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「改めまして、曽名井家当主代行補佐、曽名井桜花にございます。此度は大変失礼いたしました」

「ね、姉さん?」

「その上、恥の上塗りを承知でお願い致します。我が妹、曽名井結衣をお助けくださいませ」


そう深々を超え土下座をし始める姉さん


「ちょ、ちょっと姉さん!そんなんじゃ話もできないから!!顔を上げて!!」

「はい、かしこまりました」


「事は西暦964年・康保元年まで遡ります」

「当時この地を治めていた代官が税の徴収のために調査を行ったところ前年に比べて大幅に人の数が減っていたそうです」

「民に聞いても原因は不明。妖の存在を疑い陰陽寮に依頼。安倍晴明の子の1人で後に曽名井の初代となる阿倍白桜が派遣されました」


「白桜は調査の末に、“存在を喰らう妖怪”の存在を突き止めました」


「それは、人間から『存在そのもの』を奪う怪異。喰われた者は、生きていた記憶さえ誰の中にも残らず、最初からいなかったものとして扱われる……」


「ですからそれ以前の調査の時と人の数に乖離が大きかったのです」


「白桜は、命を懸けてその妖を封じました」

「封印には、この地の今では『大櫻』と呼ばれる桜の樹、そして彼の息子を、未来に繋がる存在の力を使ったと言われています」


「しかし……」


桜花は小さく息を呑んだ。


「完全な封印ではありませんでした」


「妖は力を弱めたとはいえ、なお呪いだけはこの地に残しました。 それが、曽名井の一族にのみかかる『男子の忌子』の呪いです」


「曽名井の血にかかる呪いは僅かではありますがその身の存在を蝕みます。特に術を施した白桜公、存在の力の源である息子と同じ男性に強く働いているのです」

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