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魔王軍第零部隊隊長〜絶望の化物〜  作者: 雲雀なるは
第2章 化物は魔王の手足として不本意ながら動く
15/32

15.リベンジャー

さて来ましたスシュロス回!


今日から2月4日まで、毎日更新する予定です。

「スシュロス、貴様は私と一対一で勝負だ」


第九階層、そこには五人の人影がいた。

女神ナハルネの勇者ユークリート、漆黒斬のスシュロス、可憐淫魔(かれんいんま)ミュー(この二つ名は僕が付けさせてもらった)、絶対絶望(ぜったいぜつぼう)ベン(あ、地味に初公開だね)、そして……


「他の二人は私が相手します。どうぞご覚悟を」


「いいのかい?ニ対一になるけど」


赤髪の聖女である。

まぁでも、天使オーラだだ漏れだけど、ね。

それにこの力、多分最上級クラスだな。

どうやらテルトナが言っていた『七大天使』の一人のようだ。


「ふん、私にかかれば、部隊長クラスなら余裕です」


「ほう、言ってくれますね。それで私にすら勝てなかったらみっともないですよ?」


ミューは自分が眼中に入ってないことに対し、憤慨しているようだ。


「そんなことはあり得ません。なんせ、私ですから」


どうやら結構な自信があるようだ。


「ユークリート、お前はこの僕がもう一度地に顔をつかせてやろう」


「ふん!あの頃の私とは違うのだ。今の私は先程倒した魔王軍第六部隊隊長『忌避侵攻(きひしんこう)のリヴァイア』でさえ敵で無いのだ。さあ、正々堂々、一対一で勝負だ」


「その鼻、この僕が折って差し上げようじゃないか」


そう言いつつ、二人は上の層ーー第十階層に消えていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



「さて、それじゃあ始めるとする」


紫のマントを靡かせている優男ーーユークリートがそう言う。


「剣を抜け、スシュロス」


スシュロスは言われた通りに左の腰に挿していた愛剣を抜く。


この剣は持ち手部分に赤いテーピングがしてあり、柄は世界一硬いと名高い『アダマンタイト』を使用。


刀身は、自分の身丈の半分くらいの長さで、『黒紫竜』と呼ばれるドラゴンの鱗が使われ、魔力を流せば鋭利度が変わるという業物だ。


それに対するユークリートの剣は、ユークリーデ王国の紋章が柄に彫られた、スシュロスの愛剣よりも少し長いレイピアだ。


リーチと連撃速度はユークリートが上、一撃ごとのパワーと剣の鋭利度はスシュロスが上。


互いに互いの有利な点、不利な点を持ち合わせている。


勇者であるユークリートを白と置くならば、悪魔であるスシュロスは黒であろう。


そして、今ここに、白黒はっきりつける戦いが始まる。


「………ハッ!」


最初に仕掛けたのはユークリートだった。


勇者であるユークリートの突きは、例えどんな金属でも突き破るほどである。


「ムダだ」


スシュロスは魔力を剣に捻じ込め、ユークリートの突きを弾く。


そのまま横からユークリートを襲うが……


「それはこっちのセリフだ」


空中を蹴って、スシュロスの攻撃範囲を逃れたと思ったら、また素早く突きを繰り出す。



その攻防は、息つく暇もなく、優に三十分続いた。



「くっ……鬱陶しい……」


スシュロスはこの攻防を30分ほど続けて、流石に疲れが表に出てしまっていた。


「ふっ!チャンスだ!」


「くっ!なんの!」


少しずつスシュロスに隙が出るようになっていた。


「どうだ?疲れたろう?ちなみに私はまだまだ準備運動くらいだぞ?

ふっ……過去の私よ、復讐は遂げられる……これで終わりだ」


ユークリートは更に強き突きを繰り出す。


その威力にスシュロスはたじろぎ、ユークリートは空いていた左肩にレイピアを突き刺す。


「ぐあっ……!」


スシュロスは左肩に風穴が空いてしまった。


「フハハハ、どうだ!痛いか!これが我ら、人間の力だ!」


「……お前如きが人間の代表ってか……?くだらん」


「王子にして勇者!これを人間の代表と言わずなんだと言うのだ?」


「そうだな……お前はせいぜい僕に負けた烙印を押されたまま、恥ずかしく生きているのがお似合いだと思うが」


「きっ、貴様、減らず口を」


ユークリートはスシュロスを更に突き刺す。


肘、太もも、足、腹。

レイピアは細いため致命傷になりにくい。

そのためユークリートはわざと急所を外し相手に痛みを味あわせる。


「それで満足か?」


「……なんだと?」


スシュロスの発する言葉をユークリートは理解できなかった。


過去にスシュロスに倒された記憶、それはいつだってユークリートの精神を蝕んで来た。


その記憶が浮かび上がってくるたび、ユークリートは何かに追い詰められている気持ちになった。


「じゃあ、次はこっちの番だ」


スシュロスが言う。

ユークリートにはこの場面で、トドメを刺さなかったことをその後後悔することであろう。


スシュロスが魔王軍第九部隊隊長にまで上り詰めた所以、それは単に剣技が上だという理由だけではない。


「『竜剣流奥義』ーー『一閃』」


スシュロスが剣を横に振る。


そして、第七守護塔の第十階層に一本の線ができた。

ベン「次回予告!」


ミカエル「ミュー&ベンVSミカエルです」


スシュロス「あれ?僕たちの続きは?」


ミュー「後回しです」


ユークリート「そんな……進展早過ぎだろう」


作者「いやね、そろそろアルテたち魔王城メンバー達の出番も出そうと思ってるし、それにただでさえ一話一話が短いから、トントン拍子で話進めないといけなくなっちゃうんだよ」


ルネ「あ、そうそう、近々、私の出番があるらしいですよ。しかも私メインで」


作者「あー、ルネ視点ね。一応考えてるけどやるかどうかは不明だよ?」


ルネ「絶対やってください」


ミュー「そんなことより!次回更新は2/1です!ブックマーク、高評価、コメント、質問等よろしくお願いします!」

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