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魔王軍第零部隊隊長〜絶望の化物〜  作者: 雲雀なるは
第3章 化物は王国にて一波乱起こす
30/32

30.勤勉と純潔は忠義の変容に絶望す

『都市フィリップ』の大通りに、その二人の少女はいた。


「………ダメね。ここまできたはいいけどミカエルの反応なんて皆無だわ」


「やっぱり……倒され………た?」


「いや、それは無いと思うわ。ミカエルはアタイら天使の中でもトップの実力を持っているわ。魔族たちに簡単にやられるとは思えないし……」


「………じゃあ………魔王城に……潜り込めた……とか?」


「確かにそう考えるのが妥当ね。でも、ガルドとヨグレルナが戻ってきたっていうことは少なからず襲撃があったということ。あれからユークリート様も戻ってこないし……」


「連絡……来ない……何かが……起きてる」


「そうね。まず、アタイらのすることは魔界に侵入しっ…………!」


「サンちゃん……分かった?」


「えぇ、メタちゃんも分かったの?」


「ん…………こんな……『禍々しい魔力』……を……出すの……は、悪魔……しか……いない」


「方角はどっちだった?」


「あっち」


「『キルジスの監視塔』………おそらく、アタイらの存在もバレてるかも知れないわ」


「喧嘩……上等!」


「アンタ……基本喧嘩するのはアタイなんだけど……」


「私には……攻撃手段……無い………頼りにしてる……相棒」


「アンタの他力本願にも困ったものね……さぁ、行くわよ」


「了解」



ーーーーーーーーーーーーーーーー



「ご主人様……感付かれた……かも」


「ミューが今とんでもない魔力を出したもんね。お陰で周辺の人間全員倒れちゃってるよ」


つい先刻、ミューは戦闘準備とでも言いながら魔力を練り始めたのだが……無駄に多くの魔力を放出してしまい、『キルジスの監視塔』内部の人間は魔力に酔ってしまい、全員倒れた。


ミューは決して弱くは無い。

おそらく部隊長クラスだ。

その上仕事ならほとんど完璧にこなす。


「すっすみません……気合いを入れようとしてて………この愚かな側近に罰をくださいませ!」


やはり……性格か……と、溜息をこぼしてしまう。


「じゃあ、それが成功報酬にしよう…」


「マジっすか!あざーーっす!」


誰だお前。


そして、煩悩の種というのはもう一つある。


「うげぇーー!男なんで嫌やー!キモいんやー!はよっ!ワイに嬢ちゃんのエキスをーーっ!」


僕の頭の上で僕をキモい呼ばわりしてくるとんがり帽子型カボチャ。

ビタミンやミネラルが豊富です。

奥さん煮物にお一つどうですか?


……ビタミンって何?ミネラルって何?


「はっ……今誰かにカボチャ呼ばわりされた気がするで⁉︎カボチャやない!ジャック(ry」


唯一まともなのは、案外ミカエルなのかも知れない。


「人間達も倒れ伏したことだし、ここで戦闘になってもいいのかも知れないね」


「ん。ちょうどいい。ミューナイス」


「……ふふっ、宿に戻ったらまず縄で縛り付けられて……それから……」


「おーい、ミュー、戻ってこーい」



それからしばらくして、二人の少女が螺旋階段を駆けてきた。



片方は深海のように深い青の髪をしている。

キリッとし目つきが気の強さを表す。

踵に装備型の金属部品が取り付けられてる。

あとで分かったことだが、この金属部分は世界一とも謳われし『アダマンタイト』でできていた。


片方は森林のような緑色の髪をしている。

ミカエルとは少し違う、少し虚ろな目が、感情をあまり表に出さないことを示す。

こちらは装備と認識できるものは何も持っていないようだったが、よく見たら右手の人差し指に指輪をしていた。


「アンタ達……悪魔ね」


青髪の方の子が睨みを利かせてこちらを睨んできた。


「そうだけど……なんかようかい?」


僕は笑みを浮かべながらそう答える。


どういう用かは知ってるけど、あくまで知らない程を装う。


「ここには……人間達……が……いた……はず」


「あぁ、いたね、まぁ、今はもうこの世にはいないけど」


「「……っ!」」


いやまぁ、ハッタリです。

気絶した人間さん達はこの天井裏にいます。

ちなみにちゃんと風邪ひかないように毛布も掛けました。


僕らは悪役。


ならばいかにも平気で人を殺すような者であるのが礼儀のようなものだ。


正義は勝つ。

そういう固定概念があるからこそ、悪役に屈服することは最高級の屈辱になり、パンチの効いた良い『絶望』となる。


………人間(読者)には分からないかな。

まぁ分かりやすく言えばわざと悪役を演じることによって『絶望』という名の料理にスパイスが振りかけられるというイメージだ。

肉で例えれば分かりやすいかな?

ただ単に肉を焼くだけじゃ無くて、塩胡椒とかレモンとかにつけた方が美味しいでしょ?

そんな感じだ。


「ところで?君たちはなんだい?僕らは悪魔なんだ。僕が目を瞑っている間に逃げたほうがいいんじゃないのかい?」


「もう寿命もない悪魔に名乗るようななはない!」


「よくぞ……聞いてくれた……

私こそ……七大天使の一人……『熾天使・大天使官・純潔のメタトロン』」


「あっ!メタちゃんズルい!」


天使の間では名乗ることが流行っているのだろうか……

ミカエルも確かであった時誇らしく名乗っていたな……


「『七大天使』メタトロン……ということは、もう片方はサンダルフォンかい?」


「あぁもうっ!

アタイこそ、七大天使の一人!『熾天使・大天使官・勤勉のサンダルフォン』よっ!これでいいのっ⁉︎」


「なるほど……じゃあ僕も。僕は魔王軍第零部隊隊長『絶対絶望のベン』だよ。よろしく」


「同じく、魔王軍第零部隊所属、ミュー」


「部隊長クラス……っ!」


「でも、一人……やれる」


「おっと、僕は高みの見物をさせて貰うよ。闘うのは、ミューと、彼女さ」


そして、僕は僕の後ろで身を潜めていた少女……ミカエルを前に出す。


すると、サンダルフォンとメタトロンはともに目を見開いた。


「「っ⁉︎」」


「魔王軍第零部隊所属、『堕天使・(ご主人様に)忠義のミカエル』」


おっと、『絶望』いただきました♪

ベン「Q:カボチャって、どんな野菜なの?」


プチィーニ「ワイが教えたるわ!…かぼちゃは、緑黄色野菜の代表格や。カロリーが高く、ビタミンやミネラルが豊富で、栄養価の高い野菜なんやで。また、ビタミンEや、皮膚や粘膜・眼を保護するβ‐カロテン(ビタミンA)などがあるんや。食物繊維も多く、便通を良くしたり、血圧の急激な上昇を防ぐ働きもあるんや!

あと、いいカボチャの見分け方は

・色が濃く、重量感があり、硬いもの

・ヘタが乾燥していて、 まわりがくぼんでいるものが完熟の目印

や。

それと作者は煮物にして食うのが好きやで。

オマンらもカボチャは食うた方がええで」


ミュー「さすがカボチャ。物知りですね」


ミカエル「プッチーニは中身をくり抜いて、中にカボチャグラタンを入れるとお洒落」


サンダルフォン「でもプッチーニって、観賞用っていうイメージが強いけど、美味しいの?」


メタトロン「独特……の……甘み……ある。一般的……に……普通の……カボチャ…と……同じよう……に……食べる」


プチィーニ「なんや?お嬢達の目線を独り占めできるの光栄なんやけど……なんか飢えた獣のような目線はやめてくれへんか?」


サンダルフォン「そんなことより!次回はアタイらVSミュー&ミカエル!更新は2/26!ブックマーク、高評価、コメント、質問等お願いね!」

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