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魔王軍第零部隊隊長〜絶望の化物〜  作者: 雲雀なるは
第3章 化物は王国にて一波乱起こす
24/32

24.理性と救世主

僕とミカエルの唇が重なり合う。

それからの時間はどうだろう?

数秒?数分?数時間かも知れない。


とにかく、僕の頭は真っ白だった。




「プハァ……えへへ」


しばらく(といっても時間感覚が無いからよく分からないが)して、やっとミカエルが解放してくれた。


月光に照らされた彼女の顔は少しばかり赤みがかかっている。


僕は体も口も動かない。

頭の中ではなにを思っているのかもわからない。


要するにパニックだ。


精神異常耐性が高い僕には精神操作の類の術は効かない。

だが僕の意識はこの世界とは別の次元にあるように思えた。


なんだこれ……魔法のない世界?人間しかいない?なんだこの長方形の建物は……


「ぐがぁーー、グゴッ」


「んぉっ……」


ふおっ!なんとか戻ってきた。


「えへへ、ご主人様あんなに強いのに混乱しちゃってる……それだけ、私のキスの味が濃かった?えへ」


もじもじしながらそんなことを言ってくる。

赤みがかかった顔も女の子座りなところも愛らしく感じてしまう。

いやいやダメだダメだ。


僕は意識を保ち、言葉を放つ。


「何しに来たのかな?ミカエル」


心の中の動揺を隠すために微笑みながら尋ねたのだが、今思えば少し不自然だったのかも知れない。


しかし僕の顔は丁度月光に当たらない場所。


暗視のスキルが無い限り僕の顔はしっかりと見えないはず。


「少し前まで、ご主人様と毎日やってた。でも最近は構ってくれない。寂しい」


ふむ……やっぱり洗脳魔法のせいか……


一度ぐちゃぐちゃにしてしまった記憶は直すことができない。

いや、できないこともないが無理に直そうとすると壊れてしまう恐れがある。


自分で蒔いた種、自分でなんとかしないと男として格好がつかない。


「そうか。でも、僕はミカエルが大事なんだ。だから、ミカエルが嫌だって言うならやめ」

「嫌じゃない」

「てくれて…………そうか」


「うん、じゃあ、脱ぐ」


そう言って、自分の服に手をかけるミカエル。

流石にこれ以上はまずい。


「ま、待ってミカエル、さすがに、ほら、プチィーニもいるし」


慌ててかれこれ逃れる方法を探る僕。

だがミカエルには通用しないらしい。


「そんなの関係ない。カボチャに見られたところで私のご主人様への感情は揺るがない」


「…………カボチャやなくてジャック・オー・ランタンや!Jack-o'-Lanternnnnnnn…………」


「…………」

「…………」


もうほとんどデフォルトとなったこのセリフ。

今この状況で聞くとすごくビビる。


「あ、じゃあミューは⁉︎ミューは今どうしてるのかなって……」


「ご主人様、話逸らそうとしないで。あとミューは部屋で革ベルトでグルグルにしてる。そしたら気持ちよさそうに寝たから安心して来た」


「………………」


あれだな。

分かってはいたことだけどやっぱりちょっと引くな。


ミューさんブレなくて流石っす。


「じゃあ、始める」


「あ」


一気に服を脱いだミュー。


二次元パワーで月光とサイドテールのお陰で大事なところは見えないが、もう一糸纏わぬ姿だ。


こんなんでくっつかれたら僕の別の意味のSAN値が凄いことになる。


「ほら、ご主人様、も」


そう言いつつ、ミカエルははぁはぁしながら僕のシャツに手をかけた。


「ちょ、ミカエル⁉︎」


「?着衣してた方が、いい?」


「そう言う意味じゃなくて!」


小首を傾げるところもまた愛らしくて僕の理性ゲージをズカズカと減らしていく。



ほんと、誰か!助けて!



「無駄。ご主人様は、私の性欲を解消する」


「立場逆転してるし!心読まないで!!」




とまぁ、ここでやっと救世主がやって来た。

人物としては最悪だが。




「やっほー!ベンがここに泊まってるって聞いたから魔王様からの伝言を伝えに………き……た……んだけど、うん、冗談だよ。ボクが悪かった。どうか、忘れて、ね!」


まさかのスティアである。



だが何か誤解したようなスティアが青い顔で転移魔法を発動しようとしていた。


もちろん僕は全力で止めに入る。



「『魔術無効化(マジックソリューション)』っっ!『拘束(バインド)』っっ!」


「えっ!ひゃぁぁぁぁ!」



ーーーーーーーーーーーーーーーー



さすがに魔法発動の声が大きすぎたのか、プチィーニが起きて警備兵が数人部屋に入って来た。


まぁすぐさまミカエルには僕の漆黒のローブを被せたから無事、裸を見た人物は増えていない。


「ああ、賊よけのために自分でトラップを仕掛けたらスティアが捕まっちゃってさ。この後ちゃんと解くから仕事に戻ってくれていいよ」


「左様でございますか。いやいや、あのスピードならば誰にも負けないスティア様を捕えるとは。さすがです」


「なんやお騒がせやなぁ……せやけどこのお嬢もなかなか別嬪やないか。これはこれで特やったな」


みんなには適当にでっち上げて誤魔化した。


「んんーーー!んっ!んーーっ!」


「あの……ベン様、スティア様が何か言いたげのご様子で」

「気にするな」

「………いえですが」

「気・に・す・る・な」

「…………はい」



そして警護兵はまた出て行った。

ミカエル「あと少しだったのに……」


プチィーニ「オマンなぁ、男が貞操概念強くてほんま誰得なん?逆レ○プなんか夢のまた夢やで」


ベン「悪かったねヘタレで!」


スティア「そんなことより!次回投稿は2/18です!ブックマーク、高評価、コメント、質問等よろしくお願いします!」

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