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喧騒の昼I
「426、48、2422、32、30!
さあ問題、次に来る数字は?」
彼は暗闇の少女に話しかける、
玩具で遊ぶ子供の様な顔で。
少女はそれに応える様に微笑み、
小さく首を横に振った。
「ハッハー、分からないか!」
彼は大きく高笑いをした。
彼のとても得意げな表情、
彼女はこれが好きで堪らなかった。
「ソフィアはまた分からない!
今回もまた私の勝ちという事だ!」
闇を引き千切る様に彼は笑う、
ただひたすらに笑い続ける。
部屋中がそれに軋み、悲鳴を上げる。
それでも構わず笑い続けた。
しかし、それはふと止んだ。
「あー…、何故笑ってるんだろう。」
彼は心底不思議そうに、
自らの奇行について考察し始めた。
「ねえソフィア、何故だと思う?」
困り果てた彼は答えを求めた。
彼女は微笑み、首を横に振った。
「なるほど、その通りだ。」
彼は納得し、笑顔を取り戻した。