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魔王軍第零部隊隊長〜絶望の化物〜  作者: 雲雀なるは
第2章 化物は魔王の手足として不本意ながら動く
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13.無双スタート

人間界と魔界の境界、そこから馬車で1から2時間の『奈落の樹海』。

その中央に佇む禍々しいオーラを帯びた十階建の塔。

それこそ、我らが目指す『第七守護塔』となる。


守護塔は、魔王城から近い場所から第一守護塔、第二守護塔、と続き、第七守護塔まだある。


要するに、守護塔は魔王軍の領地を指す円周にある一点にある建築物、つまり砦ーー人間共からの進行を防ぐために建てられた要塞のような役割を果たしている。


第七守護塔は今現在人間界からの距離が他のどの守護塔よりも近い。


「人間も、魔界への侵攻をし始めたというわけか」


ちなみに僕は今、第七守護塔から少し離れた場所……と言っても奈落の樹海なのだが、そこで様子を伺っている。


「ふむ……流石に人間の騎士がごまんといますね…」


スシュロスが固唾を呑む。


百戦錬磨のスシュロスでもさすがにこの数はきついかも知れない。


『騎士』は、女神から力をもらう『勇者』とは違い、天使から力をもらっている。

また、もう一つ違う点として、一人の天使は複数人の騎士に力を授けることができる。


悪魔と魔族のもう一つの違う点としては、悪魔は天使を天敵として持つことだ。


故に、騎士は悪魔……といっても下級だが、その重要アタッカーとして見られる。


スシュロスは悪魔だ。

あちなみに僕もだけど。

たとえ部隊長クラスのスシュロスでもこの数相手にしたら、少し身が重いかもしれない。


まして、その騎士たちを掃除した後に待つのは、リヴァイアさえ倒した勇者だ。

気力が残っているとは言い切れないだろう。


「どうする?勇者には手を出さないから、僕が騎士たちを倒しておこうかい?」


「ナメないでください。僕は、これでも魔王軍第九部隊隊長『漆黒斬のスシュロス』です」


どうやら、一人で全部やり切るつもりだ。


僕はスシュロスの実力を知らないからあれだが、僕には分かる。


『焦り』の感情を発していることを。


「それでもこのまま立ち止まっててはダメでしょう。このまま更に騎士どもが増えるだけです。それならば、もう正面衝突しかありませんね。私達しかいませんし」


ミューが発言する。

ちなみにここにいるのは僕とスシュロスとミューだけだ。

兵は自由に連れていってもいいという命令だったが、スシュロスがあえて自分を戒めるため無兵状態で来たのがここで仇となったかな。

まぁ僕はミューを連れて来るつもりはなかったんだけど、彼女に事の詳細を話したら無理矢理付いてきたんだよね……


「くっ……分かりました。ベン様、ミューさん、騎士たちをよろしくお願いします」


「承りました」


「うん、分かったよ」


さあて、無双ゲームの始まりだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「『照準(ターゲッツ)』………『追従弾(ホーミング)』」


「あー!ベン様!私にも!私にもそれください!」


とにかくこの邪魔な雑魚騎士共をなんとかしなければ。

僕は目視下にいる騎士達を狙い、コンボ魔法……相性のいい魔法同士を同時に使った。


「うがぁー!」

「ぎゃー!」

「なんだ!どうしあぁぁぁ!」


うむ……あまり魔力を込めなかったけど、もう少し節約しても良かったかな。


「ベン様!なんで私にも当ててくれなかったんですかぁ…」


うん、何やら変態がほざいてるけど、無視だ無視。


既に開いていた第七守護塔の扉からゾロゾロと騎士が出てくる。

ふむ……者によっては『槍騎士』や『パラディン』とかもいるようだけど……


「そうですか無視ですか。焦らしプレイもいいですけど流石に私だって傷つくんですからね!そーれ!『地獄炎帝(インフェルノ)』!」


ほーう。

火属性の最上級魔法か。

ミューは知識はもちろん、生活力もあり、センス、礼儀、書類管理もお手の物。

その上徹夜の仕事にも嫌な顔ひとつしない体力、そして最上級魔法をも扱える魔力。

もう完璧じゃないか。性格を除けば!


「正直、ミューの婿になる者が羨ましく思えるよ」


「ひゃっ!べ!ベンしゃま!しょ、いえ、それは一体…」


なんだよ可愛いなコイツ。

いや、ダメだダメだ。

まだ全然余裕とはいえここは戦場。

こういうことは後に持っていくべきだろう。


「ごめんね、冗談だよ」


「……………」


あれ?なんか膨れちゃった。

彼女の感情は…『不満』

……僕なんか悪いことしたっけな?


よし、出入り口は確保したし、塔の内部に突入!



ーーーーーーーーーーーーーーーー



「お?何やら下が騒がしいな」


第七守護塔の最上階に、その勇者たちはいた。


「さっき倒した悪魔の仲間でしょう。ユークリート様はまだ先の傷が治っておりません。……ガルド、様子を見に行ってきてください」


「敵がいた場合は?」


「抹殺でお願いします」


「容赦ねぇな、聖女のくせによ」


「悪魔や魔族に慈悲を与える聖職者なんて、どこにもいないと思いますがね」

作者「えーということで、今回はあまり進展がありませんでした。すいません」


ガルド「いや、俺の名前が出てるじゃねぇか」


ベン「君って、なんだかハードパルドとキャラ被ってない?」


ガルド「それを言わないでくれ」


聖女 (仮) 「いや、私なんてこんな扱いですよ。何ですか『(仮)』って」


ミュー「新鮮でいいじゃないですか」


スシュロス「四人パーティから察するに、もう一人はセリフすらありませんから、まだ扱いはいい方ですよ」


作者「まぁそんなこんなで次回はガルド戦となりますので、楽しみにしててください」


ガルド「次回更新は1/30だ。次回もよろしくな」

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