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魔王軍第零部隊隊長〜絶望の化物〜  作者: 雲雀なるは
第2章 化物は魔王の手足として不本意ながら動く
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9.完璧淫魔と欲求不満な化物

「ベン様、新しい書類を持って参りました」


「んん?ああ、うん、そこに置いておいて」


「かしこまりました」


ミューは完璧だった。

僕への仕事の持って行き方、スケジュールの組み方、他部隊との交渉、連携指揮、上司(魔王様)への報告、お茶の入れ方、部屋の掃除、モーニングコールからマッサージ、さらには(別に必要ないが)料理までほぼ文句無しでこなしている。


「ただこうしていれば、完璧美少女なんだけどなぁ……はぁ……」


僕は溜息をつく。


完璧なのは側近としての仕事。

まぁどちらかと言うと僕には秘書の仕事のように見えたりするが。


だがしかし、プライベートとしてのコイツは終わっている。


時折彼女の私室 (僕の隣の部屋となった) から聞こえてくる喘ぎ声と叫び声。

そして僕が部屋を出て戻ってきたときに臭ってくるヘンな臭い。


そして……


「今夜も襲いにくるのを待ってますよ♡」

「いや、行かないから」


時折耳元で囁いてくるこの意味のわからない誘惑、だ。


「はうっ……焦らしプレイ……ベン様と出会って早一年、まだ私を襲って来ないで焦らし続けるベン様……ステキです♡」


頭おかしいんじゃないかって思うよね、みんな


そういえば言い忘れていたがもう魔王城に戻って一年間経った。


僕はミューという優秀な(?)側近のおかげで十五年間も溜まりきっていた仕事が残り5年分となった。


単純計算であと半年もあれば全ては終わる。


ベンくんお仕事できる、えらい。


とまぁこんな感じで余裕ぶっているが、今すんごい『ゼツボウエキス』が欠如している。

つまり簡単に言うと他人を絶望のドン底に陥れたい。


テハレ村 (の跡) に残してきた僕の頭通称『スカル・ベン』からは何の反応もないし……


ミューは『いつでもオッケーです!』とか言っているが、何をやっても逆に興奮したり喜んだりしてしまう。


そういうわけで、すんごく欲求不満です。


「はぁ……誰かをじわじわと殺していきたい……」


「いきなり怖いこと言わないでもらませんかっ⁉︎私、虐められるのは好きですけど流石に死にたくはありません!」


当たり前だ。


殺すわけないだろう。


『魔王軍に所属している者たち、そして魔王軍の守護下にある者たちは互いに殺し合いをしてはならない』


これは過去の魔王の一人が定めたルールだ。


このルールを守りつつ、殺しをできる方法は二つ。


一、魔王軍と敵対関係にある魔族、魔人、魔物、悪魔を狙う


二、他種族を狙う


一は関しては難しい。

今や魔界の大部分が魔王軍の占領下にある。

そのため、魔王軍と敵対関係な魔族ただがいたとしても、そもそも見つけ出すのが難しい。


そのため、大部分が二番となる。

人間は情が熱い。

そのため、特定のある人物に狙いを定め、その者の親しい者から殺して行く。

あぁ、もちろんその親しい人というのもゆっくり、じわじわ、恐怖と絶望を感じさせながら殺す。

そして最後に生きる価値の無くなった者にわざと救いの手を差し伸べ、そして堕とす。


失望の中に希望の光を当て、そして一瞬でブラックアウト。


これがまたまたいい絶望っぷりなのだ。


天使は打たれ強い。

精神的に。それにちょっとやそっとじゃ死なない。

しかしだからこそ簡単なのである。

完全拘束し、拷問を行い、限りのない屈辱と絶望感の中、『殺して』と言うまで続ける。だがもちろん、楽にしてやったりしない。

最終的には、肉体の負荷が精神の限界を超え、そのまま何も発さないただの肉塊となる。


肉塊はそのまま魔物に横流しだ。


神は……いや、これはいいだろう。


とにかくだ


仕事が終わっていない僕は永久に魔王城(ここ)から出られない。

半端カンヅメ状態なのである。


即ち、僕の今為すことは早く仕事を終わらせることだ。

とっとと書類を片付けてこんなトコ抜け出そう。


もちろんミューは置いて


「あ、そういえばベン様、そろそろ部隊長定例会議の時期じゃないですか?」


「ん?あぁ、そうか。次はいつだっけ?」


部隊長定例会議は年2回ある。

前回は参加者が僕とハードパルドとアルちゃんだけという状況だったので、ものの数分で終わってしまった。


そういえばハードパルドの第五部隊は魔王城の警備なのでハードパルドは常に魔王城にいる。

そのため、部隊長定例会議に欠席したことは一度もない。


ちなみに第零部隊はもともと専門の仕事というものが無いので、無断欠勤しない限り部隊長定例会議に欠席することはほとんどない、はず。


今やっている書類仕事は本来アルちゃんのやるべきものだ。


「えーっとですね、次の部隊長定例会議は明後日のようですね」


「参加者は?」


「魔王様とベン様とアシュタロト様とヴェル様とスティア様とハードパルド様とスシュロス様の7人ですね」


「お、結構集まったな」


にしてもスシュロスか。

魔王軍第九部隊隊長『漆黒斬のスシュロス』と呼ばれている僕のいない15年の間に成り上がってきた新人 (と言ってももう部隊長歴10年越えてるらしいが) だ。


前回はあまり話せなかったけど、今回は話せるといいな。

作者「とっとと春休みにならないかな」


ベン「いや、はやいよ」


ミュー「そういえば明日の小テストの復習って、やったんですかぁ?」


作者「………………」


ミュー「やったんですかぁ?」


ベン「おーミューがSになってる」


ミュー「そういえば私の名前の『ミュー』ってマゾヒストのmasochistの頭文字、Mのギリシャ文字読み『ミュー』から取ってるらしいんですよ」


ベン「へぇー、クソボケ作者のくせにやるじゃん。じゃあ主人公である僕の名前なんてさぞかし」


作者「無いよ」


ベン「ん?」


作者「無いってだから意味なんて。強いて言うなら『ベンは覚えやすい名前だから』、なのかな」


ベン「なん……だとっ………」ガクッ


作者「ちなみに俺の『雲雀なるは』という名前は無茶苦茶思案してから考えた名前です」


ミュー「うわー、引きますわ。この自己中」


作者「君後書きじゃキャラ崩壊するよね」


ミュー「そんなもんですよ。俳優だってプライベートとか舞台裏で自分のドラマで演じてるキャラなんて出すわけないじゃ無いですか」


作者「そうか……うん?そうなのか?っていうかここ(後書き)って舞台裏みたいなもんなの?」


ミュー「というわけで!次回は一月二十日更新になります!はぁ…次回はどんな御褒美(いじめ)が私を待っているのでしょうか……」


作者「うむ…一体どっちなんだ?素は」

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