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「曽名井の名を汚す男に浄化を!反転術式:滅!!」
姉さんの手から放たれた札が黒い光と化して向かってくる
それが身体に触れた途端、世界が色褪せて見えた
「くっっっ…………!」
「……」
ここで終わる訳にはいかない
そう思った瞬間
パリーン
と澄んだ音が響いた
「はぁ……はぁ……」
「弟くん!大丈夫!!?」
泣きそうな顔で駆け寄ってくる姉さん
一通り僕の様子を確認すると
「……ごめんなさい」
「大丈夫そうだね。それに曽名井の血も覚醒したみたい」
そう微笑んで部屋の隅にある鏡を指さす姉さん
鏡を見ると髪の毛が薄い桜色に染まっていた