体力作り
「「「「いち・にー・いち・にー」」」」
剣道部新入部員達はひたすら走らされていた
元々科学部だった俺は基礎体力が無かったから
回りに付いていくのに必死である
『だから無理だと思ってたのに…』
「…」
返事をする元気もない…まぁ回りに人が居るから返事も出来ないんだけどね…
縁が喋る言葉は俺にしか聞こえなくて
俺の考えとかを縁が読み取れるなんて事は無かった
…良かった…変な事考えてるのを読まれたら堪ったもんじゃない…
「しかし…走り込みに屈伸 後はただ先輩達の練習を見るだけなんてさ 剣道部じゃなくて陸上たよな…」
俺以外の新入部員は段々と不満が出てきている
まぁ分からないでもないが…体力を作ろうと考えている俺にはうってつけなんだけどね…
死体を貪るコボルト達を通りすがりに見つけたドワーフが
背後から自慢の斧で頚を飛ばす
こいつらはドワーフにとっては別にたいした驚異では無いのだが
女子供には充分な驚異になりうる…
まして被害者を食べさせるのも偲びない
数引き逃したが死体を埋葬するために近寄ってみた
何かを大事そうに抱えこんでいる姿あった
「もしかして…」
母親だっあのであろう
大事そうに抱えこんでいる子供は息があった