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魔王軍第零部隊隊長〜絶望の化物〜  作者: 雲雀なるは
第2章 化物は魔王の手足として不本意ながら動く
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5.絶望と嫉妬、閃光と化物

厚い黒雲に覆われた空

ヒビが入り、植物など全く育たない大地

そんな世界の中心で、魔族や悪魔の本拠地である魔王城は佇んでいる。


魔族は人肉を食べ、悪魔は人々の悪感情を食う。

魔人と魔物は魔力を糧に動く。


そのため、魔界はこのような寂れた大地でも生きていられるのだ。


その上、悪魔は一介に悪感情といっても、悪感情は嗜好品という認識があるため、別に食さなくとも生きていられる。

うん、ハイブリッドだね



天界でテルトナと別れ、僕は魔王城の私室に転移してきた。

魔王軍は素晴らしいと皆は言う。

1日8時間労働、週休三日、有給年20日贈呈、全社員寮(魔王城)付、給料は固定給+歩合給制、新人の初任給800ルナ……


ーーーーーーーーーーーーーーーー


作者「説明しよう!800ルナとは大体80万円、つまり1ルナ約1000円というわけだ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


引っ込めクソ作者。

まぁということで魔王軍はホワイト通り過ごして超絶ゴールデン企業というわけである。

ちなみに僕はそんなの御構い無しで、無断欠勤15年を果たしてきた。


僕の私室は広い。

魔王軍第零部隊隊長なだけあり、ぞんざいな扱いは受けない。

僕の部屋は入って左側に浴室、洗面台があり、右側に御手洗い、正面に大きなベッドと職務机がある部屋に繋がる。

ちなみにこの部屋を転移先に登録していたため、スムーズに天界から誰とも会わずにここまで来れた。


部屋を出るとだだっ広い廊下。

だが廊下を歩く魔族や悪魔も見かける。


……通り過ぎても誰も挨拶してこない……

まぁ15年も居なかったんだし、そりゃ顔も忘れられてるわ。

……でも魔王と妹に忘れられてたらベン君泣いちゃうかも。



廊下を歩き、一応魔王に挨拶をしに行く。

社交辞令は大事だよな、うん。


歩いてると、ふと少し遠くから小隊がやってくるのを見つけた。

ん?一番前に歩いているのは……


そんなことを考えていると、向こう側もこちらに気づいて、こちらに向かって走ってきた。

すごいスピードで。


「スティアーータックルーー!!」


うん。

ただ走ってるだけじゃないね。

ってかもう言ってるもんね、『タックル』って。


勿論そのタックルを受けるつもりはない。

ギリギリまで引きつけて……身を逸らして足を突き出す!


『タッ……ベチャ!』


おうふ、これは顔から行ったなぁ。


「痛そう」


「誰のせいだよ!」


ソイツは涙目になりながら僕に抗議してきた。

ソイツはロングの青い髪と青い目を持ち、身長は僕の肋骨の下あたり……つまりチビだ。


「全く、久しぶりに君に会えたと思って抱きついてみたらまさか転ばされるとは思わなかったよ」


「いやいや、あからさまにタックルだったじゃん」


「い、いやだなー。ボクがそんなことするわけないじゃないかー」


このボクっ娘チビは、スティアルカー・バーチャーター。

魔王軍第四部隊隊長の純血悪魔(イビルデビル)で、好きな悪感情は『嫉妬』。

人里に行っては新婚の夫婦の夫を寝取り(行為には至らない)妻の方の嫉妬心を食う。

ちなみに食ったあとは記憶を消して全て元どおり。


みんなからは『嫉妬閃光(しっとせんこう)のスティア』と呼ばれている。

閃光の由来は先ほどのタックルでも分かるように、スピードが異常に早い。

最高速だと20分で魔界の端から人間界の端まで移動できる。



おっと……説明に夢中になっていると彼女の引き連れていた小隊が追いついてきた。


「困りますよ、スティア様。勝手な行動をされては。スティア様の速度について行ける者なんて居ないのですから」


「ん?いるぞ?ここに」


そう言って、スティアは僕を指差す。


「ま、単純にかけっこ勝負なら負けるけどね」


ちなみに僕は魔界の端から人間界の端まで足だけを使ったら25分かかる。


「あなたは……っ!まさか!ベン・テルメード様でいらっしゃいますか!」


スティアに話しかけてた奴が驚いた。

後ろで、「ベン様……?」「あれじゃないのか?無断欠勤の王様の……」っていう声が聞こえてますよー。


「うん、そうだよ」


いや、なんでお前(スティア)が答えるし


「大変失礼致しました!私!魔王軍第四部隊所属、『レルラルロー』、と申します!ベン様の噂はかねがね伺ってております!」


レルラルロー……ラ行多くね?、がそう跪きながらそういう。


「うん、まぁ、その、えー、ご苦労!……?」


「はっ!お心遣い、感謝します!」


一応労いの言葉をかける。

それにしても僕はあんまりこういう偉い立場は好きじゃないんだよねー。

って、なんかスティアが不機嫌そうにしている。


「……ボクはレルっちの直属の上司なんだけど…そんな態度見たことないんだけどねぇー」


あぁ、そういうことか。

それにしても、レルラルr……舌噛んだ。

レルラルローの態度から察するに、レルラルローは5000歳以上か。

後ろのやつらはそれよりも遅く生まれた世代……


「そういえばスティア達は、どこに向かおうとしてたの?」


ひとまずこの空気を入れ替えるため、別の話を提案する。


「あぁ、ボク達は、今から大会議室で、部隊長定例会議が行われるから、向かってたんだよ」


「部隊長定例会議か……今日は何人参加するんだい?」


「8人。ベンを入れて9人だね」


「へぇ、意外と集まったね」


魔王軍は、第零部隊か第九部隊まで計十部隊あり、それぞれに部隊長が鎮座する。

そして部隊長定例会議とは、文字通り部隊長が定期的に集まり開催される会議のことである。


「で?ベンは来るのかい?」


「んー、久しぶりだし、顔を出すよ」



決まりだな。

そうして僕とスティアは、大会議室へと歩き出す……

ベン「おいクソボケ作者」


作者「ひどいなぁ…一応俺はお前らの生みの親だぞ?」


スティア「そんなことはどうでもいいよ、それより、なんでこんなに遅くなったの?しかも全然進展ないし。今回やったことといえば、ボクがズッコケただけじゃないか」


作者「いや、ね、申し訳ありません」


ベン「ん?意外と素直だな」


スティア「気をつけて、ベン。この作者腹が黒いから素直な時は何か裏があるよ」


作者「どんな偏見だよ?純粋に投稿が大晦日になったことをしっかりと悪いと思ってるわ」


ベン「で?次の投稿はいつにするわけ?」


作者「え⁉︎えーっと……1月上旬?」


スティア「遅いよー。んー、1月3日までに1話以上。これがノルマ」


作者「守らなかったら?」


ベン「次回の後書きで作者のマル秘情報をバラす」


作者「ひどっ!」

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