配に気付いたようで、犬も欠伸をしながらも目を覚ました。
彼は何も言わず、ただ犬の瞳を見つめる。黒く、悲しそうな瞳。独りの彼を悲しんでいるのか、それとも独りな自分を悲しんでいるのか。それとも、全く違うことを考えているのか、彼には分からなかった。
彼は立ち上がり、背中に着いた草や土を払うと、犬の瞳をうかがった。おまえも一緒に来るかい?と、そう問うように。
犬は名残惜しそうに鳴いて鼻先を彼の足に押しつけるだけだった。
彼は犬の頭を撫でてやるとさくさくと歩きだす。
犬は彼が見えなくなるまで歩いっていった方を見続けた。
賑やかな市場は朝から混雑していた。あれから幾らか歩いてここに着いた。
彼の頭上を飛びかう言葉の中には時々、彼の知らないものもあった。
彼は水と、わずかな食料だけ買うと賑やかな市場をあとにした。
久しぶりの人間の塊は彼を想像以上に疲れさせていた。廃屋を見つけると彼はそこで休むことにした。
気が付くともう空は帳をおろし始めていた。いまから出歩くことは危険なので朝までここにお世話になることにした。
生温い風が彼を包み込む。それは不思議と不快ではなかった。藍から薄い赤紫、そしてわずかに橙。
美しい空。そして完全に夜へと変貌した。
ぽつぽつとやわらかい橙の灯が灯り始め、それとともに夕食の匂いが鼻を擽る。 急に胸を締め付けられるような感覚が走った。彼の、自分の、知らない匂い。知らない優しさ。
全てがそこに詰まっていた。
彼は静かに泣いた。 何故、生まれてきたのか。何故、独りなのか。
何故、死ねないのか。
何故、生きてゆくのか。
狂いそうなほど独りで生きてきた。そして…明日も独りで生きてゆくのだろうか?
だから、駄文と言ったじゃないですか…。 いや、読んでくださってありがとうございます。 感想くれなんて、おこがましいことは言いません。(あんまりにも駄文なんで)本当、読んでくださってありがとうございました。