第二章︰因縁の刻印者 ―黒澤カイリとの邂逅―
霧が舞う石造りの広場。広がる白い虚無の上に、浮遊する黒曜石のステージが形成されていく。
「第一試合、開始ステージ【双影の檻〈ツイン・ゲイザー〉】生成完了」
機械音声が響くと同時に、二人の刻印者が対峙した。
ひとりは、緋月ユウト。
そしてもうひとりは――
カイリ︰「……久しぶりだな、ユウト」
その声音に、ユウトの指先がわずかに震えた。
ユウト︰「……カイリ……お前が……!」
薄い微笑を浮かべた少年――黒澤カイリ。
かつて同じ孤児院に育ち、共にゲーム開発の夢を語り合った友。
だが、数年前に突如失踪。
そして今、冥契トーナメントの刻印者として、ユウトの前に現れた。
ユウト︰「なぜだ……なぜ、お前がここにいる……?」
カイリ︰「問いは後にしよう。お前はこの舞台に立った。それがすべてだ」
カイリの足元から、蒼い霧が広がる。
その中心から、禍々しい《刻印》が浮かび上がった。
カイリ︰「氷牙刻印。君の《黒焔》が、僕の《凍結》でどれだけ機能するか……見せてみろよ」
ユウト︰「……やるしかねぇってわけか……いいさ。俺も全力で行く」
二つの魂がぶつかり合い、ステージの空間に**“コード衝突”**が発生する。
「デュエル開始」
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第三章:『黒焔と氷牙 ―凍てつく約束の記憶―』