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第4話 マリン帝国の隊長

ベルの話によると、ベルの父はこの大陸ではないどこか遠くの大陸で、竜騎士をやっていたらしく、竜騎士を引退した後、自分のドラゴンと共にグランドール王国にきたらしい。


「ベイク、貴方にお父さんのペット・・・あ、名前はパピーって言うんだけど、パピーの相手が出来る?」



ベルは心配そうな顔で俺を見た。



「やってみるしか・・・ないだろ?これでもマリン帝国では結構有名だったんだから! 」



「へぇ!そうなんだ! 」


俺の言葉にベルは興味を持ったようで、いろいろと質問をしてきた。



「ベイクはマリン帝国の隊長だったんでしょ?マリン帝国ってどんな所なの?」


「名前のとおり、湖に面している帝国さ。もちろん、大陸の西端だから湖があって当たりまえなんだけど・・・」


「うん、うん、それで!? 」



「まぁ、果物がよく取れる国だな。林檎に葡萄、梨に桃なんかも取れるんだ」



「へぇ、そんなに果物が育つ余裕があるなんて、平和な国なんだね」



「いや・・・そうでもないんだ。服従あっての、平和なんだ」



「何それ?どういう意味? 」


もう俺はこれ以上彼女の質問に答える気はなかった。


「なぁ、もういいだろう?これ以上は・・・」



「あ、そうだね。あんまり聞かれたくないんだよね?ごめん・・・」



うつむいてしまったベルに俺は話を替えてこう言った。



「とりあえず、また君のお父さんの所に行ってみるよ」



「うん! 私は何もしてあげられないけど、一緒に行くよ、ちょうど居酒屋に帰るところだし」



俺とベルは居酒屋に着くまでにいろんな話をした。


ベルの父親はスタディという名前でベルとは血がつながっていないこととか、ベルが居酒屋の看板娘をはじめてから居酒屋の売上が伸び始めたこととか。



ベルと話していると、いろんなことが新鮮に感じた。

いつも見ている夕焼けや、店の前に出来ているグランドール人の行列でさえだ。


話に夢中になってしまって、居酒屋に着いたことも忘れていた。



「帰ったか、ベル! 食材はちゃんと買えたか? 」


居酒屋の扉を開けると、ベルの姿を見たスタディが威勢のいい声を張り上げた。


「うん!ばっちり買ってきたよ!お父さん! それでなんだけど・・・」


「ん?お前は・・・」


スタディと俺の目があった。俺は慌てて目を反らした。


「この人、ベイクというんだけど、ここで働きたいんだって・・・」



「それはさっきそいつから聞いたよ。」



スタディは俺の顔を見て、冷たく言い放った。



「うん! それでね、お父さん、平和なグランドールでも、いずれ戦いは起きる・・・腕のたつ若者を用心棒として雇いたいって言ってたでしょ? 」




ベルの言葉を聞いたスタディはじっくりと俺の顔を見つめた。


「ほぅ、俺のドラゴンと殺り合うつもりか?やめとけ、やめとけ、あいつは人見知りする上に凶暴だ・・・」


「あのね、お父さん、ベイクってここにくる前はマリン帝国の隊長だったんだって! 」



「何?・・・」


隊長だった、と言うベルの言葉を聞いたスタディは考えこんだ。



「お父さん?」



「よし、いいだろう。ベル、営業時間外になったらそいつを庭に連れてきてくれ」



そういうとスタディは調理室に入って行った。

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