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神の御許にて  作者: 日渡正太
第2話 神様と迷える子羊達
32/41

STAGE 32

「これは商品名を『スグナオールG』と言いまして……」


 本部長が説明を始めた。


 そう、こいつの商品名は「スグナオールG」。


 我が教団で製作した宗教グッズではなく、「SAI気功」という名称の、外部の気功団体から販売委託されている製品である。


 見た目はアダルトグッズみたいな外見だが、「SAI気功」の優秀な気功師が、一つ一つに自らの「氣」を封じ込めたという逸品で、これを体に当てるだけで、専門の気功師による直接治療を受けたのと同じ効果があるという触れ込みだった。


 中に電池が入っていて、コントローラーのスイッチを入れれば、タマゴ型の本体が振動するようになっており、普通にマッサージ器としても使用できる。


 購入した一部の信者さん達からも、


「体に当てると気持ちいいわあ!」


 という声が届いているが、マッサージ器として使えるんだから、当たり前である。


 価格は1台38万円。


 お巡りさんは、

「ちょっと、見せてもらっていいですか?」

 と、箱から取り出した「スグナオールG」を手にとって眺め、

「電源を入れても、差し支えないですか?」


「どうぞ、どうぞ」

 俺と本部長に断って、コントローラーのスイッチをONにした。


 ビビビビ……。


 その辺の市販のマッサージ器と変わらないような小気味いい振動が始まり、お巡りさんはそれを手の中で確かめた後、


「いや、どうも有り難うございました、珍しいものですな、これは」


 と言って、「スグナオールG」を箱に戻した。


「今日はどうも、ご無理を言ってすみませんでした。いろいろ参考になりました。私も非番の日に、教祖様の法話でも聞きに来させてもらいましょうかな」


 お巡りさんはそう言って笑い、俺と本部長に丁寧に挨拶して帰って行った。

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