落ちこぼれの堕天使
在るところに、
落ちこぼれの堕天使と呼ばれる子がいました。
名前はリア。
「落ちこぼれw」
「また失敗?」
「ほんと役に立たない」
努力しても、
祈っても、
評価されることはありませんでした。
「……なんで、僕ばっか……」
そんなリアに、
唯一の居場所がありました。
顔もちゃんと知らない。
名前も知らない。
ただ、
優しく話を聞いてくれる“誰か”。
その時間だけは、
リアは「存在していい」と思えたのです。
――けれど、ある日。
神は言いました。
「あの子には、もう関わるな」
「……はい」
逆らえませんでした。
それでも、
どうしても気になってしまっていました。
ある日、
リアは“その子”を見てしまいます。
天使たちに囲まれ、
敬意を向けられ、
「大天使」と呼ばれている姿を。
(……え?)
(あの子が……?)
その瞬間、
リアの中で何かが崩れました。
(僕は……)
(居場所だと思ってたのに)
(最初から、
下から見られてただけ……?)
(味方じゃなかったの…?)
大天使は、気づいていませんでした。
リアが見ていたことも、
心が壊れていくことも。
その夜。
リアは、
知らない天使を殺しました。
理由は、
怒りか、
嫉妬か、
それとも絶望か。
自分でも、分かりません。
翌日、
リアは完全な堕天を迎え、
追放されます。
「アハハ……!」
「みんな嫌い」
「この世界も、天界も……!」
そうしてリアは、
壊れた笑みを浮かべたまま、
人間界へと落ちていきました。




