作中神話要素解説
著者による独自的な解釈を含む場合があります。
ネタ的にお楽しみください。
なお、こちらにはR15ネタはありません、よ?
◇陀郷坂 【地名】
夜刀浦市にある古き良き学生街の地名。
学生向きの店舗が軒を連ねており、飯綱大学の学生を筆頭に中高生が安くて量が多い食堂に群がる光景も珍しくない。
昭和50年代に大学生が『D坂』と略すようになり、以後こちらの通称の方が広く知られるようになった。
ここには元々集落が存在し、室町時代の終わりには非常に敬虔な仏教徒が集まり、仏像を拝んでいたと言う記録が残っている。
しかしながら、ある時期を境にこの集落から人が消え、ここで拝まれていた仏像も姿を消した。
ただ一文。「坂を下り海底へと戻る」と言う記録が残されているのみである。
◇峠鏡路 【人名】
夜刀浦市大通り二丁目裏路地にアパートの管理人兼探偵事務所を開いている男。
元傭兵だったが、中南米で従軍した際にとある神話事件に巻き込まれて、命を拾うも退役。
旧図書館の司書の手先としてこき使われる日々を送っているうちに、都市伝説じみた存在として語られるようになった。
懐にコルトパイソンが入っているとかいないとか。
◇魔女狩り法典 【魔道書】
中世魔女狩り時代に編纂された魔女判別方法のマニュアル。これ一冊で、貴方も魔女が見分けられる。
と言う偽装が施された生贄マニュアルである。
本物の魔女たちが魔女狩りを逃れていた事は有名な事実だが、魔女狩りをやっている方にも実は邪神の使徒が存在して生贄をバンバン捧げていた、と言う証拠でもある。
ヨーロッパで流布したが殆どは焚書となった。しかし、アメリカに持ち込まれて魔女裁判に使用された記録が残っている。
その為、現在に残っているほとんどが原版のラテン語ではなく、英訳版である。 粗造乱造が多く、魔導書としての価値は低い。
主に用意する魔法陣や、女性の縛り方や責め方などが図柄で入っており、SMマニアが間違って雰囲気作りの為に入手してしまう事態が、現代では発生してしまった。
一応魔法陣を用意したり、道具類を揃えなければ成立しない筈なのだが、気合の入ったマニアは揃えてしまい、事故ってしまう。
古本屋のマゾな人妻は、中途半端な召喚で現れた何らかの神話的存在によって天井にマミられてしまったのである。服を着ていたので行為前だった事は確かだ。
◇イブン・ハジの粉末 【マジックアイテム】
ネクロノミコンに記される、姿の見えない神話生物を可視化させる効果のあるアイテム。かのダンウィッチ事件でアーミティッジ博士が使用した。
怪物の可視化の他、使い方によっては活性化にも使用できる。その際には呪文との併用が必要。
◇ヨグ=ソトースの落とし仔 【クリーチャー】
女性を母胎として現世にヨグ=ソトースの落とし仔を作り出す秘術がある。
この秘術の本来の目的はヨグ=ソトースの現世召喚であり、落とし仔はそのきっかけに過ぎない。
成長を遂げると自力でヨグ=ソトースの存在空間を繋げてしまう為、ある種最悪な時限爆弾的存在と言える。
ちなみにヨグ=ソトース自体が不定形であるため、成功した場合に誕生する落とし仔は基本決まった形が無い。
失敗した場合でも天才児が生まれる場合もあるが、人間とは言い難い姿をしている。
稀に。完全な人型を保ちながら、魔術に関しての才覚も天才性も美貌も備える怪物が生まれる場合がある。古くから『アンチキリスト』と称される者たちの正体の一つではないかと思われる。
◇D坂の殺人事件 【小説】
江戸川乱歩が自身の作品に日本の名探偵明智小五郎を登場させた最初の作品である。とは言え、最初の明智小五郎は書生スタイルの遊民で、後のスタイリッシュなモダンなイメージは無い。
SMと人間心理を取り入れた作品で、乱歩は心理の部分に重点を置いたのだが、なぜか映像化される際はSM部分に重点が置かれ官能作品化すると言うパターンが確立している。
ラブクラフト作品を日本で初めて紹介したのが他ならぬ江戸川乱歩。
ちなみにラブクラフト作品を日本で初めて漫画にしたのが、おそらく水木しげる。ひょっとすると世界で初めてかもしれない。