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婚約者の妹が悪口を言いふらしていたために周りからは悪女扱いされ、しまいに婚約破棄されてしまいました。が、その先に幸せはありました。  作者: 四季


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8話「その後」

「聞けば、ローゼリアを庇ったそうじゃないか」


 こうして魔神と二人で話をするのはいつ以来だろう。

 前に一度か二度くらいは経験がある。

 けれども二人きりというのは滅多にないことなので、初めてに近いくらいの気分だ。


「あれは明らかにローゼリアさんが狙われていました……」

「無理などしなくてよいというのに」

「ですが! ローゼリアさんが刺されるところだったのですよ!?」


 言いきってから、反省。


「……すみません、大声を出したりして」


 感情的になるべきところではなかった。


「……ただ、本当に危ないと思ったのです」

「心優しいのは分かった。だが、もう今後は危険なことはしないように。一歩間違えば死んでいたかもしれなかったのだぞ」

「ですがそれはローゼリアさんも同じです」

「だとしても、だ。他者のために敢えて傷つく必要はない」


 その後、魔神は、あの男がかつてローゼリアを追い掛け回していた人物であると教えてくれた。


 数年前、街へ出たローゼリアを目撃した男は、一目見て彼女に惚れたらしい。それで許可も得ず彼女についてきたのだとか。ただ、その時はここへ入ってくる直前にある門のところで見張りに注意され、中へは入れてもらえないまま帰ることとなったそうだ。ただそれでも彼はローゼリアを諦められず。以降、定期的にローゼリアに会うためやって来たらしい。


「その頃から、ローゼリアは外へ出さないようになったのだ」

「そうだったのですね」

「すべて中での仕事に変えた」

「だから私の担当となったのですか?」

「ああそうだ」

「そうだったのですね……」


 で、最終的にああなったようだ。


 想いの果てに、男は狂ったのである。


「だが安心せよ、男は既に捕まった」

「あ。そうなのですね」

「よって、もうやつが暴れることはないだろう」

「それは良かった」


 ローゼリアの心の状態だけが少し心配ではあるけれど。でも、取り敢えず一旦は平和を取り戻せたのではないだろうか。私は助かり、ローゼリアも刺されず、男は捕まって。結果は比較的良い方だろう。


「そういえば、ローゼリアさんは今どこに」

「少し用で出ている」


 ローゼリアはいつも傍にいてくれていた。でも今は近くにいない。魔神がいるから安全だとしても、それでも、彼女が視界に入っていないと少々違和感があるのだ。


「そうですか。……精神状態は大丈夫そうですか?」

「……あくまで彼女の心配をするのだな」

「当たり前ですよ! あんなことになって、怖くないわけがありません」

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