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魔王軍第零部隊隊長〜絶望の化物〜  作者: 雲雀なるは
第3章 化物は王国にて一波乱起こす
22/32

22.関西パンプキンとおちゃらけ旅

暗ーい空。

栄養も何もない土地。


ここが僕たちが蔓延る魔界だ。


まぁ、悪くはない。


僕は悪魔の為、生物が発する悪感情さえあれば生きていられる。

それが絶望感ならなお良し。


ここは魔王城周辺都市(魔王軍の雑兵が住む家がある場所)から遠く離れた場所である。


僕はあの真っ黒ローブだ。

まあフードは被っていないが。


実はあの後アルちゃんの所に行き、『ルネのこと、よろしく』と伝えておいた。

そういう僕ってちょっとだけシスコンだよね……


あとついでに任務も戴いた。

最初は口頭でだとか言って、どこへ行くか聞かれたため、『ユークリーデ王国』と答えたらなにか思い悩んだあと命令を下された。


ちなみに僕らは馬車に乗っている。

馬車といっても、魔物の『ゾンビホース』が使われて、なんかの動物の骨の骨格でできた僕の美的センスには合わないものだが、生憎魔王城にあったのがこれしかなかったため、渋々使っている。


だが中は意外と快適だ。


予め付与されていた衝撃吸収魔法で揺れも感じず、空間魔法で中も広々と使える。

それに引っ張っている馬がそもそも休憩を必要としないため、ノンストップで行くことができる。


内装はレッドカーペットにシャンデリアと、なんだか魔王城のエントランスを感じさせるコーデだ。


そして脇にあるふかふかソファに、僕ら三人は一緒に座っている。


「………くかー………」


「スー……スー……」


二人とも寝てるけどね!


全くなんなんだよ!


いやまあ二人とも僕に寄りかかってて嬉しくないっちゃ嘘だけども!


「はぁ……まぁ仕方ないか」


「なにが仕方ないや。このハーレム野郎」


うぅ……ハーレム野郎とは失礼な。


「べつにそんなんじゃないよ。プチィーニ」


目の前のソファに一人寂しく座る(正確には置かれた)カボチャ。

このカボチャ、実は『ジャック・オー・ランタン』と呼ばれる魔物の一種で、アルちゃんの使い魔だ。


「ふんっ!わいもいつかこんなビッグになるけん、首洗て待とけよ?」


「はいはい。でもその前に、カボチャは収穫されたらもう大きくはなれないよ?」


「ムキーー!!」


心なしか少し赤みがかかったように見えるカボチャ、プチィーニ。


まあ、こんなのだけど溜め込んでる魔力の量は凄いようで、しかも自分で魔法を発動させて浮遊し移動することもできる。


もともとジャック・オー・ランタンという魔物は人間に食べられることによりその体の持ち主を乗っ取り、種族繁栄してきたのだが、プチィーニは固有魔法の『硬化(ハードネック)』によりガチガチに硬くなってしまったため、食べようと思っても刃は通らないし噛むことすらできない。

というか斧でぶった切ろうとしても傷ひとつつかないほどだ。


まあそのためコイツの得意技が『体当たり』なのだが。


後頭部に繰り出されるこのカボチャの体当たりはかなりなダメージが期待される。

その上見た目がカボチャの為擬態もできる。


それらを全部ひっくるめて、プチィーニは優秀であると言える。


「んで?僕らはユークリーデ王国に着いたらなにをするんだっけ?」


「なんやもう忘れたんか?これやから若人は……まぁええわ。オマンらの仕事はユークリーデ王国に滞在し、『七大天使』の情報を掴む。それと遭遇したら撃破、や」


「横に一人いるんだけども」


というか実年齢ならこっちの方が何倍も上だけどね。


「ソイツは元やろが。スティア嬢の言う話じゃ新しく一人、『七大天使』に入ったそうやで」


「え?ミカエルが裏切ったことって何で伝わってるの?」


「天使ちゅーのはもともと神界から無線で力を貰って下界で動いとるんや。ミカエル嬢が堕天した瞬間、神界の方でなにかミカエル嬢と神界を繋ぐモンに反応があったんやろ」


「なるほど……」


「まぁあれや。オマンのことや。負けんとは思うが気を付けろいや」


「うん。分かったよ」


心配してくれたプチィーニに笑顔を見せる。


「はぁ……これが別嬪なお嬢ちゃんなら……」


「失礼だね⁉︎」


もうほんとこの作品で僕はツッコミキャラが確定したように思えてきたぞ……


「ん………」


「………ふあぁぁぁぁ」


「ほれみいや。オマンが大声出したけん、嬢ちゃんらが起きなはれたやんけ」


「誰のせいだよ!」


このカボチャ……いつかシメる。


「ふぁっ!すみませんベン様!お仕置きなら喜んでお受け致しますので、どうかお気を損されないでくださいませ!」


「ご主人様、おはよう」


「うん、おはよう。あとミュー節も炸裂だね」


「ほぉー。相変わらず別嬪さんやなぁ。どうや?んな優男なんやなくてわいと上品なディナーでもどうや?」


「ナンパですか。………NTR………サキュバス的にもM(ミュー)的にもありですね」


「じゃあミューは勝手にどうぞ。私はご主人様と一夜過ごす」


「過ごさない。あとプチィーニも変なことしないで。ミューは渡さないから」


「ふぁっ!ベン様!それは一体どういうことでしょうか!」


「まぁそんなことは置いといて」

「オイッ!!」

「七大天使について教えてくれるかな、ミカエル」


「ん」


「オマンもなかなかいい性格しとるなぁ……」





こんなコントをしながらの馬車の旅……悪くないじゃないか。

プチィーニ「おい。クサくしゃ」


作者「ん?どうしたバカボチャ」


プチィーニ「『プチィーニ』ってなんや。カボチャの種類やないか。それとわいはカボチャちゃうわ。ジャック・オー・ランタン。Jack-o'-Lanternや」


作者「そんなことより!」

プチィーニ「オイッ!!まだ早いわ!」

作者「ちっ……いやただ名前考えるのめんどかっただけだよ」


プチィーニ「はぁー?おまんそれでも作者か?なんかカッコいい名前とかあらへんのか?」


ベン「西洋カボチャ」

プチィーニ「却下」


ミュー「ガブリエル」

プチィーニ「ふむ……フランスで好まれとる名前やな。せやけど絶対今後被りそうやから却下や」


ミカエル「雲雀なるは」

プチィーニ「マジ無理拒否断る完全100パー却下や」


作者「そこまで言うか」


プチィーニ「クサくしゃと同じよりかはプチィーニのほうがええな。うん」


ベン「僕ももっとカッコいい名前が良かったなぁ」


プチィーニ「んなことより、次回更新は2/13やな。ブックマーク、高評価、コメント、質問等よろしく頼むで」

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