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紙上の水面
ひなたに居る、きみの目が。
太陽の光を受けて、
透けたとき。
瞳の奥底に。
明るい緑色が、見えました。
まるで。
透明な半球が隠している、
大切な泉のようであり。
深くに、ひっそりと。
清浄な水を湛えています。
会うたびに、
違う色をしていたから。
きみの目を見るというより。
小さな色合いを探して、
見ていました。
おそらく僕は。
遠くのほうを眺めるような顔を、
していたのではないかと思います。
共同の仕事が終わる日は。
深緑に濃灰を沈めたような。
しんとした、光を含む、
色合いをしていました。
きみの訪れは無くなり。
僕は、細長い色紙の束をめくります。
印の付けてある端っこから、
小さな正方形を切り出して。
明るい順に並べてみると。
日々の泉は。
ひとすじの流れに、変わりました。
きみがポーチまで歩いて来るとき。
空はいつも青く澄んで。
良い風が吹いていました。
白い画用紙に一枚ずつ、
貼り付けていきます。
静かな部屋を出て。
窓辺に立てば。
紙の上にある、流れは。
ほんとうの水面のように。
美しく、光ります。
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