162/240
音
あの時。
足元に、
口を開けていた。
海のように、広い穴。
どうしても。
踏み出せなかったのは。
そこには、もう。
戻れないんだと。
誰かが強く。
肩を掴んでいたから。
なぜ。
飛び込まなければと。
渦巻く闇を、
眺めていたのか。
他に。
行くべき所を、
探さないで。
あるいは。
探せないで。
ドアの倒れる音に。
振り返り。
思わず、
地面を踏んだなら。
壊れたドアを、
立て掛けて。
出かけよう。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
373 m(_ _)m 39




