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閑話その3 会合

数日後



「皆よく集まってくれました。無事子供を授かる事が出来ました。この間支えてくれた事感謝します」


「よかった」「おめでとう御座います」ザワザワ


「ですが……。問題が起こりました。産まれてきた子供は……男児でした」

「それって」「確か!」ザワザワ


「ナニカの呪い子!」

「そうです。曽名井において忌子とされる者です」

「心中お察しします。ですがそうで有るならしきたり通り?」


この場の幾人が気付いただろう


「……致し方ないでしょう」


そう答えた時、その手が固く握り締められた事に


ザワザワ


「我らの祖はそうして結界を護って来たのですから」

「待って下さい。私は反対です!罪も無い子供を殺すなど‼️」


擁護の声を聴き、微かな安堵が滲んだ事に


「何を言うのです!当主の決定を遮るなど、しかもその子の親ですよ?他者が口を挟む事ではありません。下がりなさい❗️」

「待ちなさい。話を聞くぐらいで有れば良いでは無いですか」

「しかしですね、しきたりを蔑ろにするような発言を許す訳にも……」

「まぁ待ちなよ。会合ってのは話し合いの場だろ意見が出るのは良い事じゃ無いか。それに『当主の決定を遮るな』と言うのなら話を聞くと言ってる当主の決定を遮っているのはアンタじゃないのかい?」

「白花様⁉しかしですね……。いえ、わかりました」

「それでは改めまして、貴女は反対なのですね?」

「はい。そしてまず質問がございます。男児はなぜ忌子なのでしょう?」

「なんです?そんな事も知らないのですか?これだから若い者は。曽名井の一族に産まれた男児はナニカの呪いを身に宿し結界を蝕む。だからこそ忌子とされているのです」

「それは存じております。ナニカの呪いにより男児は存在を喰われる。ですが女児の妊娠、出産も大きく低い以上女児も呪われているのではないですか?」


「ナニカの呪いに存在を喰われずに産まれた子、それを『ナニカの呪い子』と呼ぶのなら我ら女性も『ナニカの呪い子』なのではありませんか?」

「また、それだけ女児よりも強くナニカに存在を喰われ、それでもなお生まれてきたのはそれだけ存在を維持出来るほどに存在の力が、そして人に覚えられる『人の縁』が強い子である証明であるとも言えると思います」

「ナニカの力に抗うは『人の縁』そうも伝えられてきたはずです」



「……」「……」



「アッハッハ!」

「は、白花様!何を!」

「いや失敬、その子に言われるまでそんな事考えなかったと思ってね。いやはやその子の言う通り、呪いを超えて産まれているのは女も同じだ!」

「しかし!男児はナニカと共鳴し結界を蝕む。そう伝えられているのです。その危険性を放置する訳にはいきません」

「現場から上がって来る記録を調べるとだね。数十年に一度は結界は大きく弱まるんだよ」

「私が曽名井の術士として役目についてからでも二回だ。そんで前回曽名井の家に男児が産まれた記録は200年前だ。それをどう説明する?」

「アンタが曽名井家の伝承以外で男児と結界の弱体化を結びつける根拠はなんだい?」

「そ、それは……」


「さて忌子と呼ぶと子どもに悪いし、当主にも失礼だね。名は付けたのかい?」

「はい。多くの人と縁を繋いで欲しいと願い『縁』と」

「そうかい、ナニカに抗う『縁』曽名井の子には縁起の良い名だ」

有花理「ありがとうございます」

白花「私は縁がどのように育つか見たくなった。先程ちらりと顔だけ見させてもらったけど、髪の色が黒では無いようにも見えた。まあ赤子の産毛だ、どうなるかはわからないがね」

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