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神の御許にて  作者: 日渡正太
第2話 神様と迷える子羊達
29/41

STAGE 29

「増子さん、落ち着いて、暴れないで!」

 俺と川原が懸命の説得をしつつ、増子さんの足に取り付く。


「ムグオオオオオ――――――ッ!! じぬうううぅぅぅ――――っ!!」


 その瞬間、増子さんを宙吊りにしていた紐が、ブチッと音を立てて切れ、増子さんの超体重が、俺と川原の上にのしかかってきた。


「ぐおっ!」

「どわあっ!?」


 俺と川原は、増子さんの巨体に押しつぶされ、崩壊した祭壇の上に叩きつけられた。

 壊れた祭壇には尖った部品もあり、下手をしたら大ケガだ。


「増子さん、ケガはありませんか!? 川原、大丈夫か!?」

 俺は自分の上に乗っている増子さんと、下で潰れている川原に声をかけた。


 増子さんは俺の上に座り込んで呆然としており、下敷きになっている川原は「どいてくれえ!」と叫んだ。

 どうやら2人とも、たいしたケガはないようだ。


「うーっ、今ので私は腰をやりました……」


 やっとの思いで、増子さんの下から這い出した俺と川原に、橋元本部長が、コーラス隊の面々に支えられながら、腰をさすりつつ唸った。

 本部長はもともと軽い腰痛持ちなので、今ので悪化したらしい。


 増子さんは、外見的にはケガはなさそうだが、いちおう頚椎などを損傷しているといけないので、とりあえず救急車を呼ぶことになった。

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