STAGE 30
「すみません、お騒がせしました」
俺が代表して、赤木さんや大熊さんに謝罪すると、大熊さんは、ポカンとしたまま、また無言でいつもの無表情に戻り、赤木さんは、
「いえ、びっくりしましたけど、大丈夫です……」
と胸を撫で下ろしていた。
やがて救急車が到着し、増子さんは救急隊に連れられて病院へ向かった。
六本木さんがそれに同行して付き添った。
それはいいのだが……救急隊の到着と相前後して、もう一つ、厄介なものが教団本部にやって来た。
警察である。
119番に通報する際、「自殺未遂」ということを伝えてしまったため、そちらにも連絡が入ったらしい。
「ちょっと現場を見せてもらえますか」
5人ほどのお巡りさんが、どかどかと教団本部に入って来た。
お巡りさん達は、簡単に現場を検分した後、俺と本部長、川原に事情聴取を始めた。
その間、赤木さんや大熊さん、コーラス隊の面々には別室に移ってもらった。
事情聴取そのものは程なくして終わり、警官隊ももう帰るかと思った矢先、その中のリーダーらしき年配のお巡りさんが、妙なことを言い出した。
「ここは宗教団体の本部なんですな? なかなか興味深いものですなあ!」
「は?」
どうして警察が、うちに興味を持つんだ……。




