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句読点 2  作者: 川進
16/90

じゃんぷ傘




ひとり。

残された。


見知らぬ国の、雑踏からも。

風は高く。

笛を吹く。


向かい合う、ビルの間に。

目いっぱい。

軌道を描く。



そこだけじゃあ、ない。

見ていなよ。



割れない複眼の、反射を浴びながら。

たちまち、

上昇する。


乱立する群れを、突き抜けて。

大きく、

ジャンプする。



ばつん!

と。

弾ける音を立て。

風は、広がる。


細い雲に変われば、速やかに。

いろんな方向へと、矢印を。

伸ばしていく。



見ていたかい?



傘が、

くるりと、

回るみたいに。


きみは、帰れる。





            373 m(_ _)m 39

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