第六章:魂鎖の狭間、刻印の序曲
焦げた空気が漂っていた。
ゼルアークの黒焔は凍てついた翼を震わせながら、それでもまだ、戦場に残っていた。
しかし、その瞳はもはや前を見ていない。氷鎖に封じられた魂の咆哮は、遠く、遠く、閉ざされている。
ユウトのターン。
【リロールフェイズ】
→ 黒焔翼ゼルアークは【行動封印】のためリロールせず
→ 黒紋の輪、闇の火核、魂の欠片をリロール
ユウト(心中):
「ゼルアーク……動けねぇ。でも……まだ“魂は燃えてる”。だったら、俺の手で灯すだけだ」
【ドローフェイズ】
→ 引いたのは――《黒鎖の呪縛》
ユウト(小さく笑う):
「いいカードじゃねぇか。カイリ、そろそろ手首を締め上げてもらうぜ」
【コストセットフェイズ】
「コスト設置。《忘却の灰封》」
→ 汎用エナジー1枚を配置。冥契値 +1(汎用)
【アクションフェイズ】
ユウト:「契約カード、《黒鎖の呪縛》発動ッ!」
→ コスト支払い:黒紋の輪(リロール済)+忘却の灰封をロール
→ 効果:カイリのコストカード2枚をロール状態で固定
対象:《白霜の刻印欠片》《凍鉄の印章》
→ 次ターンまでリロール不可
カイリ(小さく目を細める):「……なるほど。動きの源を、鎖で縛るか」
ユウト:「そっちの氷鎖ばっか使わせねぇよ。焼き尽くすのは、俺の番だ」
「……さらに――召喚ッ。《深淵の黒騎士アスラ》!」
→ コスト支払い:魂の欠片(黒)をロール
→ ATK4/HP5/場にある限り、相手は魔術を1枚しか使えない
→ 深黒の甲冑に身を包んだ騎士が、ゼルアークの隣に現れる。漆黒の騎士は氷の軍勢を睨みつけた。
観戦席のどよめきが再び走る。
観戦者A:「アスラって……“魔術制圧”の……」
観戦者B:「このタイミングで抑制系……カイリに刺さるぞ!」
ユウト:「バトルフェイズ、《アスラ》で《スノードレイク》に攻撃!」
→ ATK4 vs HP4 → 相打ち!
→ アスラとスノードレイク、同時に消滅!
ユウト(心中):
「……悪くねぇ。ゼルアークはまだ場に残ってる。今、アイツのために空けたんだよ……“刻印の道”をな」
「ターンエンド」
【ユウトの場】
ゼルアーク(ATK5/HP1/行動封印)
コスト:黒焔全ロール済
手札:黒焔の鎖
【カイリのターン】
【リロールフェイズ】
→ 《白霜の刻印欠片》《凍鉄の印章》:黒鎖の効果でリロール不可
→ 他カードリロール:《永氷結晶核》《氷片の束縛》
カイリ(心中):
「黒鎖の呪縛……魔術の柱を折られたか。それに……アスラの“魔術制限”が消える今……」
「こちらも“刻”を迎える」
【ドローフェイズ】
→ 引いたのは――《白氷障壁》
カイリ:「……準備は整った。ならば」
「《冥契刻印・氷牙ノ枷》――コード・フロストバインド、発動!」
→ コスト支払い:《白霜の刻印欠片》《永氷結晶核》《氷片の束縛》をロール
【効果解決】
→ 敵全体に2ターン凍結+魔術無効状態
→ ゼルアーク:すでに凍結中 → 行動封印継続
→ さらに、《ゼルアーク》を《氷印》(ATK0/HP1/状態固定)に変換!
ユウト:「ッ……ゼルアーク……!!」
→ 翼の焔が氷へと染まり、やがてそれすら透明な結晶に変わる。
→ 氷印ゼルアーク(ATK0/HP1)として、場にただ残されるだけの存在へと変わった
カイリ(低く):「貴方の魂は、もう吠えられない。静かに――凍って」
ユウト(噛みしめながら):「……こっちだって、“これ”で黙るような魂じゃねぇよ」
カイリ:「さらに――《氷葬の結界》を発動」
→ コスト支払い:《凍鉄の印章》(既にロール済)不可
→ 使用不可(黒鎖による固定のため)
カイリ(内心):
「……不覚。黒鎖がここで響くとは」
「ならば、私は静かに待つ。“ゼルアークが凍った”――それが何よりの牽制となる」
「ターンエンド」
【場の状況】
◆ユウト
・召喚:氷印ゼルアーク(ATK0/HP1)
・コスト:全ロール済
・手札:黒焔の鎖
・ソウル:9
◆カイリ
・召喚:氷壁の従者スヴェル(ATK1/HP5)
・コスト:《白霜》《凍鉄》ロール固定/その他使用済
・手札:白氷障壁/氷葬の結界
・ソウル:8
観戦席が、息を呑んだまま動かない。
凍った魂。鎖で縛られたコスト。互いに刻印を放ち、“魂の鍵”を巡る攻防は、未だ決着を許さない。
だが――その時。
ユウト(心中):
「刻印を喰らって……ゼルアークを失った……。それでも、まだ」
「魂は消えてねぇ!」
ユウト:「ドロー――!!」
→ 引いたのは、《禁忌竜グレアノス》
場の空気が、熱を孕む。
カイリ(目を細める):「そのカードは……!」
ユウトの視線が、凍り付いたゼルアークを超え、未来を穿つ。
「ゼルアークが囮になってくれた。なら――次は“俺の魂”が飛ぶ番だ!」