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閑話その3 票決
「他に言の有る者は居ますか?」
「……」「……」
「……無いようですね。では決と参りましょう」
「事がここまでになった以上、私や一部の者で決めてしまえば遺恨が残りましょう」
「故に投票と致します」
ですがそれでは数える者次第でなんとでも出来てしまうのでは?」
「そうですね。では貴女と、先の忌子に面白い考察をした……貴女」
「は、はい!!」
「貴女方に数えるのをお任せしましょう。」
「しきたりを守る事を主張していた者と、しきたりを疑問視した者。双方から人を出し数えれば問題は無いでしょう?」
「当主がそうおっしゃられるのなら」
「それと白花様。私と共に票の数えの様子を見てもらえますか?」
「ああ、承った」
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「皆、待たせましたね。決が出ました」
「しきたりに異議を唱えた者、33票」
「しきたりに従うとした者、41票」
「私も確認させてもらった、間違いはない」
「これにより、縁を忌子として処分する事とする」
「「ザワザワ」」
「そんな⁉︎」
「円、静かに。……決まった事です」
「でも!!」
「……」
「失礼しました」




