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『バラの精霊、ネザ』 ~バラの精が教えてくれた美しい生き方~  作者: あばらぼう
第3章 砂漠のアルター
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第8話 岩陰談義

 砂漠といっても見渡す限りの砂ばかりではない。岩場や切り立った崖、ちょっとした林もある。おれたち三人は岩場に身を潜めた。昼間は暑すぎて行動するには不向きだし、おれはもう体力の限界だった。

 ウヤータは岩場の隙間から街の方角をずっと見ていた。追っ手を見張っているんだろうか。あの可憐な占い師の姿はどこにもなく、りっぱな女山賊に変身していた。あるいはこれが本当の姿なのだろうか。

 王子は目を閉じてなにか考えごとをしているようだった。おれは王子に聞いた。

「王子、燃える石って、いったい何なのですか」

 王子はちょっと笑って答えた。

「王子はよそうよ。アルターでいいよ。燃える石っていうのは二種類あるんだ。一つは黒い植物の化石で燃えるものがあってね、それが本当の燃える石なんだ。でも最近になって燃える水というのがあることがわかったんだ。その燃える水が石に付着したのも燃える石って言ってるんだ。

 それからウヤータが宝物にしている小袋の中の石のようなものだけど、それも燃えるような気がするな。だから兵隊に火をつけられたら、ウヤータも捕まっていたね」

「植物の化石。燃える水が付着した石。ウヤータの持つ石のようなもの。燃える石には3種類あるってことか」

 おれが言うと、

「これが本当の燃える石さ」

 そう言ってアルターは、持っていた袋から握り拳くらいの黒い石を出した。アルターの手は、その石を触っただけで真っ黒になってしまった。そんなことは気にも留めずに、日が暮れたら火をつけようと言った。そう、砂漠の夜は寒いんだ。

「ここからずっと東の地にぼくの一族がいる。そこまでなんとか逃げよう」

 アルターの提案は本当に嬉しかった。しかしウヤータは、おれたちに向き直ってこう言った。

「あたしは、一緒には行けない」

 おれもアルターも、ウヤータに注目した。

「あたしは王子のことを兵にしゃべってしまった。あたしのせいで、こんなことになって本当にごめんなさい。だからあたしは山に帰ります」

 アルターが口を挟んだ。

「ウヤータ、君のせいじゃないよ。それに山にはもう戻れないんだろう」

 おれは、心の中で謝る準備を始めた。本当はおれのせいなんだ。おれがすべて悪いんだ。次はおれが言わなくちゃならない番だ。しかし、ウヤータは言葉を続けて、

「山賊の一味から抜け出したって前に二人に話したけれど、あれはウソなの。本当は新王の兵の動き、街の情報を逐一報告するのがあたしの役目。山賊の情報収集係として街に居たの」

 それを聞いてアルターは、目をまん丸にしてから、はじけたように笑い出した。

「はははっ、すごいや、あの身のこなしは普通じゃないとは思ったけれど、現役だったんだ。それにしても見たこともない格闘技だった。あれは山賊特有の技なのかい」

「ここから北の山の中に、ヤマトゥという所があって、あたしたちはそこを拠点としているの。独特の格闘技かどうかはわからないけれど、古くから伝わっていると聞いたわ。達人になると、空気も手で割れるって。それから、あたしの店に、女装した高貴な少年が定期的に訪れるって情報も伝えてあって、その少年には手を出さないように伝えておいたわ」

 アルターは面白がって、山賊にお目にかかりたかったと笑った。

 おれは自分の気持ちをはき出したくて、大きく息を吸い込んだ。

「おれも、謝らなくちゃならないことがあるんだ。ウヤータ聞いてくれ」

「ヤヒト、あのことね」

 そう言って、ウヤータは、鎌刀を構えた。

「ヤヒト、あんた、穴から逃げ出すときにあたしのおしりを触ったでしょう!」

「えっ、あっ、あれ、あれは違うんだ。不可抗力というか、触るつもりじゃなくて、君を逃がそうと思って必死だったんだ」

「ウソ、だって触っただけじゃなくて、つかんで、握ったじゃない!」

 ぎらつく鎌刀を見ておれは、

「あ、謝るから、その鎌刀はしまってくれ」

「アッ、アハハ、ヤヒトったら本気で怯えてる」

 ウヤータはお腹を抱えて笑い出した。

「もういいじゃないか。ぼくはここ数日とっても楽しかったよ。毎日が冒険のようだった」

 このアルターの言葉を受けてウヤータも

「あたしも! 毎日退屈していたから、とっても楽しかった。山賊稼業よりも興奮したわ」

 占い師として可憐で知的なウヤータは幻だったのか、でも、今のはじけた笑顔のウヤータはもっとすてきに思えた。遠い昔、似たような女の子といつも一緒にいたような気がした。

「ヤヒト、ウヤータ、これから一緒に東の地に行こう。そしてぼくの父に会ってくれるかい」

 アルターの提案には賛成するしかなかった。王子の提案だし、断る理由もなかった。アルターは続けて

「でも、ぼくのお父さんはちょっと変わっているからね。話を聞いてもみんな驚かないでね」

 アルターは岩場の隙間から見える星を見上げた。

「もう、夜だね、星が瞬き始めた。父はね、船に乗ってあの星からこの地に来たっていうんだ。あの星、一つ一つが太陽と同じだっていうんだ。そしてあの星たちの周りには目には見えないけれど、たくさんの星が回っているんだって、そしてぼくたちと同じように人が大勢暮らしている。今ぼくたちがいるこの地面も、星と一緒だっていうんだ。おかしいだろ?」

 ウヤータは、

「おかしくなんかない。わかる気がする。あたし、海の中をね、鳥みたいに自由に飛んで遊んでいた。そんなことを時々思ったりするの。でもその前は、そう、あの星に居たんだわ」

 おれは二人の会話についていけなくて、現実的な話しをした。

「ウヤータ、なぜ山賊を続けていたの。逃げることだってできたんじゃないの」

 ウヤータは、うなずいてからしゃべりだした。

「あたしは、悪い人たちといっしょにいることで、今まで知らなかった感情を体験するのがとっても楽しかったの。こんな体験は二度とできないってね。今まで感じたことがない気持ちを味わうと、その感情に名前をつけて遊んだり、今、こんな気持ちを味わいましたって、空に向かっておしゃべりしたりしたわ。その気持ちを伝えるべき人がいたような気もするの、空の彼方にね。だから王子のお父さまが星から船でやって来たって話も信じられるよ」

 アルターは、

「前に一度、人間というものは過去世の記憶がないからこそ生きていられる。もし、自分の過去世を覚えていたら、おのれの醜さに、発狂するか自殺するかしてしまう。だから、自分が犯した罪を、浄める方法を見つけ出すって話をしただろう。

 自分の過去世のうち、たった一つか二つを思い出しただけで、発狂してしまうくらいの罪悪感に襲われるんだ。だから何万回と繰り返した過去を思い出すのと同時か、それより前に、魂に絡みついたものを、ほどく方法を獲得するべきと思うんだ」

 おれにはアルターの話しは難しくてわからなかったが、ウヤータは興味を持ったのか質問をした。

「その魂に絡みついたものってなんなの?」

「自分の犯した罪やけがれというようなものかな。それらが原因となって、新しい自分が作られると思うんだ。

 父は、この世界は原因があるから結果があるって言うんだ。でもそれでは決まった原因からは決まった結果しか生まれない。原因が決まってしまったら結果も決まってしまう。それが運命というものだと言うんだ。

 原因が決まった時点で結果をあきらめるなんて、面白くないよ。人に殺される原因を作ったら殺されるしかない。人を殺す原因を作ったら殺すしかない。それをねじ曲げる方法があると思うんだ。不幸になる原因があったとしても、何かの力を与えて結末を変えるんだ」

 おれは、王子が何を言っているのかさっぱりわからなかった。おれは思い切って思っていることを言ってみた。

「アルターの話はさっぱりわからないよ。おれは運命なんて考えたこともなかった。だって、今日を精いっぱい生きることでやっとだからね。明日は来ないかもしれないんだ。

 原因ってのは、過去の自分がしでかしたことなんだろう。結果というのは未来に起こることなんだろう。おれは今日を生きること、今日をなんとか生きることしか考えられないよ。今日食べることができればそれでいいんだ」

「昨日の失敗を、今日を精いっぱい生きることで、未来を変える力にするのか。でもそれ自体がもう決められた範疇のできごとのような気がするな」

 アルターの答えはおれの考えとはずれていたが、そんなことはお構いなしに、ウヤータが反論する。

「自称占い師のウヤータです。占いは相談者の告白を過去と見るわ。そして現在の状況を聞いて、最善の方法を探すわ。でもこれだと運命のままだと思うの。だって、その最善の方法って、相談者が何も変わろうとしないで、過去の自分のままで未来を変えようとするからね。でもそれでは未来は変わらない。

 今の自分を、過去の自分からどれだけ変えられるかで、未来は変わると思うの。どれだけ良い結果が得られるかは、今、どれだけ良いことをするかで良い未来が訪れる。

 だって、原因と結果は一直線ではない。常に過去と未来の間には今がある。だから今、良いことをして、良い種を作り、良い種を育てる努力をする。その時間はちゃんと与えられているんだわ、それが今だと思うわ」

 アルターは言う。

「でも、それ自体、今、方向を変えること自体が、過去に決まっているんじゃないかな。それが運命」

「アルターに点数を付けるとしたら80点くらいかしら、ヤヒトに点数を付けるとしたら40点くらいかしら、その40点のヤヒトが今日80点の行いをする。すると40点分、過去よりましな行いをしたことになるわ。その加算された40点は、この時点で40点加算されるとあらかじめ決まっていたとする。ここまでは運命どおり。

 でも、この40点を現在の自分ではなくて、過去の自分に向けたらどうなるかしら。そうすれば現在は80点の人なんだから、現在を変えることができる。40点の運命ではなく、80点の運命になる。運命は変えられるわ」

 アルターは驚いた。

「なんだって!」

「まあまあ、王子落ち着いて、この天才占い師の言葉を聞きなさい。

 自分の過去の悪い行いを消すのは難しいよね。でも、人の悪い行いは、消せないまでも許すことはできると思うの。

 ヤヒトよりちょっとましなわたしは50点ね。わたしが今日、80点の行いをしたとして、加点された30点分を自分の過去ではなくて、ヤヒトの過去に向けるとするわね。

 ヤヒトは、過去にわたしのおしりを触るというマイナス30点の行いをした。もともと40点のヤヒトが30点マイナスされたからヤヒトは10点ね。でも、わたしは今日、そのヤヒトを許したわ。人を許すという行為は、自分の加点を自分に向けずに、人の過去のマイナス点を消すことに使うことになるわ。

 ヤヒトは40点の人間だけど、おしりさわりの大罪でわたしから見れば10点の人。わたしの占いによれば10点のヤヒトはわたしに殺されるという運命だったけれど、今はわたしの許しによって40点に戻っている。殺されずに済んだわ」

 おれはとりあえず言ってみた。

「殺されるなんて最悪なことは0点だろう」

「わたしに殺されるんだから10点よ」

 アルターが言う、

「運命のままならヤヒトはウヤータに今日、殺されていた。でもウヤータの許しで助かった。運命は変えられた。

 自分の良い行いの向きを、他人の過去の過ちを許すことに向けるのか。なんだそれ? そんなことができるのか」

「王子もバカね」

「ばっ、ばか!?」

 王子は心底驚いた様子で目をむいた。

 ウヤータは続ける。

「人を許すこと、人に対するこだわりを捨てること、それがとても尊いことなのよ。人と人は同じような点数だから集まってくるの。宝石占いをしていればわかるわ。同じような石は、結局は同じ所に集まるわ。わたしたちは過去に同じようなことをしてきているんだわ。憶えていなくてもね。

 自分が間違ったことをしたら許してもらいたいよね。だから許してあげるの。前にアルターが自分で言ったじゃない。人のために生きることが大切だって。

 あれ? あれって、ヤヒトが言ったんだっけ?」

「おれが? おれが人のために生きるなんて、言うわけないよ。ウヤータのためなら生きられるけど」

 ああっ、しまった。心の声が出てしまった。おれは急速に耳まで真っ赤になり、ジャッカ、ジャッカという、血が回る音が自分の耳に聞こえるのがわかった。

 ウヤータがちょっと高めの声で言う。

「えっ、わたしのためなら生きられる?・・・、ああっ、奴隷ってこと?」

 おれは一層真っ赤になってしまった。奴隷でもいいとちょっと思った。

 アルターが言う。

「わかってきたよ。みんなが許し合えば、みんなで運命を変えられる。自分の過ちを許してほしければ、まず、人の過ちを許すことから始めよう。

 そして、どんな悪事も、自分の成長のために起こったことと見る努力をしよう。

 悪い過去を引きずらず、今、良い過去だったと心を切り替えれば良い未来へと舵を切れるんだ。

 悪い人とつながりがあるということは、自分も過去にそういう人だったからなんだ。自分は今、それが良くないことだってわかるまでに成長したんだ。自分が過去に人にやっていたことを、人からやり返されても、それが良くないことだと認識できる人になれたんだ。

 だから悪いことをする人も、魂が進化すれば、やがては悪いことをしなくなるんだ。

 自分も昔はそうだったんだから応援してあげよう。許してあげようという気持ちになることが大切なんだ」

「王子、あなたが一国の王になったら素晴らしい国王になるでしょうね。でももし宗教指導者になったら、すべての人が救われるすばらしい教えを説くでしょうね」

 ウヤータのこの言葉を受けてアルターは、

「もう国は無くなっちゃったから、宗教指導者しか残ってないね」

 おれは勢いよく言った。

「アルター王子、おれを弟子にしてくれ、一番弟子に!」

「あたしも! 一番弟子に!」

「よしてくれよ、ぼくたち三人は、いっしょだよ。きっと父さんも、君たちを見たらぼくと同じだっていうと思うよ。ぼくの父は星から来た人だから、ぼくは半分は星の人ってことになるね。君たちもそうかもしれないよ。

 ところで君たちは、ぼくが輪廻とか、過去世とか言っても不思議がらないね」

 ウヤータがきょとんとした顔でいう。

「だって、そんなの当たり前じゃない。それに王子の怪力は人間ではあり得ないわ。どう考えたって変よ」

 おれはウヤータを褒めようとして言った。

「ウヤータだって普通じゃないよ。あんなにジャンプしたり、大人の兵隊をやっつけたり。兵隊に捕まるなんてあり得ないよね。あれ?、でもアルターが捕まったときに、兵が女の子に刀を向けたからアルターは抵抗をやめたって聞いたけど」

「えっ、わたし知らないよ。だって、アルターの情報を兵隊に教えてから、わたしは山に逃げちゃったもん」

 アルターは笑いながら

「ああ、あれは通りがかった関係ない女の子だよ」

 ウヤータが割と気楽に、アルターの情報を流したことを口にしたので、おれは、もう黙っているのが苦しくて言った。

「おれ、本当に謝らなくちゃならないことがあるんだ」

「ヤヒト、あんた、まだ謝ることがあるの」

「アルターの情報を新王に売ったのはおれなんだ。燃える石の在処を新王に教えれば、賞金が出ることになったんだ。アルターは燃える石の場所を知っているようだった。おれはアルターに賞金を持っていかれるのが悔しくて、占い屋に来る女装したヤツが、燃える石と水を知っているって、新王に告げ口したんだ」

「なんだ、そうだったのか」

「なんだ、そうだったの」

 あんなに悩んでいたウヤータも、迷惑をこうむったアルターもあっけらかんとしていた。そしてウヤータはこう言った。

「アルターが燃える石のことを知っているって告げ口したら、結局はアルターに賞金が行っちゃうんじゃないの」

「違うんだ、なんていうか、アルターさえいなくなればというか、アルターとウヤータが、その・・・」

 アルターは、ポンとぼくの肩に手を置いて、笑いながら言った。

「もういいよ、君たち二人は、これからはずっといっしょなんだから、それよりも、そろそろ逃げる算段をしよう」

 おれはさっきまで、ウヤータのためなら生きられると思っていた。だけどいまはアルターのためでも生きられると思った。みんながこうして許しあって、わかり合えば、みんなのために生きられるんだ。人のために生きるってこういうことなのかな。と思った。ウヤータは言う。

「わたしは王子の親衛隊長になって、悪党から守ってみせるわ。王子のためなら命なんかいらない。ねっ、人のために生きるってこういうことなの?」

 アルターは言った。

「人のために生きるのと、人のために死ぬのとは違うんだ。自分のことよりも人を優先することから始めるんだ。

 ぼくの父がいうには、地球人は個々の人間がバラバラの別々だと思っている。でも本当はそうではなくて、みんなつながっている。

 右手は左手を怒らない、右手だけではできないことは両手でやる。右手と左手は争わない。人間どうしも同じなのに争いばかりをしている。他の星では、心と心で会話ができるけれど、地球人にはそれができない。だからうまくいかないってね」

 ウヤータは、

「でもそれって逆にチャンスかもしれないわ。心と心で会話できないけれど、だからこそ、相手の気持ちや、心の動きに関係なく相手を助けたり、思いやったりできるわ。

 心同士で会話できちゃったらそれができないから、お互いがわかり合えた時の喜びや感動が薄いと思う。それじゃーいつまでたっても心が成長しないわ」

 アルターが、

「ぼくは、父が星から来た人だから、少しは人の心をキャッチできる。やっぱりそれは面白くないのかな」

 ウヤータは、愉快そうに言う。

「さっきアルターは、わたしたち二人もアルターといっしょって言ったわね。わたしたちもできるかもしれないわ。ちょっと、実験してみましょう。

 ヤヒト、ちょっとわたしの心に直接話しかけてみて、わたしがその思いをキャッチしてみせる」

 おれは思い切ってやってみた。心の中で、唸るほど集中力を高めて、心の声を最大限にして念じて、おれの思いを爆発させた。


 〝ウヤータが好きだっ!〟


 ウヤータは目をつむったまま、言った。

「ヤヒト、早くして、集中力が途切れちゃう」

「えっ、もう送ったんだけど」

 おれが言うと、アルターが口を挟んで、

「うわー、ヤヒトって大胆なんだね」

 と言った。アルターの声を聞いてウヤータが、はしゃぎながら言う。

「えー、ヤヒトはなにを思ったの、なにをわたしに伝えたの、教えてアルター」

 おれは慌ててアルターを制した。

「アルター、王子様、絶対に言わないで!」

 三人は岩場の陰でいつまでも騒いでいた。

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