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神の御許にて  作者: 日渡正太
第2話 神様と迷える子羊達
35/41

STAGE 35

 翌日の日曜日、金沢さん母娘が、教団本部にやって来た。


 談話ロビーで、お母さんは、さっそくコーラス隊の面々につかまって、


「ダメよ、あなた、娘さんを甘やかしちゃ!」

「ここぐらい、1人で来させなさいよ! 何で親が付き添うのよ!」


 と集中砲火を浴びている。


「いえ、まだ、ここがどんな所かわかりませんから、とりあえず私が一緒に来て、様子を見ようと……」


 あの気の強そうなお母さんが、コーラス隊の前では気押されている。

 とも子ちゃんは、ずっと黙って3DSをやっていた。


 ちなみに今日のコーラス隊は4人だけで、黒田さんは来ていない。

 少し体調が悪いので休む、という連絡が朝にあった。


 とてもそうは見えないとはいえ、実際は病状が深刻なので心配だ。

 サブリーダーの井川さん以下4名のコーラス隊は、それでも充分に姦しかった。


「金沢さん、私達もいるんだから、大丈夫よ!」

「子供は独り立ちさせないと! 親が子離れできなくてどうするの!」

「とも子ちゃん、飴食べる?」


 お母さんだけでなく、とも子ちゃんも少々鬱陶しそうだ。


「じゃあ、とも子、あなた1人で帰って来れるわね?」


 小1時間ほど、コーラス隊の口撃を受け続けた後、ついにお母さんが折れた。

 こくっ、と頷くとも子ちゃん。


「帰りの電車賃と、お昼はこれで食べなさい」


 お母さんは、いくらかのお金をとも子ちゃんに渡すと、


「娘をよろしくお願いします」

 とコーラス隊のメンバーに頭を下げて、立ち上がった。


 談話ロビーの入り口のところで、ドアの前に立っていた俺に気づくと、


「あら、副教祖様……でしたかしら? 娘を置いて行きますけど、大丈夫でしょうね?」

 と、きつい口調で尋ねた。


「大丈夫ですよ、任せてください」

 俺が営業スマイルで答えると、


「何かあったら、すぐに出るところへ出ますからね?」

 と、怖い顔で睨んで帰って行った。

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