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異進伝心  作者: 夏野 麦柁氣
序章 脳力者
7/15

5話 6つのアルファベット

ちょっとした説明回です。

「70年前に起きた、戦争の事は知ってるな?」

 潰瀧さんが自分へ問いかける。

 もちろん授業でもやった所だし、自分も脳力者である以上知らない振りは出来ないと思って、個人的に調べたりもしている。


「は...はい! 確か今から95年前、まだ脳力者が数人しか発見されていなかった時代、気味悪がる奴らに嫌気がさした、当時指導者になる前の「佐々木 柊翔」が国会議事堂に乗り込んで大量虐殺したのが始まりだって」

「話が早くて助かるよ、今から話すのは、その戦争の30年後の話、今からだと40年前だな」


 そう言うと潰瀧さんは、まるで自分が見てきたかのように淡々と話し始める。


「戦争が終わって30年、日本の復興作業に終わりの兆しが見え始めた頃だ、まるで空席の王座を狙うように、6つの勢力が立ち上がった」


 潰瀧さんはその6つの勢力と、それぞれが掲げる目的を一つ一つざっくりとだけど、説明してくれた。


 まず、最初に聞いたのは『Abandoned(アバンダント)』6つの中でも規模が最大で、大多数が一般市民を占める組織らしい。

 掲げる目的は『()()()()()

 終戦後も残る差別に嫌気がさした市民達が、声を上げて出来た集団


 次に聞いたのは『Barrack(バラック)』6つの中でも見つけるのが難しいとの事。


「なんで難しんですか?」

「それは、所属してる奴らがみんな、普通の老人だからだよ」


 そう聞いた時、俺は度肝を抜かれた。

 掲げる目的は『()()()

 過去に捉えられた団員は2名だけらしく、動機を聞いても「歓声が忘れられない」の一点張りらしい。


 3つ目に聞いたのは『Clergy(クラージー)』6つの中でも特に頭のイカれた集団だとか。

 掲げる目的は『()()

 終戦した後の日本には差別が少し残ってはいたものの、戦前いくさまえより確実に風当たりは良くなった、そこに目を付けた連中が、戦争は脳力者を救うと信じ、開戦宣言した「佐々木 柊翔シュウト」を崇めるイカれた宗教団体。


 4つ目『Dauntダント』この組織は、つい最近誰かの手によってほぼ壊滅状態まで追いやられているらしい。

 掲げる目的は『()()

 脳力者や普通の犯罪者に、なにか傷を負わされた者が集まり出来た集団、1番年齢幅が広かったらしいが、今はその数を30人以下まで落としているとの事。


 5つ目は『Emissaryエミサリー』6つの中でも1番人数が少なく、名前だけなら団員の殆どが明かされているが、今まで何をしてきたかの記録は少なく1番謎の多い組織。

 掲げる目的は『()

 多額の金を積めば、大体の事をやってくれる傭兵集団


 そして最後の6つ目『ELFエルフ』初めは最初に説明した5つの組織だけだったらしいが、悪業や犯罪、暴走行為が頻繁に起こり始めた為、当時の市民が自衛の為集まったのがエルフなのだとか。

 掲げる目的は『()()()()

 ELFには本部に30部隊、各地方に5部隊あり、それぞれ隊長格とその部下は全員、歴戦の脳力者らしい。


「ま、こんな所かな? 今説明した5つには絶対関わらないで欲しい、これは君の為でもあるが...私達の為でもあるんだ、敵は少ないに越したことはないからな(笑)」


 俺は小一時間、学校で授業受けている時より真剣に話を聞いていたと思う、自分でも少し不思議だ。


「ありがとうございます、説明する時間を作ってもらって」

「いいんだ、君もこれから大変だろうから、お互い脳力者同士頑張ろう〜」


 最後は明るい雰囲気で終わろうと潰瀧さんの計らいなのだろう、気さくにグータッチを交し、ゆっくり立ち上がると部屋を出ていてしまう。


「んじゃ、またね〜」


 異世界へ頭を突っ込んでしまったんじゃ無いかと少し身震いをする、まぁその危ない事にならないよう話を聞いたのだが、何はともあれこの定期的に来る足の痛みを忘れるため俺は寝る事にした。


「潰瀧さんいいんですか?あの青年にちょっと喋りすぎな気が...」

「盗み聞きとは、関心しないな熱田」

「す、すみません」

 一部始終を見ていた熱田ニエダ 蒼吾ソウゴが、潰瀧に話しかける。


「いいんだ、あいつの知り合いらしいし、何より婆さんが言ったんだろ? あの子は今後台風の目になるって」

「そうですけど..」

「ま、いいじゃねぇか! 昼飯でも行こうぜ熱田」


 2人はクーポン券をヒラヒラさせながら、本部を後にした。

ELF 第四班部隊長

熱田ニエダ 蒼吾ソウゴ

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