STAGE 29
「増子さん、落ち着いて、暴れないで!」
俺と川原が懸命の説得をしつつ、増子さんの足に取り付く。
「ムグオオオオオ――――――ッ!! じぬうううぅぅぅ――――っ!!」
その瞬間、増子さんを宙吊りにしていた紐が、ブチッと音を立てて切れ、増子さんの超体重が、俺と川原の上にのしかかってきた。
「ぐおっ!」
「どわあっ!?」
俺と川原は、増子さんの巨体に押しつぶされ、崩壊した祭壇の上に叩きつけられた。
壊れた祭壇には尖った部品もあり、下手をしたら大ケガだ。
「増子さん、ケガはありませんか!? 川原、大丈夫か!?」
俺は自分の上に乗っている増子さんと、下で潰れている川原に声をかけた。
増子さんは俺の上に座り込んで呆然としており、下敷きになっている川原は「どいてくれえ!」と叫んだ。
どうやら2人とも、たいしたケガはないようだ。
「うーっ、今ので私は腰をやりました……」
やっとの思いで、増子さんの下から這い出した俺と川原に、橋元本部長が、コーラス隊の面々に支えられながら、腰をさすりつつ唸った。
本部長はもともと軽い腰痛持ちなので、今ので悪化したらしい。
増子さんは、外見的にはケガはなさそうだが、いちおう頚椎などを損傷しているといけないので、とりあえず救急車を呼ぶことになった。




