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魔王軍第零部隊隊長〜絶望の化物〜  作者: 雲雀なるは
第2章 化物は魔王の手足として不本意ながら動く
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21.妹の悩みと魔王の思惑

魔王城は上の階層に行けば行くほど、強い魔王軍兵の私室が多くなる。


実際、ベンの部屋も最上階である王座の間の二階下にある。

ベンの私室については知っている者も一握りである。

その理由に、魔王軍人気ランキング男性部門で圏外に位置づけられたことがあげられる。


別にベンがブサイクであったり、性格が超曲がっているわけではない。

むしろ、自分では気付いていないがイケメンである。

まぁ、性格についてはあまり語らないでおくが。


魔王軍人気ランキングは自動エントリーで異性の者から年に一回ある『魔王祭』で投票を受け付ける。

そして、その結果が後夜祭にて発表される。


ちなみにベンは去年軟禁状態だったため参加できずに部屋で泣いていたことは誰も知らない。


で、自動エントリーでベンはアルテにより不参加にされている。

何故かは誰も知る由も無い。


不参加+いつも軟禁+ここ十年以上姿を見せなかった+基本公でない第零部隊=知名度最低というわけだ。


もはやベンの存在は幻や伝説とも言われるくらいだ。


閑話休題。


そんなベンの部屋の隣は『魔王軍の秘密の楽園』とも言われているルネ・テルメードの部屋がある。

その楽園は、今とってもブルーな雰囲気に包まれていた……



ーーーーーーーーーーーーーーーー



「はぁ……なんであんなことを仰られたのでしょうか……」


私、ルネ・テルメードは自分の部屋のクマのぬいぐるみに顔を埋めていました。


このぬいぐるみは私の肉体年齢が10歳(実年齢?コロしますよ?)のときにお兄様からもらったものです。


当時の私はただの『兄弟として』兄が好きな妹でした。

ですがいつからでしょうか。


私よりも強く、若くしてこの魔王軍を引っ張ってきたお兄様の伝説の時代……その頃あたりから私はお兄様に惚れていたのだと思います。


分かっています、分かっているんです。

妹が兄に感情を持つのは間違っていることを。


それに、


目の前にあるものだけを見つめていたらきっとまた、失ってしまうかもしれません。

あの『喪失感』に襲われるかもしれません。


だから、私はお兄様を避けてきました。

ですが私の内心など知らないお兄様にとって、私の姿は反抗期、もしくは普通に兄のことが嫌いになった妹としか見えていないのでしょうか。


ですが私にも至らないことはあります。

避け続けた結果、お兄様に対してだけ、思ったことをはっきりと言えなくなってしまったのです。


今日もそうです。

久々に顔を見たら隣の女の人に欲情していたお兄様に少し苛立ちを感じ、口より先に手が出てしまいました。


スティアにとって、あの時の私は良い搾取対象だったでしょう。

『嫉妬』の。


そして、私により攻撃を受けたお兄様の言葉は今でも胸に刺さり続けます。


『僕はルネが嫌い』


この言葉は私にとって破滅のお告げよりも苦しく、残忍なものであります。


本心は大好きなのに過去の過ちを繰り返さないよう距離を取った結果感情のコントロールがうまくいかなくなってしまった妹。


自分のことが嫌いな妹のことが嫌いな兄。


全ては、私からお兄様に純粋に素直になれば良いことなのですが……

それがまた辛いのです。


やはり残された問題は過去の事件(・・・・・)についてです。

あのせいでお母様は命を落とし、先代魔王様は勇者に討伐され、お兄様は人が変わり、私には『喪失感』のみが残されてしまったのです。


人間関係とは難しいものです。

いやまあ人間じゃあないんですけど。


魔王軍人気ランキング女性部門第一位?

そんなのいらないです。


ここまでズラズラと言ってきましたがとにかく私が今欲しいのはお兄様からの愛情です。

それが無ければ死にます。

確実に。


ブラコン妹とはそういう生物なのです。


「はぁ……」


ですが今回の別れ方は最悪。

お兄様は私に対し悪い感情しか持たないでしょう。


次会うのにも、インターバルが必要ですね。

さて、いったい何十年後になるのやら……


幸い悪魔の寿命はとっても長いです。

私はこの命尽き果てるまで、お兄様との道を歩んで行くつもりですよ。




fin






















「なーーーーにが『fin』じゃ。ただ単に他の女の子と戯れた好きな男の子に嫉妬しちゃって思わず攻撃しちゃって嫌われた嫌われたと思い悩んでる可憐なツンデレっ子ってだけじゃろうが。


読者が勘違いするからやめい。


あとあの事件って若い時のベンが当時の神々と大戦争を起こし、一人魔王城に残したお主が寂しそうに泣いてた時じゃろうが。


そもそもベンも昔からシスコンで過保護で怠惰で、ただあの時はサボったバツで先代魔王に命令されただけで『伝説の時代』なんか無いし。ってかお主らの母はまだ生きておるし、妾の父上は普通に勇者により倒されただけじゃよ。


あと魔王軍人気ランキング女性部門で一位取った時去年無茶苦茶ドヤ顔しとうたのは誰じゃ?


お主のその妄想癖、相変わらずじゃなぁ」


あらら。

まさかのココで魔王様登場ですか。


「いやでも、お兄様に嫌われてるかもしれなくて傷心してるのは本当なんですよぉー。慰めてくださいよぉー」


「嫌じゃ。カエレ」


「ここ私の部屋です」


「………」


はい、論破。


「で?わざわざ私の部屋に来るなんて、どうしたんですか?魔王様」


「ああ、そのことじゃが、実は『七大天使』のことで……」


「ふむふむ………」



ーーーーーーーーーーーーーーーー



「なるほど、では、魔王軍第一部隊隊長『優喪雅失のルネ』、任務遂行の為『ユークリーデ王国(・・・・・・・・)』に行って参ります!」


「うむ。気をつけてな」


私はルネに命令を下した。

全くこの子は。

ベン君のことになると色々とおかしくなっちゃうんだよね。


まあ、それは私も大概だけど。


彼女が出て行った部屋を見渡す。


壁には魔導具で写したベン君の写真、机には360度ベン君フィギュア、本棚には『お兄様ラブラブ日記』が数世紀前で更新がストップしていた。


この頃がルネの素直になれない心が現れだした頃かな。


しっかしここ、確かに楽園だなあ……


………写真の1枚くらい良いかな?

いや、バレるか。

あの子だもん。


っと……部下たちの仲のいざこざを静めるのも魔王たる私の仕事。


ベン君とルネには早くよりを戻してもらわないとね。


ってか、ベン君はルネのことどう思ってるんだろう……


強めに当たりつつもさっきルネのことが心配で(・・・・・・・・・)私に相談して来たベン君なんだけど……シスコンなのは仕方ないよね。

でも、そのシスコンが兄妹を超えたものだったとしたら……いやいややめよう。

ベン君が異性を好きになるなんて……

いやいやそれじゃあ私に振り向いてももらえないじゃん!

こんなただでさえちんちくりんなのに!





こんな感じで悩み続けヴェルキシスに見つかり説教を食らったのはいうまでもあるまい。

作者「さて、今回は少しふざけてみました」


ルネ「お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様」


作者「あれっ……デジャヴが」


ルネ「お兄様お兄様お兄様……はっ!やっぱり嫌いです!私をナデナデしてください!」


アルテ「言っていることが滅茶苦茶じゃのう……」


作者「ちょっとつまんなかった短い『妹編』。次回からまたベン視点でお送りします」


レスティ「ねぇねぇ私の出番まだあ?」


ルネ「そんなものないに決まってるじゃ無いですか」


レスティ「なに?やるの?」


ルネ「妹キャラをなめないほうがいいですよ」


レスティ「貴女だって、ヤンデレで幼馴染キャラをなめてかかったらひどい間に合うわよ」


アルテ「なにを言うとる。幼馴染キャラは妾じゃ」


レスティ「お子ちゃまは引っ込んでなさい」


アルテ「お子ちゃっ……いいよ。私の力見せてあげるよ」


ルネ&レスティ&アルテ「「「ワーッ!ギャーーー!」」」


作者「アルテとルネは基本的にレスティアと仲が悪いです。というか憎んでいます」


ルネ「そんなことより!次回更新は2/12です!ブックマーク、高評価、コメント、質問等よろしくお願いします」

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