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連続する蒸気
降りて行く、
コンクリートの階段は、
日陰の中。
背高の。
ビルの影も届かない。
通りの向こうへ。
広い歩幅で横切り、
渡れば。
いちばんはじめに、
境界を越えて。
明るい朝へと、
飛び込んで行く、白い息。
ずっと前から。
呼吸は続いていることを。
かたちにして、見せる。
肩や背中を。
やがて、ぜんぶを。
照らされて。
目覚める。
温かな体が。
連続する、小さな蒸気を。
上げている。
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373 m(_ _)m 39




