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異世界転生

いつもとは違う昼の喧騒に、寝ていた白野は目を覚ます。

慌てふためく声のする方に顔を上げると、教室の中央で15人程のクラスメイトがひとかたまりになっていた。


慌ててるだけでなく、怖がっている人もいる。明らかになにかが起きている。火事か?不審者か?これだけじゃ何が起きてるか分からない。


注意深く教室を見渡し、音を聞く。


白いオーロラの様な光が見える。明らかに日の光ではない。


床を見ると、線が引かれていた。


俺が線に気付いた瞬間、線が強い光を放って輝きだした。


眩しい、目を開けてられない。意識が飛びそうだ。


「白野くん」


呼ぶ声が聞こえる。けれども、その声には反応出来ず。ゆっくり目を閉じ、意識を失う。そこで俺は気付いた。なんと線の上に跨っていたのだ。





ーーーーーーーーーー



気がつくとそこは知らない場所だった。森の中のようだ。


それよりも右手が疼く。


右手に目をやる。腕は墨汁に漬けたように真っ黒になっていた。


それが何なんか俺にははっきりと理解出来た。


中学の青春を全て費やして編み出した力の一端、万物の黒だ。


心の奥底で燻っていた中二心掻き立てられる。


試したい。試さずにいられるだろうか?いや、試さないのはこの力に失礼だ。そもそも年頃の男の子がその身に余る能力を手に入れたなら、我慢出来ずまず能力を使うだろう。男の子だもんしかたがないよ。


右手を前に突き出す。


この力は今使えるようになったばっかりだが、もう手足のように使える確信があった。


黒の力が溢れ出し、右手を中心に徐々に範囲を広げながら渦巻いていく。あたりの木々はなぎ倒され、飲み込まれて行く。


視界が黒く染まった。


三度目の目覚め。どうやらまた眠っていたようだ。


体を起こし辺りを見渡す。


俺を中心に広範囲に、木はおろか草の根一つもなく、大地がむき出しの状態になっている。


ふぅ凄まじい力だ。


冷静に考えて、これほどの範囲、人が巻き込まれてもおかしくはない。


足元に黒い円盤を作る。円盤に乗ると、空に向かって上昇し始める。ある程度の高さまでいくと、空中でピタッと止まった。


剥き出しになった大地を見下ろす。


パッと見た感じ、人はいなさそうだ。心なしか俺の中の黒も人は殺してないと言っている。人はね。


円盤の上であぐらをかき考える。


いざ急にこの力を使えるようになっても、案外何をしていいのか分からない。昔考えたオブ・ザ・デッド計画や、大宇宙計画もあれは妄想であったから楽しかった訳で、いざ実行しようとなると面倒くさい。というより度胸がない。


ここが何処だか分からないし、とりあえず視界の端に小さく見えているあの町に行こう。



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