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異進伝心  作者: 夏野 麦柁氣
序章 脳力者
2/15

1話 友とはナとヌで出来ている。

日常回です。

―ピッピッピ。


鼓膜を叩く目覚まし時計をベットから払い除け落下の衝撃で音が止まる。


朝7時を過ぎていてそろそろ着替えなければ行けないと言うのに休み明けの布団は俺を離してはくれない。


「いい子だ〜俺はお前を愛してるぞ〜」

燈彩(ひいろ)、あんた何してんの...頭が腐る前にご飯食べちゃいなさい」


布団とイチャつく所を母に見られてしまった、これは今後の生活に関わるかもしれない....ともかく俺は制服を着ながらリビングへ向かった。


「早く食べちゃいなさい、あと瑠璃斗(るりと)もおこしてあげて」

「おいよ」


俺は母の頼みを軽い返事で聞き流し机にあるリモコンでテレビのチャンネルを変える。


『昨夜7時30分頃、伝面市西区(でんめんしにしく)の一軒家で強盗事件がありました、現場は荒らされており合計200万円相当の家具が持ち去られているようです。』


「やぁねぇ、あんたも気おつけるのよ」

朝から物騒な物だ、西区だとここから3kmも無いだろう、犯人は早く捕まらないものだろうか。


『また現場には性別不明の遺体と潰された右腕のような物が落ちており、現場の様子から犯人は片腕の無い脳力者の男性として市民に呼び掛けを..』


ニュースの途中で急いだように母が問いかける。

「あんた時間は大丈夫なのかい?」


画面に夢中になっていた視線を右上へ向けると7時58分と表記されている、家から学校は40分掛かる、HR開始が8時30分....走れば間に合う! 俺はお弁当を雑につかみ急いで家を出た 。

「いってきます!」


急いで家を飛び出し走っていると後ろから何かが飛んでくる。


「まぁた走ってんのか永禮(ながれ)、懲りねぇやつだな〜」


緯壱(ぬきいち)だ、彼は俺の脳力を知る唯一の友人でありまた彼も指の先から糸が出せる脳力者である、その糸をスイングしながら移動してるわけだが、どうも蜘蛛のヒーローに見えて仕方ない。


「いいのか?そんな大胆で」

「ここは人通り少ないし、いいんだよ〜」


まだ異脳への偏見が残る世の中でなんて気の抜けた顔してるんだ!と思ったが捨て台詞を吐きそそくさと去ってしまう。


「悪ぃな、俺は遅刻したくねぇから先いくぞ〜」


俺たちの間には友情などなかったと心の底から泣きたい気分だ、俺の脳力が移動に使えるものならどんだけ良かったか、走ってるせいでため息も付けず、乱れた呼吸をもっと荒くさせる様ペースを早めた。


キーンコーン


鐘が鳴り終わってから教室へ入る。


「おい永禮、また遅刻か?」

「いやぁいつも悪いと思ってるんすよ〜」


苦笑いを教師に送るも結果はいつも知っている。

「今日は課題2倍だ、体育の授業も2倍走らせるから覚悟しろよ!」

「はぃ」


いつもは1.5倍なのだが、今日はもっと酷いらしい、俺は絶望しながら気の抜けた返事で返し席へ座る。


とんだ災難だ、まぁ遅刻しなければいいのだが寝る時間を削ると言うのは死に関わる、そう納得させホームルームを終える。


「もう、また遅刻したの!」

彼女は自分の長い髪を掴みながら怒った様子で詰め寄って来た。


「布団が俺の心を離さなくってな」

「何ふざけてるの! 出席足りなくなっちゃうよ?」


この怒った女性は高校から仲良くなった隣席の真名部 莉穂(りほ)さんだ、いつも遅刻する俺を叱ってくれているありがたい存在である。


「お、やっぱり間に合わなかったか永禮」

さっき俺を見捨てた緯壱が廊下から俺の前に現れる。


「どの面下げてきやがった...」

「やだなぁ〜俺たち友達だろ?」

「どの面下げたら友達になるんだ?」

「酷い!」


泣き真似をする緯壱に冗談だと肩を叩く振りをして次からは一緒に遅刻しような、と耳打ちをする。

「いやだわ!」


生きの良いツッコミに真名部さんが思わず笑う。

「アハハハハ」


まるで天使の様な笑顔に俺たちは気が抜けてしまった。

そう話しているとチャイムが鳴り授業が始まる、緯壱は隣のクラスへ戻って行き真名部さんと席へ着いた。

学が足りないので

アドバイスがあれば教えていただけると幸いです

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