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雪に 祈るように願う

作者: おーばる





読んで不愉快に感じる方は、ためらわずにブラウザバック、おねがいします。









“ひもじい 寒い もう死にたい 不幸はこの順番で来ますのや”


漫画『じゃりン子チエ』のなかで、おばあさんが言う。

だから、自衛できることがある、と。





人の心のコンディションは、身体条件にかなり左右される。


寝不足、頭痛、二日酔い、生理痛などで体調が悪い時、

普段なら何でもない些細(ささい)な事で、イラついた経験は誰にでもあるだろう。


心の半分は体。

腸は第二の脳と呼ばれるほど、脳の神経細胞に次いで神経細胞が存在している。

だから、感情にも深くかかわっている。



もし、今、幸せでないと感じているのなら。


まず。

何も考えずに、お腹いっぱい食べてほしい。今いる部屋を暖かくしてほしい。

暖かい服を着たり、ゆったり湯船につかって体の芯から温まるのもいいだろう。

そして、目覚ましをかけず、雨戸やカーテンをしっかり閉め

もう寝れないというまで、時間を気にせず十二分に寝てほしい。

起きたら。

暖かい部屋で、お腹いっぱい食べてほしい。

そしてゆったりと風呂に入り、さっぱりしてから。


考えることを始めてほしい。

一般常識や他の人のものではない、()()()の幸せは何なのか。

どうしたらそうなれるのか。

現状と向き合ってほしい。

そして、今できることを、些細(ささい)な事でいいから行動してほしい。

それが積み重なったとき。


笑っている自分に気付くはず。




そんな自衛の方法を知っていた私が、能登半島の地震情報の続報を聞いたとき。

心に冷たい水を浴びせ掛けられたような気がした。




深夜、NHKのTV画面に映る人影のないライブ映像。

穏やかな曲が流れ、降りしきる雪と、雪が積もっていく明かりのない家々が映る。


ニュースで聞いた情報が頭に浮かぶ。


手を握りながら、子の命が消えていくのを見届けた親御さん。

家族の中で一人だけ生き残った方。

車中泊をする多くの人。

食料が足りないという多くの声。


そんな中、雪が降る。



雪が降りしきる画面を見ながら思い出す。



多くの人が、その状況を変えようと働き掛けている。

自衛隊の方が、ボランティアの方が、寄付をする方が、

お笑いの方が、テレビで、ネットで、なろうでも。

たくさんの人が、いろんな形で寄り添おうとしている。




だから、どうか。

皆といる時は、つられるから泣くなと気丈(きじょう)にふるまう方たちに願う。


今は何も考えず、食料や毛布や暖房器具が届くのを待っていてほしい。

くつろいで十分に眠れるようになるまでは、その出来事に向き合わないでほしい。

気を紛らわすものは(あふ)れているから、どうか今は。




たくさんの人が、いろんな思いを抱え、生きている。

生きていることに、罪悪感を覚えても、生きていく。




笑えなかったのに。

気が付いたら、お笑い番組の再放送を見て笑っている自分がいたように。


そんな、出会いが、数多く訪れますように。




“生きていることは罪じゃない” そんな想いは届かないと知っている。



だから、どうか。

ふと微笑んでしまうようなささいな出来事が

そんな出会いが、たくさんたくさん、訪れますように。




生きようとする人たちに。

それでも前を見る人たちに。






雪を見ながら、祈るように願う。













“不幸な時に、寒くてお腹が空いてるのが一番きつい”と聞いたことがありました。

岡田斗司夫さんのYouTube、漫画『じゃりン子チエ』の話を観て

同じことを分かりやすく説明されてましたので、


“ひもじい 寒い もう死にたい 不幸はこの順番で来ますのや”


という、セリフの一部を引用させていただきました。




自衛の方法に関しては“おばあちゃんの知恵”のようなものなので、対処法の一つととらえてください。

その部分は、引用や転載など許可はいりませんので、ご自由にお使いください。









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