表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凡人高校生、現代ダンジョンで最強パーティーを目指す ~レベル1からの努力と絆~  作者: 寝不足魔王


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/10

第6話 転校生・白峰凛と、遠くの視線

翌日の朝。


教室に入ると、クラスメイトたちがいつもより少しざわついていた。


「今日、転校生が来るんだって?」


「女の子らしいよ。美人だって噂だぜ」


「どんな人だろうな……目が冷たそうとか聞いたけど」


そんな声があちこちから聞こえてくる。


ホームルームのチャイムが鳴り、担任の先生が入ってきた。


「みんな、静かに。今日から新しいクラスメイトを迎えます。白峰凛さん、入ってきてください」


ドアがゆっくり開き、黒髪を腰まで伸ばした長身の女の子が現れた。


白峰凛。


艶やかな黒髪がサラサラと揺れ、肌は雪のように白い。

すっと通った鼻筋と、感情をあまり表さないクールな瞳。

制服を着ていても姿勢が良く、どこか洗練された雰囲気が漂っている。


彼女は教室の前に立ち、静かに頭を下げた。


「白峰凛です。よろしくお願いします……」


声は小さく落ち着いていて、まるで大人びている。


クラスが一瞬静まり返り、すぐにざわつきが広がった。


「うわ、すげえ美人……」


「モデルみたいだな」


「目が冷たいけど、綺麗すぎるだろ」


花が俺の袖を軽く引いて小声で言った。


「ケンタくん、綺麗な人だね……なんか、雰囲気違うよね。ダンジョンとかに慣れてる感じがする」


俺は頷きながら、なんとなく胸がざわついた。


(この人……目が探索者の目だ。ただの転校生じゃない気がする)


凛は窓際の空いている席に座った。


授業が始まる。


数学の時間、先生が難しい問題を板書した。


凛はすぐにノートを取り始め、手つきが速くて正確だった。

一度も周りを気にせず、ただ問題に集中している。


俺は時々チラチラと彼女を見てしまった。


(何でこんなに気になるんだろう……ただ綺麗だから? それとも何か感じるから?)


放課後。


探索部活動の日。


俺と花と剛の3人で部室に集まった。


高橋先生が笑顔で迎えてくれた。


「今日も頑張れよ! 少し奥まで行ってみろ。装備も使っていいぞ。

転校生の白峰さんも、もし興味あったら部活見学に来ていいって伝えておいたからな」


俺たちは軽く防具を借りて、いつもの廃墟ダンジョンへ向かった。


ゲートをくぐり、1階層を抜けて2階層へ降りる階段を下りる。


「兄貴、ここから先は本格的だな! ワクワクするぜ!」


剛が盾を構えて先頭に立つ。


花が俺の隣で柔らかく微笑んだ。


「ケンタくん、今日もよろしくね。一緒に頑張ろう」


「うん、みんなで力を合わせて」


薄暗い通路を進むと、突然低い唸り声が響いた。


ゴブリン3体。


緑色の小柄な体躯に凶暴な目、棍棒を振り回しながら一斉に飛びかかってくる。


「来た! 作戦通り!」


俺はすぐに声を張った。


「剛、正面で引きつけてくれ! 花は右から回り込んで流星剣! 俺は後ろから指示と援護!」


戦闘開始。


ゴブリンが素早い動きで襲いかかる。


剛が大きな体を盾のように構えて叫ぶ。


「うおおお! 来いよ! 俺が全部受け止める!」


鉄壁の盾が光り、棍棒の攻撃をガンガン弾き返す。


花が軽やかステップで素早く回り込み、流星剣を繰り出す。


「はあっ!」


青い軌跡のような剣撃がゴブリンの肩を深く切り裂く。


俺は息を整えながら全体を見渡した。


「剛、左のやつに注意! 花、そこから横に回って! 俺も援護する!」


体が熱くなる。汗が額を伝い、腕が重くなる。


でも、昨日よりずっと長く動き続けられる。


「まだ……いける……!」


努力の結晶が体の中で強く光るような感覚。


集中力強化が発動し、視界がクリアになり、動きが少し速くなった気がした。


ゴブリンが花に向かって凶暴に飛びかかった瞬間、俺は体を滑り込ませて指揮の鼓動を発動。


「今だ! みんな、連携!」


3人の息が完全に合った。


剛の盾で敵を引きつけ、花の剣が閃き、俺の指示と援護攻撃が決まる。


グシャッ! グシャッ! グシャッ!


3体のゴブリンが同時に倒れた。


【経験値獲得】

【レベルが6に上昇しました】


【スキル「成長の種」が微かに活性化しました】


俺は膝に手をついて大きく息を吐いた。


剛が汗だくでガッツポーズ。


「兄貴の指示が神だった! 俺、もっと強くなれる気がするぜ!」


花が頰を少し赤らめて俺を見てきた。


「ケンタくん、かっこよかったよ……本当に頼りになる。3人でいると心強いね」


俺は照れくさくなりながら笑った。


「みんなのおかげだよ。これからも一緒に——」


その時、奥の薄暗い通路の影に人影が動いた。


腰まで届く黒髪ロング。

一人で静かに歩いている。


白峰凛。


彼女は倒れたゴブリンの死骸を一瞬だけ見て、こちらをチラッと振り返った。


無表情のまま、何も言わずにさらに奥へ消えていった。


俺たちは言葉を失った。


花が小さく息を飲む。


「あの人……凛さん? 一人でここまで来てるの?」


剛が目を丸くして盾を下ろした。


「すげえ……一人で探索してるのかよ。しかもこの階層まで……」


俺は胸のざわつきを抑えきれなかった。


(彼女も探索者だ。しかもかなり慣れてる……強い)


ダンジョンの奥からかすかな風が吹いてきた。


新しい出会いが、俺たちの物語を大きく変えていく予感がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ