ゴリラが好きなわけじゃない。好きになったのがゴリラだっただけ!
前書き
【ゴリラが好きなわけじゃない。好きになったのがゴリラだっただけ!】抜き打ちテスト!
これから読むであろう本文を想像しながらお答えください。
※答えは後書きにあります。
問1
ヒロインである絶世の美少女ドミニカ麗美。彼女の属性を次の中から選び記号で答えなさい。
ア,妹属性
イ,火属性
ウ,ツンデレお嬢様時々南国の風に想いを馳せて属性
問2
ヒロインであるドミニカ麗美はみんなから親しみを込めドレ美と呼ばれているが、そのあだ名をつけた女子生徒は誰か。次の中から選び記号で答えなさい。
ア,サーロイン肉子
イ,斉藤純子
ウ,毛深井腕子
問3
坂口マイケルの行動により山田という少女が急激に成長した。その彼女が将来なりそうなものは何か。次の中から記号で答えなさい。
ア,カニカマ職人
イ,メンタリスト
ウ,イキリスト
問4
イラスト1とイラスト2で4箇所違うところがある。違うところを全て書きなさい。
問5
本文中にバナナをもじった877という数字が何度も出てくるが、全部で何回か。次の中から記号で答えなさい。
ア,3回
イ,4回
ウ,877回
問6
本文中にアリさん親子に対して、時速40キロで走る車が、20メートル手前に迫っていたシーンがあるが、仮に時速40キロのスピードのまま20メートルを進むとしたら、何秒でアリさん親子の所に到達してしまうか。式・答えを記述しなさい。
問7
公園の砂場で陸亀が産卵していた時にとったドレ美の行動は何か。次の中から記号で答えなさい。
ア,ロングブレスダイエット
イ,ラマーズ法で見守る
ウ,ボイスパーカッションで国歌斉唱
問8
サブローがドレ美を励ます為に歌った、ゴリラ語の歌に記載されているオリジナルのギターコード進行に、メロディを付け、歌ってみた動画をSNSでアップしてください。
※歌ってみた動画をSNSでアップした人全員、正解とする。
問9
ハワイで使われる、親指と小指を立てるアロハポーズ。そのアロハポーズ、細かく分けると2種類ある。作中に出てくる【シャカ】ともう一つは何か? 次の中から記号で答えなさい。
ア,オヤユビコユビ
イ,ハングルース
ウ,ホップステップハブ
問10
むらもんたのゴリラ小説【TKG〜時をかけるゴリラ〜】、【ゴリラとクローバー】についてです。次の中からもっとも当てはまるものを何としても記号で答えなさい。
ア,2作とも読んだことがある
イ,2作とも読んだことないが、今後読んでみたいと思っている
ウ,1作は読んだことがあるが、読んでいないもう1作も読んでみようと思っている
エ,そんなのどうでもいいからゴリラ小説書かせろ
ノベル高校、3-E組の教室前。
「あ、あ、あの、僕とお付き合いしてください!」
「ごめんなさい。あなたが嫌だとかいうわけではなくて、今私、誰とも付き合うつもりはないの」
今日もまたノベル高校で1人の男子生徒の淡い恋が散った。
振ったのは3-E組在席、絶世の美少女、ドミニカ麗美。男子生徒を葬った数、実に35回である。
名前からも分かるように、彼女はハーフだ。
ハーフと言っても、イタリアやロシアなどのいわゆる白人系ではなく、南米を連想させる濃ゆいエキゾチックビューティーの持ち主だった。
そして、もう1つ彼女には大きな特徴がある。
それは彼女が『ツンデレお嬢様時々南国の風に想いを馳せて』属性であるということだった。
と言っても、彼女は帰国子女でもなんでもないし、パスポートすら持っていない。ただただ南国に憧れ、想いを馳せてしまうだけの、いたいけなJKなのである。
「あ、1つ聞いてもいいかしら」
「は、はい! なんですか?」
「あなた違うクラスだと思うのだけれど、私のどこを気に入って好意を抱いてくれたのかしら?」
「どこをですか。えっと、顔やスタイルと言いますか……あ、もちろんそれだけではなくて、その凜とした雰囲気とかに憧れて、お付き合いできたらいいなぁって」
(この人も外見でしか判断してないのね……)
「あ、そう。ありがとう。もう行っていいわ」
「あ、そうって……なんだよ偉そうに! クソッ! えーんえーん!」
精一杯の好意を踏みにじらた男子生徒は、走って自分の教室に帰っていった。
「あーあ、ドレ美〜、まーた振ったのー? あれはトラウマになるわー! アハハ」
「茶化さないでよ、腕子! 仕方ないじゃないの、恋愛とか興味ないんだから」
「ドレ美程の可愛さで恋愛に興味ないとか、男子達かわいそすぎー! アハハ」
この、麗美のことをドレ美と呼ぶ、よく笑う少女。名を毛深井腕子という。完全なモブキャラである。
ただし、腕毛は濃い。
容姿端麗、運動神経抜群、更にはナイススタイル&美声の持ち主であった麗美は、腕子だけでなくみんなから親しみを込めドレ美と呼ばれ、告白してくる男子生徒こそ振るものの、人気がありスクールカーストにおける絶対君主だった。
最初に麗美をドレ美と呼び始めたのは腕子なのだが、ドミニカ麗美という名前からドレ美というあだ名をつけるセンス。
このあたりの腕子の頭の回転の速さには目を見張るものがある。
ただし、腕毛は濃い。
キーンコーンカーンコーン。
キーンコーンカーンコーン。
「あ、ホームルーム始まるね。アハハ。席つかなきゃ」
腕子が促すと、ドレ美も自分の席についた。
ガラガラ。
教室のドアが勢いよく開く。
「モグモグ……。よぉし、ホームルーム始めるぞー」
上下黒のジャージに、インナーは白のタンクトップ。そのタンクトップの胸元からは漢らしい胸毛が大量に顔を出している。如何にも熱血教師というような風貌のこの男は、ノベル高校3-E組の担任、坂口マイケルだ。
濃ゆい顔で今日もバナナを頬張っての登場。教師としてはあるまじき姿だったが、彼の圧倒的なカリスマ性はそんな愚行すら許される程のものだった。
「えーっと、実は今日からこのクラスに新しい仲間が加わります」
この坂口マイケルの発言にクラスが沸いた。
「おい、転入生かよ! 女子かな? 可愛いかな?」
「イケメンがいいなぁ〜」
「ロコモコ食べたいわ」
ざわざわざわざわ。
「めっちゃテンション上がるわ〜」
「いや、案外ゴリラだったりして!」
「朝のビーチでウクレレも良いのよね」
ざわざわざわざわ。
一大イベントである、転入生イベントにざわつく3-E組。
そんな中、ドレ美だけは南国に想いを馳せていた。
これが『ツンデレお嬢様時々南国の風に想いを馳せて』属性なのである。
ざわざわざわざわ。
「……モグモグ……モグモグ……」
尚も生徒達の盛り上がりは続き、ホームルームの時間は押していた。
だが、坂口マイケルはバナナを頬張りながら生徒達を無言で見守っている。
そこには教師としての彼のポリシーがあった。
「み、みんな! そ、そ、そ、そろそろ静かにしよ! 1限の授業に間に合わなくなっちゃう!」
1人の内気な女子生徒が声を上げた。
『自分自身で今何をしなければならないのかを考える』
坂口マイケルが生徒を想い、決めた3-E組のスローガン。
彼女自身が今何をしなければいけないのかを考えて辿り着いた答えだった。
言われたことをこなすだけではなく、自分で考え行動ができる大人になってほしい。
坂口マイケルは普段からそういったことを考え、生徒達と接していた。
だからこそ、私語で時間が押していても静観を貫き、生徒達が自ら答えを導き出すまで待っていたのだった。
「ありがとう、山田。それじゃあホームルームの続きといこうか。入ってきていいぞー!」
声を上げた女子生徒、山田が少し照れながら笑う。
そして、坂口の声を聞き遂に転入生が教室に入ってきた。
ガラガラ。
「ウホホウホホ。ウホーウホホーウホ。ウホホンホウホホウホホイ。ウホホホウホバナナホオーラホウホホ、ウホホイホウホホウホホウホホイ」
ゴリラだった。
どっからどう見ても霊長目人科に属するゴリラ。
学ラン姿のスピリチュアルゴリラだった。
「おい、嘘だろ?」
「いや、ゴリラとか普通に危ないだろ」
「てか、どうやって人間の言葉話してんだよ!」
「オーラとかマジウケる。アタシ見てもらおうかな。アハハ」
「ホノルルマラソンの為に毎朝10キロ走ろうかしら」
再びざわつく3-E組。
だが、心配ご無用。
このクラスには彼女がいる。
「みんな、静かにしよ! さっきも言ったけど1限に間に合わなくなっちゃう! それにサブちゃんも困ってるよ!」
山田だ。
さっきまで、たどたどしく発言していた子とは思えないくらいハッキリと自分の意見を述べている。
このくらいの年代の子達の成長にはいつだって驚かされる。
坂口マイケルの教育ポリシーが、この成長を促していた。
「もう、なんでこう静かにできないのかな。本当にみんなガキなんだから!」
だが、イキっていた。
魚が水を得たように。
ゴリラがバナナを貪るように。
山田がイキイキとイキっていた。
その余りに早すぎる成長スピードに自分自身がついていけず、自分を見失っていた結果だった。
それでも坂口は優しく微笑む。
きっと山田なら大丈夫だと。
「山田、またまたありがとな。で、見たら分かると思うが、サブちゃんはゴリラだ。みんなもニュースで見たことはあると思うが、【新ゴリラ共存法】に、この3-E組が当選した。みんな仲良くするように。ちなみにサブちゃんとのコミニュケーションは普通に行えるからな! サブちゃんが耳に付けているシングルタイプのインナーイヤーヘッドセット『ゴリラの気持ちが聞きたくて2040夏』を使用することで、人間の言葉はゴリラ語に変換され、ゴリラ語は人間の言葉に変換される。つまり翻訳機能がついてるってわけだな」
【新ゴリラ共存法】
2020年から世界中で流行した謎のウイルスは沢山の人々を死に追いやった。2040年になった今も尚、その猛威はとどまることを知らない。
そのウイルスに対し、唯一抗体を持つのがゴリラだった。
そこで政府は試験的に比較的穏やかでコミニュケーション能力の高い個体のゴリラを高校の段階で編入させ、社会に送り出す案を可決した。
飲食系の仕事こそ難しいが、身体能力の高さや抗体を持つといった点で優れている彼ら彼女らは、今後の人類を大きく助ける存在になるのは明らかだった。
まだ前例は数件しかないが、問題も起きておらず、少しずつその数を増やしていたのだった。
「ほい、サブちゃん。これは歓迎のバナナだ!」
坂口がポケットからバナナを取り出し、サブローに手渡した。
「ウホホウホウホホイ。ウホホウホホ? モグモグ」
聞くのと同時にサブローは、バナナの皮を剥き、食べはじめてしまった。
バナナを手渡され、席に着くまで我慢できるのが人間。
すぐに食べてしまうのがゴリラなのである。
「おいおい、もう食べてるじゃないかサブちゃん。困ったゴリラさんだな」
「ウホホホイ! バナナウホウホウホウホホ。ッホウホバナナ……ウホフィウホウホホウホホフィウホホノウホ。ウホホウホホホウホホト、ウッホホウホウフォヒィ……ウホホンウホホ?」
「おっ! さすが利きバナナでギネス世界記録保持ゴリラになったサブちゃんだな!」
この間、生徒達は目の前で起きている浮世離れしたやりとりに言葉を失っていた。
「よし、それじゃあサブちゃんの席は、真ん中の列の1番前。ドレ美の隣な!」
「ウホ!」
バナナを食べながら空いていた席に着いたサブロー。
隣の席に座るドレ美と目が合った。
「ホ? ウホウホホホ?」
何かを感じたサブローは、食べていたタイ産のバナナをドレ美の前に差し出した。
センシティブである。
JKに剥いたバナナ。
実にセンシティブである。
イラストにするとこんな感じになる。
イラスト1
※このイラストのJKやゴリラはドレ美、サブローではありません。世間一般的なJKやゴリラをイメージして描いたものです。
実にセンシティブである。
パチン。
ドレ美がサブローの手を叩いた。
その勢いでタイ産のバナナが床に落ちてしまった。
そしてそのバナナを踏みつけながらドレ美が口を開く。
「こ、こんなの食べられるわけないじゃない。ゴリラだかなんだか知らないけど、バカじゃないの?」
「……ウホホウホホ」
サブローの小さな声が震えていた。
「な、何よ。聞こえないんですけど! 何かあるならハッキリ言いなさいよ!」
「ウホホウホホッホウッホホヴホ!」
噛んだ。しかもよりによって『ん』を噛んでしまった。
【ん】
誰もが知っているキングオブ国民的言葉遊び、しりとりでも『ん』が語尾についたら負けと言われてるように『ん』は全日本国民に忌み嫌われている文字である。
それを裏付けするかのように、国名などを除くと、ほぼ『ん』から始まる日本の単語はない。
だが『ん』は、とても大事だ。
ドレ美とサブローの緊迫したやりとり。
それがたった1文字『ん』がなくなっただけでどうだ?
世の中の緊迫したやりとりに『ん』は欠かせない。
だから私達日本人は『ん』という文字に、もっと寄り添い生きていかなければならない。
話を戻そう。
サブローの怒鳴り声が教室中に響いた。
そしてサブローは腕をブンブン回しながら溜め攻撃を放とうとしている。
※『ん』に免じてサブローが噛んだところは、今回に限り無かったこととする
この状況にいよいよ生徒達も焦りはじめた。
「やめなよ」「勃ち過ぎだよ」「男子止めて!」などの声が飛び交う中、更にサブローは腕をブンブン回した。
そして遂にサブローが溜め攻撃を放つ。
凄まじい風圧を纏いながらサブローの拳がドレ美に当た……りはしなかった。
バシッ!
坂口マイケルだ。
彼がサブローの拳を片手でキャッチしていた。
「サブちゃん、お前の気持ちはよく分かる。だけど暴力では何も解決できない。そしてドレ美、食べ物を粗末にしてはいけない。足をどけてくれないか?」
語りかけるような坂口の優しい声色。
その声を聞いて、生徒達も安心した。
「せ、先生がそう言うのなら……」
ドレ美が足をどけると「ありがとう」と言いながら坂口は、ドレ美の靴の裏についたタイ産のバナナを手で取り、食べた。
床にくっついたバナナも綺麗残らず。
「3秒ルールだ」
最高のスマイルでもって坂口はクラス全員に向けそう言ったが、バナナのような粘り気のある食べ物に3秒ルールなんてものは存在しない。
ましてや靴の裏である。
普通に汚かった。
それに、何より3秒を余裕で過ぎていた。
「2人とも、やり過ぎだぞ。次は気をつけるように」
そして坂口は、ドレ美とサブローのおでこに軽くデコピンをした。
ドレ美とサブロー。
こうして2人は……いや、1人と1頭は最悪な形で出会った。
最悪な出会いから数ヶ月が経った。
初めのうちこそ、クラスメイト達に怖がられていたサブローだったが、持ち前の明るさと優しさ、そしてスピリチュアルゴリラとしての能力が、みんなとの距離を縮めていった。
初対面のJKに対しバナナを手渡すことがセンシティブにあたると、後日SNSで知ったサブローは何度かドレ美に謝ろうとした。
だが、初日の件を根に持っていたドレ美はその機会すら与えようとせず、2人の間にできた溝は埋まっていなかった。
次第に2人は変な対抗意識を持つようになる。
ドレ美が校内学力テストで1位を取れば、それに負けまいとサブローは『ドラミング反復横跳び』で2つ目の世界ギネス記録保持ゴリラのタイトルを獲得していた。
そんな中、1ヶ月後に迫った文化祭に向け、3-E組の催し物が決まった。
絶世の美少女、ドミニカ麗美とコミニュケーションお化けスピリチュアルゴリラのサブローがいるということもあり、1人のお姫様とゴリラのラブロマンスを描いた伝説の演目『ゴリLOVE』をすることになった。
同タイトルの小説は877万部を超える大ベストセラーにもなっており、人間だけでなくゴリラですらその名を知らないものはいなかった。
サブローに対して、未だ嫌悪感を抱いていたドレ美は、この催し物について当然拒否したのだが、多勢に無勢である。
クラスメイトの伝説の演目が観たい・やりたいという圧倒的多数の好奇心には勝てず、渋々受け入れることになった。
サブローはというと、ドレ美に謝るキッカケになればと思い二つ返事で、それを引き受けた。
そしてドレ美とサブローのダブル主演で伝説の演目『ゴリLOVE』を公演するということは、瞬く間に学校中の話題の中心になった。
そんなある日。
ドレ美は1人で下校していた。
「なんで私がゴリラと一緒に主演しなきゃいけないのよ」
未だ不満そうである。
と、その時ドレ美は何かに気が付いた。
「あっ! アリさんの親子……」
横断歩道の上を小さなアリさんの親子が、ゆっくりと渡っていた。
ちなみにドレ美の視力は両目ともに5.0あり、肉眼でもアリさんの雄雌や続柄まで判別することができる。
悪いタイミングで遠くから1台の車が横断歩道の方に向かってくるのが見えた。
「轢かれちゃうかもしれないけど、私にはどうすることもできないし……アリさん、ごめんなさいね」
『ドレ美。どんな小さな生き物や、植物にだって命はあるし、一生懸命生きてるのよ。お父さんやお母さんにもらった大事な命を次の世代に繋げようと必死にね。だから全ての命は等しく尊いのよ』
ドレ美は幼少期に聞いた母の言葉を思い出しながら、自分の無力さを痛感していた。
これは仕方のないことと割り切ろうとするが、どうしたって心は痛む。
こんなことなら気付かなければ良かった。そう思っていた。
アリさんが横断歩道を渡っているなんて思ってもいない車は、時速40キロのスピードを落とすことなく、いよいよ20メートル手前まで来ていた。
すると、車より速いスピードで黒い何かが横断歩道と車の間に走ってきた。
サブローだ。
サブローに気付いた車の運転手が急ブレーキを踏みながらクラクションを鳴らすも、サブローは退かない。
それどころか車に対しドラミングやウンコを投げるという威嚇行為をとった。
「あ、危ない!」
ドレ美の叫び声が響いた。
キキィィィ。
サブローと車の距離、数センチ。
ギリギリの所で車は止まった。
「あ、あぶねぇな馬鹿野郎! 何急に飛び出してるんだよクソゴリラ!」
車の運転手が怒鳴る。
ドムドムドム。
数秒のドラミングの後、サブローが口を開いた。
「ウホウホホホウホホン! ウホウホウンホホウホホンウホ! ウホホンホウホホホウホホンホホンウホッホウホホホホ! 『ウホウホイウンホ』ホウホホフンホフェ!」
『かもしれない運転』
交差点で子供が飛び出してくるかもしれない。
車道を走っている自転車がいきなり転ぶかもしれない。
アリさんの親子が横断歩道を渡っているかもしれない。
これらのリスクに配慮しながら運転をする。免許を所持し、運転する者の義務である。
視力20.0のサブローにもドレ美同様、当然アリさんの親子が横断歩道を渡っているのが見えていた。それ故の行動だった。
「あぁ? 頭沸いてんじゃねぇのか! 横断歩道を渡るアリさんなんて見えねぇし、仮にそんなん轢いたとしても警察にも捕まらねぇだろ! たかがアリさんのちっぽけな命でギャーギャー言ってんなよ!」
「ウホホンホ! ウンホウホホホウホウホホ、ウョフホフホホッホウホウホホ、ウッホホウンホホウホホホンウホ! ウホホホンウホンフィウホッホウホホホウホホフィウホホウホウホホウホウッホホホ! ウホホウホフィウホウホホイウホ!」
サブローの言葉を聞いて、またドレ美の心はチクビと痛んだ。
小さい頃から母親に教えられていた命の尊さ。
それを知っていながら、諦めて行動できなかった自分への苛立ち。
複雑な気持ちではあったが、自分の中にある大事なものに気付いたドレ美は、アリさん親子が無事だったことを心の底から喜んだ。
「チッ、は、話になんねぇな! クソが!」
捨て台詞を吐いた運転手だったが、アリさんが横断歩道を渡りきるのを待ってから、再びアクセルを踏んだ。
サブローの命をかけてとった行動により、言葉はしっかりと届いたのだった。
「佐藤君……大丈夫かしら?」
「ホ、ウホホホウホホン! ウホホホウンホウホ!」
アリさんを助けるのに必死になっていたサブローは、ドレ美が近くにいたことに気付いていなかった。
「大丈夫なら良かった。アリさん親子も無事だったしね。一応礼を言っておくわ。あ、ありがとう」
少しだけ照れた表情のドレ美。
ツンデレのデレの部分が出始めた。
「ウホホウホホウホッホホホ。ッホ、ウホホウホホホウホホンホウホウホ?」
「アタシもアリさん親子に気付いてたんだ……けどアタシには何も出来なかったから。怖くなかったの?」
「ウホャウホホン! ウホウホホウッホウホホホウッホン。ウホ、ウホウホホウホホホウホウホホンウホホホウホホウホウホホホウッホウホホッホ。ッホウホホウッホウホホホウホホウホホウホウホホウンホウホホンウホホホ、ウホホホホウホホンウホホホウホホホ」
よく見ると未だに寄り目のままのサブロー。
「プフッ。佐藤君、まだ寄り目になってるわよ」
その姿に思わずドレ美は笑ってしまった。
「ウホホウホ! ッホ、ウホホ。ウホホッ。ホ、ウホホホウホホン……ウホ、ウホウホホウホン。ウホ、JKホバナナホホンホホィブホウホホホウホウホホホホ……」
ドレ美の笑顔を見たことで、今ならちゃんと謝罪することができる。
そう思ったサブローは勇気を振り絞った。
「あぁ、あれね。あれは、その……産だったから……」
どこか歯切れの悪いドレ美。
「ホッ?」
聞き返すサブロー。
「だーかーらー、タイ産だったからよ! アタシ、タイ産のバナナは食べれないの! 小さい頃に喉に詰まらせてからトラウマになっちゃって……」
拍子抜けしたサブローは、再び聞き返す。
「ホッ? ウャホ、バナナホホンホホィブウホホウホッホウホンホャウホホ?」
「そうよ! むしろバナナは好物よ。フィリピン産のバナナなんて毎朝食べてるし」
「ウンホ、ウホホッホンホ! ホ、ウホ、ウホホ……ウッホウッホ! ウホ、ウホ」
何やら学ランのポケットをゴソゴソし始めたサブロー。
そこからバナナを取り出すと、ドレ美に差し出した。
「え? このサイズ、そして匂い……」
「ウィウホンホン」
「フィリピン産」
2人の声が重なった。
「プフフッ。ハモったわね。えっと、もらってもいいのかしら」
「ウホウホホホウホホ。ウホホホンホウホ、ウッホホウホホン」
2人は丁寧にバナナの皮を剥いて、互いのバナナとバナナを軽くぶつけた。
センシティブである。
JKに剥いたバナナ。
実にセンシティブである。
イラストにするとこんな感じになる。
イラスト2
実にセンシティブである。
「あー、美味しかった。ごちそうさま。あ、そういえば文化祭の劇の練習って進んでるのかしら? 佐藤君も主演だからセリフ結構多いわよね」
「ホッ! ウッホホウホホウホ……。ウホホホウホホンホウホホウウホホホウホウホッホウホホホッホウホ、ウホウホホホャウホホ」
「やっぱり練習してなかったのね! って、あー、人のせいにしたなぁ! まぁ、それならアタシにも責任があるから……じゃあ、明日から毎日アタシが稽古に付き合ってあげる」
「ウホホホ!? ウホホホウホホンホウホホホウホホッホウホホウホウホホウンホホンホ!」
「そ〜れ〜と〜、そのドミニカ麗美さんて呼ぶのやめて。フルネームとかおかしいわよ。ドレ美でいいわ。みんなもそう呼んでるし」
「ホッ、ウホホウホ ウホホウホホウホホャンホウホホ」
「分かったわ、サ、サブちゃん……んー、なんか、まだしっくりこないわね。サブロー君て呼ばせてもらうわ」
やっと普通に会話ができるようになったとは言え、まだまだ2人の距離は近付き始めたばかり。
下の名前で呼べるようになっただけでも、一歩前進といえる。
「ウンホホー、ウホルホホー! ホァウホホ。ホァウウホホウホウホホウホホウホ。ホァウホホン」
「誰がファソラよ! って、アハハ、おかしいわね。誰かにイジられたのなんて高校生になってから初めてよ」
その圧倒的なルックスと、なんでもハッキリとものを言ってしまう性格から、ドレ美をイジる友達は誰もいなかった。
だからサブローからのイジりはとても新鮮で、初めて対等に接することができる友達ができた。
そんなことをドレ美は思った。
「ウホッホホウホラレタリウホラレタリウホラレタリウホラレタリウホ、ウホホウホホウホッホウホホンウホホ。ウホホウホホホン、ウホホウホホウホホウホッホウホウホ! ホァウホ、ウホホァウホホウホホウホホ。ホ、ウホホッホ」
サブロー渾身のゴリラジョークである。
ドレ美がありのままの姿で、いられるような場を作ってあげたい。
その想いでサブローはふざけていた。
「サブロー君のバーカ」
サブローの少し後ろ側を歩き、彼に聞こえないくらいの声でドレ美が言った。
自分のために、ふざけてくれているサブローの気持ちがドレ美にはしっかり伝わっていたのだ。
「ホ?」
振り向くゴリラ。
「何でもないわよ」
少し嬉しそうにドレ美は地面を蹴った。
それからというもの、2人は毎日のように下校途中にある公園で、劇の稽古に励んだ。
その日々の中で、サブローはドレ美の内面に惹かれ好意を抱いていった。
例えば、公園で迷子がいれば、ドレ美は町中を走り回って泥だらけになりながらも親を探し、見つかるまで決して諦めなかった。
他にも公園の砂場で陸亀が産卵していると、母亀と一緒に涙を流しながら、「ヒッ・ヒッ・フー」と、ラマーズ法で見守った。
そして何よりも演技が下手だった自分の為に、一生懸命劇の練習に付き合ってくれるドレ美の優しさにサブローは惹かれていた。
一方ドレ美はというと、サブローの気さくな性格や外見に囚われず、自分を特別視しないところに居心地の良さを感じていた。
また、劇の練習に一生懸命取り組む姿にも好感を抱いていた。
2人の距離は間違いなく近付いていた。
そして文化祭まで残り1週間となったこの日も、いつものように稽古をしていた。
「ふぅ。だいぶいい感じになってきたわね。この辺で1回休憩にしましょうか」
ドレ美はタオルで額の汗を拭った。
厳しい練習の甲斐あって、伝説の演目『ゴリLOVE』も、なんとか形になってきていた。
「ウホ。ウャホウホ、ウホホホウッホホ。ウホホホン、ウホホウホ?」
「コーク!」
秒だった。
南国の風に想いを馳せてしまうドレ美はコーラをコークと言ってしまう。
これはハワイに行ったことがある日本人が、日本に帰国した際にウザがられる言動ランキング877年連続1位を獲得しているセリフだ。
ちなみに2位は、車の運転中にウインカーとワイパーを誤操作し「あ、反対か。ハワイだったらこれであってるのに」と言ってしまうことで、3位は写真を撮る時に理由もなくアロハポーズをとってしまうことである。
だが、幸いサブローにはそれがウザい言動だとバレてはいなかった。
「ウョホホイ」
「あ、待って! お金」
財布を取り出そうとするドレ美。
それを手で制しながら、サブローがハニカム。
「ウホホウホホホ。ウホィーホウホホウホンホ、ウンホウンホンホウホホホウホホャンウホウホウホ? ウホホウホウホウホホホウホウホウューホホウッホンホウホホホンウホホウホッホウホホホ」
877本。仮に1本120円だとすると10万5240円である。
どうってことないわけない。
「ナンセンスゴリラかは知らないけれど、そこまで言うのならお言葉に甘えさせていただくわ。てかサブロー君、あなたなんの仕事してるの?」
「ウホ!」
サブローは自分のスマホ、GoriPhone10の画面をスワイプして、ドレ美に見せた。
そこには【幸せを運ぶゴリラ。サブちゃんの四葉のクローバー♪】と書かれたWebページが表示されている。
業務内容はこうだ。
そこら辺に生えている、普通の四葉のクローバーを集めては「願いが叶う」だとか「好きな人と結ばれる」だとか言って小学生やOLに売りつける。
まだ、善悪や物の価値というものをしっかりと理解していない小学生や、結婚に対して焦りを感じているOLに狙いを定めていた。
どっからどう見てもナンセンスゴリラである。
だが、彼も必死だった。生きる為。そして何より故郷の幼ゴリラにバナナを送る為……。
それになんだかんだ言ってサブローの四葉のクローバーには、実際それなりの効果があったわけで、WIN-WINの関係と言えた。
クローバーの効果はスピリチュアルゴリラである彼の資質によるものなのかもしれないが、購入者によるSNSや口コミサイトの書き込みの影響で仕事は大繁盛だった。
「やっぱりアタシ、自分で払うわ」
「ウホ……」
ドレ美からお金を受け取ると、サブローは近くの自販機までナックルウォーキングで向かった。
そしてドレ美のコーラと自分のおしるこを買うと、今度は激しくももあげをしながらドレ美の元へと戻った。
おしるこの注意書き『よく振ってからお飲みください』をスピリチュアル的に感じ取ったからである。
「ねぇねぇ君、すっごく可愛いね。うちらとちょっと遊ぼうよ」
「なぁ。嫌なことはしないからさぁ」
「カラオケとかよくない?」
サブローが自販機から戻ると、ドレ美が大学生くらいのチャラ男3人組に絡まれていた。
「あなた達、いきなりなんなんですか? 迷惑です」
強気な姿勢を見せるドレ美。
「迷惑って、それはひどいっしょ。なぁ、いいじゃんか。うちらいろんな遊び知ってるからさぁ。こっち来いよ!」
1人の男がドレ美の腕を掴み、無理矢理連れて行こうとしている。
「やめて、離してよ!」
嫌がるドレ美の姿を見て、サブローはももあげのスピードを上げた。そして、男の腕を掴むと、「ウホウホホイウホウホホョウホウホホ!」と言った。
「なんだよこのゴリラ。お前に用はないんだよ! 引っ込んでろ!」
「ウホホウホウホホウホホホ、ウホウホウホンウホ! ウホホウホホホンホホァ、ウホホウホウホホウホウホホウョウホャウホウホ!」
そう言うと、男の手をドレ美から離し、自分の後ろにドレ美を移動させた。
「サブロー君……」
「ウホホョウホホウホホホン、ウホホウホルウホ。ウホホウホッホホ。ウホ、ウホ」
そして買ってきたコーラとおしるこを渡した。
「なんだなんだカッコつけてよー。イチャついてんじゃねーよ!」
「てか俺が守るからって、このゴリラ、その女に惚れてるんじゃねぇか? プフッ」
「ゴリラの分際で? かぁー、笑えるわ。腹いてぇ」
チャラ男3人組は手を叩いて、サブローを笑っている。
ゴリラが人間の女性を好きになる。
確かに普通ではないかもしれない。
「ホゥ。ウホホウホョホウホ。ウホホウホホウホホョホウホホ! ウホウホホウホホウホホン! ウホホホウホホホ、ウホンウホウホホウホホホイ、ウホホウホウホホホホイウホホ、ウホホッホウホ! ウホホホウホホ、ウホホホウホイ。ウホウホホウホウホホ、ウッホウホホ。ウンホホウホホホウホホホッホウホウホンホウホホウホイウホウホホウホホンホ!」
トクン。
ドレ美の心が跳ねた。
「サブロー君……」
「あぁウゼェわ。説教たれてんじゃねぇよクソがぁ!」
チャラ男の1人が殴りかかってくる。
サブローはそれをしっかりと片手でガードした。
単純な殴り合いになれば、人間に勝ち目はない。それはチャラ男達も分かっていた。
「今だ、やれ!」
最初に殴りかかったチャラ男が合図を出すと、残りの2人が近くにたまたま落ちていたトンファーを拾い、攻撃を仕掛けて来た。
そのトンファー捌きといったら、どこからどう見ても達人級で、サブローとドレ美は『こいつら大学でトンファーサークルに所属しているな』と思った。
「ウホッ」
1人目のトンファーによる攻撃はなんとか防いだものの、2人目の攻撃をこめかみに受けてしまう。
一瞬怯んだ隙をチャラ男、改めトンファーの達人は見逃さない。
「おりゃおりゃおりゃおりゃーー!!!」
トンファーの殴打、殴打、殴打……。
防戦一方のサブローは、急所である股間を両手で守りながら、起死回生の時を待った。
尚も、トンファーによる殴打は続く。
ようやく、息を切らしたトンファーの達人は攻撃の手を止めた。
焦点の合わないサブローの目を見て、口を開く。
「はぁはぁはぁ……。こいつ、勃ったまま気を失ってるぞ。ザマァみろ!」
股間を両手で大事そうに守り、全ての攻撃をまともに受けてしまったサブロー。
そのせいでインナーイヤーヘッドセット『ゴリラの気持ちが聞きたくて2040夏』も壊れてしまっていた。
勝ち目はもうないのかもしれない……。
「ウホッ……ウホォォォー!!!」
中央に寄り、焦点の合っていなかったサブローの目。
どうやら気を失っていたわけではなく、怖過ぎて寄り目になっていただけのようだ。
だが、全ての攻撃を受けきり、これならイケると確信したサブロー。
サブローは、近くにたまたま落ちていたヌンチャクとイソギンチャクを拾うと、チャラ男に襲い掛かった。
「ヒィ、ヒィー!!! イ、イソギンチャクー!!!」
チャラ男三人衆は走って逃げていった。
イソギンチャクの毒。
それは一般的に人間には影響のないレベルのものであるが、トンファーの達人である彼らにはとても恐ろしいものだった。
『本当に恐ろしいものは目に見えないもの』
トンファーの腕を極限まで磨き、悟りを開いた彼らだからこそ辿り着くことができた真理。
それを感覚的に分かっていたからこそ、彼らは逃げた。
賢明な判断と言える。
「サブロー君、大丈夫!?」
ドレ美が急いで駆け寄る。
「ウホッ! ウホホッ」
『ゴリラの気持ちが聞きたくて2040夏』が壊れた今、ドレ美が何を言っているのかサブローには分からない。
それでも、雰囲気で自分を心配してくれてるのを感じたサブローは、ハニカミながら親指を立てた。
「なら良かった。けど、アタシのせいでサブロー君を傷つけてしまったわ。ごめんなさい……。こんな見た目じゃなかったら良かったのに……」
大丈夫というジェスチャーこそしたものの、明らかにサブローは満身創痍である。
ドレ美は、サブローに肩を貸し、近くのベンチまで連れて行った。
「アタシね、自分の容姿がコンプレックスなんだ……」
首を傾げるサブロー。
「あ、そっか。それ壊れちゃったから、アタシが何言ってるのか分からないわよね。まぁそれならちょうどいいわ。少し聞いて」
壊れた『ゴリラの気持ちが聞きたくて2040夏』をサブローの耳から外し、ドレ美は話し始めた。
サブローもなんとなく雰囲気を察し、聞きゴリラに徹した。
「アタシね、今でこそ、この見た目のおかげでみんなから可愛い可愛いって言ってもらえているけれど、小さい頃は違ったの。ハーフでみんなとはやっぱり違ったし、小さい頃ってそういうみんなとは違うものを仲間外れにしたりするから、いつもからかわれたりしてさぁ。
それである日、日本人じゃないお母さんに言っちゃったの。『なんでアタシは普通じゃないの!? 全部お母さんのせいじゃん! 大っキライ!』ってね……。お母さん泣いてた……」
ドレ美の瞳が涙で乱反射を繰り返している。
今にも涙が零れ落ちそうだ。
「それからはね、なんだか気まずくなってまともに会話もしてないの。
それに大きくなったらなったで、今度はみんなアタシの外見だけしか見てくれなくなった。ハッキリした顔だから、ハーフモデルみたいって好意を抱いてくれる人は沢山いたけれど、誰も私の内面なんて見ようとしてくれない……。
それが嫌だった。お母さんは何も悪くないのに、感情をどこにぶつけていいか分からなくて、またお母さんにキツイ態度をとったの。
今も上手くいってないんだ……それで、今日も男の人達に絡まれてサブロー君を巻き込んでしまうしさぁ……あーあ、なんでこんなにうまくいかないんだろ……」
涙が零れないように、空を見上げるドレ美。
けれど、涙の表面張力はとっくに限界を迎えていた。
ドレ美の頬を一粒の涙が濡らす。
「ウホッ」
聞きゴリラに専念していたサブローが、ドレ美の頭を優しく自分の胸にエスコートした。
『もう無理しなくていい』
まるでそう言っているかのように、本当に優しく。
ドレ美は泣いた。
今までずっとずっと我慢してきた涙を全て流すかのように、思いっきり。
そして、全ての涙を流し切ると、ドレ美は顔を上げた。
すると、サブローと目が合う。
サブローは優しく微笑み、再びドレ美の頭を自分の胸にエスコートし、歌い始めた。
「ウホホウホホホ〜 ウホホホホッホウホホホホ〜
ウホホホホウホホホウホ〜 ウホホウホホホウホホホ〜
ウホホウホホホ〜 ウホホホホウホホウホホ〜
ウッホ ウホホウホホ ウホホウホホ
ウホホウホホホ〜
“ウホホ”ウホホウホホホホ ウホホウホホウホホホ〜
ウホホウホホウホホホホ ウホホウホホウホホホ〜」
ゴリラ語の歌を、サブローの温かい胸の中で聴いていたドレ美はいろいろなことを思い出していた。
幼い頃、母の胸の中で優しく抱きしめられながら、絵本を読んでもらったこと。
初めて母と一緒に料理をした際、玉ねぎのみじん切りで涙が流れると、その涙を拭ってくれた母の指に玉ねぎがついていて、もっと涙が出てきたこと。やり返して2人で涙を流しながら笑ったこと。
初めて夜更かしした時に、怒られると思い寝たふりをした自分のおでこに、母が優しくキスをしてくれたこと。それを寝ている自分に毎日してくれていたと知った時のこと。
気付けば、再びドレ美の頬を涙が濡らしていた。
「サブロー君、ゴリラ語じゃ、何歌ってるか分からないよ。けど、励ましてくれたのよね……ありがとう。……って言っても分かんないか」
そして、さっきサブローが言ってくれた『俺は彼女が好きだ。ゴリラだけど彼女が好きだ! けどそれのどこがおかしい! 誰かを想い、大切にしたい。その気持ちさえあれば、きっと届く』という言葉も思い出していた。
「あーあ、いっぱい泣いたら喉乾いちゃった。さっき買ってきてくれたやつ飲もっか」
「ウホウホッ!」
ドレ美から渡されたおしるこを見て、歓喜の雄叫びをあげるサブロー。
「てかサブロー君、なんでおしるこなのよ。余計のど乾くじゃないの」
ドレ美の言葉など、なんのその。
勢いよく缶を開けると、一気におしるこを飲み干した。
しかし、そこはやはりおしるこである。
喉の渇きは、とどまることを知らない。
サブローが死にそうになっている。
「ほら、だから言ったのに。アタシのコーク、少しなら飲んでいいわよ!」
サブローの目の前で、ドレ美がコーラの缶を開けた。
プシュー!!!!!!
するとコーラが勢いよく噴き出した。
ドレ美に大量のコーラがかかる。
センシティブである……というくだりにはならない。
もちろんこれがJKにぶっかけカルピスソーダなら話は別だ。
だが、コーラである。ドレ美のブラウスが大量のコーラで透け、仮に下着を身につけていなかったとしても、ノンセンシティブである。
「ちょ、もうなによこれー! サブロー君、振ったでしょー!?」
ドレ美が缶を振るジェスチャーをしながら、サブローに言った。
そのジェスチャーを見たサブローは、首を横に振り必死に否定している。
「まぁいいわ、あんなことがあったから、アタシが無意識のうちに振ってしまったかもしれないものね。もうほとんど入ってないし、もう一度買いに行きましょう」
2人はもう一度自販機の前に来ると、再びコーラとおしるこを買った。
「なんでまた、おしるこなのよ。プフッ、アハハハ」
おしるこを興味本位で購入し、二度と買わないのが人間。
何度でも、おしるこってしまうのがゴリラなのである。
そしておしるこの缶を手にすると、サブローは再びモモ上げを始めた。
「いや、それそれ! めちゃくちゃ振ってるじゃないの!」
「ウホウホッ!」
ドレ美のツッコミをモモ上げを褒められたと勘違いしたサブローは、照れながら頭を掻いている。
「いや、褒めてないわよ! プフッ、アハハ。本当にサブロー君っておかしいわね!」
そしてサブローの目をしっかり見つめ、ドレ美が口を開く。
「サブロー君のバーカ」
ドレ美の表情は晴れやかだった。
サブローの優しさに触れ、自分も変わってみようと一歩踏み出す決意をしていた。
そして、迎えた文化祭当日。
サブローの『ゴリラの気持ちが聞きたくて2040夏』も無事に直り、公園での練習の甲斐あって、3-E組の催し物『ゴリLOVE』は終盤まで大きなミスもなく、進んでいた。
劇はいよいよクライマックスを迎える。
ドレ美演じるお姫様が、周りの人間達の反対を跳ね除け、サブロー演じるゴリラの長に想いを伝えるシーンに入った。
観客のボルテージもMAXである。
「姫、なりませぬ! 人間とゴリラが結ばれるなど絶対にあってはならないのです! どうか考え直してください!」
家来の1人が言った。
「いいえ、どんなにあなたたちが止めても私の考えは変わらないわ。私はあの方と一緒に森で暮らす! どうしてもと言うのなら力尽くで止めてみなさい!」
「姫……なぜそこまで……。あいてはゴリラですぞ。見た目も違う。言葉も違う。生活だって、私達人間とは何もかもが違うんです! 姫の気持ちが分かりませぬ」
「……」
黙るドレ美。
本来であれば、ボスゴリラであるサブローに惹かれた理由を熱弁する、大事なシーンのはずなのだが。
(お母さん……来てくれないのかな……)
実はドレ美、この演劇に母親を招待していたのだ。
自分の演技を見てもらいたい。お母さんへの気持ちを役を通してちゃんと伝えたいという想いで。
だが会場のどこにもまだ、ドレ美の母親の姿はなかった。
「ドレ美ちゃん! セリフセリフ!」
舞台袖からクラスメイトがドレ美に声を掛ける。
「……」
尚もドレ美は黙ったままだ。
「おい、どうなってんだ?」
「セリフ忘れちまったんじゃねーの」
「うわー、良いとこなのになぁ」
ざわざわざわざわ。
いよいよ観客がざわつき始めた。
その時。
ーーガラガラガラーー
体育館のドアが開いた。
そこには1人のイケメン中年男性と、1頭の中年メスゴリラが立っていた。
そして彼らは、すぐに横断幕を広げる。
『麗美は世界一の自慢の娘』
その横断幕を見て、生徒達は再びざわつく。
「えっ? あれってゴリラだよね?」
「自慢の娘ってことは……ドレ美ちゃんの両親てこと?」
「これも演出?」
そんな中、誰にも聞こえないくらいの声でドレ美が呟いた。
「お母さん……やっと来てくれた」
そして『ドムドムド』と軽くドラミングをする。
ドミニカ家でドレ美がまだ小さかった頃に、よく交わされていた『ありがとう』のサインだ。
ドレ美の母が小さく頷く。
本当はドレ美の母も、もっと早く劇を観にきたかった。けれど、自分が行くことでドレ美が周囲から奇異の目で見られるんじゃないかと思うと勇気が出なかった。
それでも、ドレ美父の優しい言葉掛けとドレ美本人からの「どうしても観に来てほしい!」という言葉を思い出し、なんとか会場に来ることを決心した。
「ふぅ……」
ドレ美がゆっくりと息を吐く。
そして大きな目をパッと開いた。
劇が再び進み始める。
「見た目も違う。言葉も違う。生活だって、私達人間とは何もかもが違う。それは分かってる!
でもね、それなら私達人間はどうなの? 領土や資源をめぐって争ってばかり。いくら見た目が似ていたって、言葉が通じたって、自分のことばかり考えていたら、本当の意味で幸せになるなんて無理。
けど彼は言葉の通じない私に、助け合うことを教えてくれたの。
怪我をして道に迷っていた私に大切なバナナをくれた。自分だってお腹が空いて倒れそうなのによ?
アリさん親子が、体長2メートルを超えるマンドリルに襲われそうになった時、体を張って守ろうとした。自分より大きくて怖い相手なのによ?
城に戻れるか不安になって、泣いてしまった私を優しく抱きしめ、歌を歌ってくれたりもした。言葉はわからないはずなのに、表情や息づかいから、心の中を知ろうとしてくれたのよ?
その優しさに触れる中で……自分もゴリラだったらどんなに良かったかって何度も思ったわ。
自分もゴリラだったら一緒にバナナを採ったり、毛繕いをしたり、そして周りのことなんて気にしないで、大好きと伝えられる。
周りのことなんて気にしないで、ずっとそばにいれる!
けどそうじゃなかった。人間だろうとゴリラだろうと、誰かを想い、大切にしたい。その気持ちさえあればきっと届くんだって、どんなに周りに笑われたって、きっと届くんだって行動で教えてくれた!
だから私は人間だけど……人間のまま胸を張って彼を愛し、一緒に暮らしたいの!」
先程までざわついていた生徒達も、固唾を飲んで劇を観ている。
「ウホ……」
ドレ美の母は泣いていた。
そしてその肩をイケメン中年男性が優しく抱き寄せた。
周囲から見た目が違うことで、からかわれた幼少期のこと。
それが原因でお母さんに酷いことを言ってしまったこと。
けど本当は、お母さんは何も悪くないと分かっていたこと。
本当はお母さんが大好きで、一緒に料理も、買い物も、入浴も、恋バナも沢山したかったということ。
自分を産んでくれてありがとう。この姿で産んでくれてありがとうと思っていること。
そういった気持ちをドレ美がお姫様役を通して、自分に精一杯伝えようとしたのが母には分かった。
「そうですか……。そこまで言うのなら、もう私達は止めませぬ。森でもどこでもお好きに行ってください。王には私達から伝えておきます。姫は見つからなかったと」
説得していたはずの家来の表情も、ドレ美の話を聞きどこか晴れやかだった。
「ありがとう……」
そう言い残し、ドレ美は森の入り口で待っていたボスゴリラと手を繋ぎ、歩いていった。
その後ろ姿をもって、伝説の演目『ゴリLOVE』は幕を閉じた。
「はぁはぁ……サブロー君、お疲れ様。はい、これ」
控室に戻ったドレ美が汗を拭いながら、サブローにタオルを手渡した。
「ウホホウホ、ウホホホン。ウョウホウンホ……ウンホウンホ、ウホホウホホホウホッホホウホッ」
「サブロー君にそう言ってもらえたなら良かった。前に公園でサブロー君に言ってもらった言葉のおかげで、自分を変えられたし、お母さんを劇に呼ぶことができたの」
「ウホホッホンウホ。ウホンウホウッホウホホホンホウホホウホホッホホウホホ」
「そうだと嬉しいな。アタシね、お母さんのこと大好きなんだ。でもそんなお母さんのこと、たくさん傷付けた。大好きなのに傷付けちゃったのよ……。そんな自分が嫌でね、だからセリフでも言ったけど、もしも自分がゴリラの姿で産まれてきたらどんなに良かったかって何度も何度も思ったの。自分もゴリラなら周りの目も気にしないで、お母さんといっぱい一緒にいれるってね。
けど、サブロー君がそうじゃないって教えてくれた。たとえ見た目が違ったって気持ちを伝えていいって言ってくれた。だから、アタシはアタシのままお母さんにいっぱい大好きを伝えようと思ったの。周りに笑われたっていい。大好きなお母さんに大好きって伝えられない方がよっぽど嫌ってね!」
「ウホ」
サブローは優しく微笑んだ。
「だから……」
そこまで言ってドレ美はサブローに近づいた。
そしてサブローの耳から『ゴリラの気持ちが聞きたくて2040夏』を外し、耳元で、
「サブロー君、ありがとう。好きよ」
と言った。
「ウホッ? ウホ、ウホ、ウホホッウホホウホホウホー!!!」
『ゴリラの気持ちが聞きたくて2040夏』を外されたサブローには、ドレ美がなんて言ったか分からない。
知りたすぎる、サブローは取り乱している。
「ちょっ、サブロー君、取り乱しすぎよ」
そう言って、ドレ美はサブローの耳に『ゴリラの気持ちが聞きたくて2040夏』を装着してあげた。
「ウホ! ウホホホン、ウンホウッホホウッホ! ウホホ……ホウホホウホホウホルホ!」
「ナイショ! いつかまた言ってあげるわよ」
ドレ美はいじらしく笑った。
3-E組の公演はと言うと、賛否両論であった。
ヒロインであるドレ美の、クライマックスでの謎の沈黙。
ゴリラの乱入。
しかもそれがドレ美の母親だったという衝撃の事実。
そういったハプニングを差し引いても余りある、その後のドレ美の感情を揺さぶる演技。
ある意味、伝説の演劇となった。
ー時は流れー
「ん、んん、うぅん! 痛い! 痛いよー!」
「はい、佐藤さーん、もう少しよ。痛いけど、もうちょっと頑張ってね。赤ちゃんも頑張ってるからねー」
町の産婦人科にドレ美はいた。
苗字もドミニカから佐藤に変わっている。
「はい、ヒッ・ヒッ・フー、ヒッ・ヒッ・フーのリズムでイキんでみてねー」
助産師さんの声に合わせ、ドレ美は全身に力を込める。
「ヒッ・ヒッ・フー」
「ウホッ・ウホッ・ウホー!」
隣で心配そうにドレ美の手を握っているサブローも、ドレ美に合わせゴリラマーズ法で呼吸をしている。
「ウホホホッ! ウホウホホホッ!」
「うん。頑張るねアタシ。サブちゃんとの赤ちゃん、頑張って産むから!」
『ゴリラの気持ちが聞きたくて2040夏』をサブローは装着していない。
けれど、長い時間一緒に過ごしてきた2人は、互いの言葉こそ話すことはできないが、相手が何を言ってるかを理解することはできるようになっていた。
深い愛、そして絆があるからこそ成せる技である。
「はーい、佐藤さーん、赤ちゃんの頭見えてきたわよー、はい、次の合図で思いっきりイキんでいいわよー! せーのっ!」
「うぅんーーーー!!! はぁはぁはぁ……」
「んホぎゃあ、んホぎゃあ、んホぎゃあ」
佐藤家の第一子が産声をあげた。
「ウッホー! ウッホー! ウッホー!」
サブローがドレ美の手を握りながら涙を流している。
「はぁはぁはぁ……。泣きすぎだよサブちゃん……。けど、本当に嬉しいね」
ドレ美も涙を流している。
「佐藤さんも赤ちゃんもお父さんも、本当によく頑張ったわねー。元気な男の子ですよー。お父さん似ねー!」
「ホントだ。サブちゃんそっくり! すっごく可愛いわ」
「ウホッ! ウホホホッ!」
黒い肌に、濃い体毛。
サブロー似の元気な男の子。
とっても可愛いゴリラな子。
「それじゃあいったん綺麗にしてきますね。お母さんはこのまま、先生から処置を受けてくださいね」
ー1時間後ー
「佐藤さーん。はい、赤ちゃん綺麗になりましたよー。元気いっぱいで本当に可愛いわねー」
助産師さんが、ドレ美の入院部屋に赤ちゃんを連れてきてくれた。
「んホぎゃあ、んホぎゃあ、んホぎゃあー」
小さな体を思いっきり使って、赤ちゃんは力強く泣いている。
「僕は生きてるんだぞー!」と、全身を使って表現しているかのようだ。
その姿がドレ美とサブローにはとても愛おしく見えた。
「じゃあ抱っこしてみましょうか。ここをこういう風に支えてー」
「はい、こうですか?」
「うん、上手上手! はーい、赤ちゃーん、ママの抱っこは気持ちいいでちゅねー」
ドレ美の腕の中で赤ちゃんは泣くのをやめた。
母親の匂いやお腹の中で聞いていた母親の心臓の音を抱っこから感じ取り、安心するのだろう。
目を閉じながら、ときどき小さな手で顔をこすったり、指を舐めたりしている。
「小さくて可愛い……」
サブローもドレ美の隣で赤ちゃんの顔を見ながら、指やほっぺを優しくツンツンしている。
「ウホ。ウホウホホッ、ウホホホウッ」
「サブちゃん、お礼なんていいのよ。サブちゃんもずっと隣で頑張ってくれたじゃない。すごく心強かったわ」
サブローとドレ美、互いが互いを想い合い、積み上げてきた愛が今まさに形となっていた。
「佐藤さん、それじゃあね、せっかくだから記念写真を撮りましょうよ! まだ撮ってなかったでしょ?」
「はい。じゃあお願いします」
ドレ美が赤ちゃんを抱っこする。
そして2人を包み込むようにサブローが優しく抱き寄せた。
そんな中、ドレ美はさまざまなことを思い出していた。
お互いに最悪な印象を持った、サブローが転入してきた日のこと。
サブローと仲直りし、初めてバナナを交わした下校時のこと。
文化祭の劇の稽古に励んだ公園での日々。そこでサブローが自分を励ます為に歌を歌ってくれたこと。
サブローのおかげで、母に気持ちを伝えることができた文化祭当日のこと。
サブローに告白されて付き合うことになった日のこと。
初めて手を繋いだ日のこと。
初めてキスをした日のこと。
互いの呼び方が変わった日のこと。
そういった、サブローと一緒に過ごしたかけがえのない日々を思い出していた。
そして、赤ちゃんが産まれた今日という日を改めて、噛み締めていた。
「はい、それじゃあ撮りますよ〜。ハイ、チーズ!」
「アロハ〜」
「ウホハ〜」
ドレ美とサブローは、親指と小指を立て、手の甲を見せるアロハポーズ【シャカ】で写真を撮った。
「サブちゃん」
「ウホッ?」
「赤ちゃんのこともサブちゃんのことも、大好きだよ」
【ゴリラが好きなわけじゃない。好きになったのがゴリラだっただけ!】
【完】
【ゴリラが好きなわけじゃない。好きになったのがゴリラだっただけ!】
抜き打ちテストの答え。
配点は問1〜問9までは各1点、問10のみ1〜10点とする。
問1
ヒロインである絶世の美少女ドミニカ麗美。彼女の属性を次の中から選び記号で答えなさい。
ア,妹属性
イ,火属性
ウ,ツンデレお嬢様時々南国の風に想いを馳せて属性
答え,ウ
問2
ヒロインであるドミニカ麗美はみんなから親しみを込めドレ美と呼ばれているが、そのあだ名をつけた女子生徒は誰か。次の中から選び記号で答えなさい。
ア,サーロイン肉子
イ,斉藤純子
ウ,毛深井腕子
答え,ウ
問3
坂口マイケルの行動により山田という少女が急激に成長した。その彼女が将来なりそうなものは何か。次の中から記号で答えなさい。
ア,カニカマ職人
イ,メンタリスト
ウ,イキリスト
答え,ウ
問4
イラスト1とイラスト2で4箇所違うところがある。違うところを全て書きなさい。
答え,
・目のモザイク
・バナナのモザイク
・?→!になっている
・「おいしそう♡♡」の文字が追加されている
問5
本文中にバナナをもじった877という数字が何度も出てくるが、全部で何回か。次の中から記号で答えなさい。
ア,3回
イ,4回
ウ,877回
答え,イ
問6
本文中にアリさん親子に対して、時速40キロで走る車が、20メートル手前に迫っていたシーンがあるが、仮に時速40キロのスピードのまま20メートルを進むとしたら、何秒でアリさん親子の所に到達してしまうか。式・答えを記述しなさい。
答え,
式,20メートル➗時速40キロ
時速を秒速に直し、秒速0.011キロ
キロをメートルに直し、秒速11メートル
20メートル➗秒速11メートル=1.8
A,1.8秒
問7
公園の砂場で陸亀が産卵していた時にとったドレ美の行動は何か。次の中から記号で答えなさい。
ア,ロングブレスダイエット
イ,ラマーズ法で見守る
ウ,ボイスパーカッションで国歌斉唱
答え,イ
問8
サブローがドレ美を励ます為に歌った、ゴリラ語の歌に記載されているオリジナルのギターコード進行に、メロディを付け、歌ってみた動画をSNSでアップしてください。
※歌ってみた動画をSNSでアップした人全員、正解とする。
問9
ハワイで使われる、親指と小指を立てるアロハポーズ。そのアロハポーズ、細かく分けると2種類ある。作中に出てくる【シャカ】ともう一つは何か? 次の中から記号で答えなさい。
ア,オヤユビコユビ
イ,ハングルース
ウ,ホップステップハブ
答え,イ
問10
むらもんたのゴリラ小説【TKG〜時をかけるゴリラ〜】、【ゴリラとクローバー】についてです。次の中からもっとも当てはまるものを何としても記号で答えなさい。
ア,2作とも読んだことがある
イ,2作とも読んだことないが、今後読んでみたいと思っている
ウ,1作は読んだことがあるが、読んでいないもう1作も読んでみようと思っている
エ,そんなのどうでもいいからゴリラ小説書かせろ
答え,ア〜エ、どれを選んでも正解ですが、エのみ+10点とします。ア〜ウは+1点。
1〜3点
赤ちゃんゴリラ
4〜5点
駆け出しゴリラ
6〜7点
幹部ゴリラ
8〜9点
リーダーゴリラ
10点
レジェンドゴリラ
さて、あなたは何ゴリラだったでしょうか。