STAGE 24
「お母さん、今はこの子を肯定してあげることが大事なんです! とにかく任せてください!」
「私はこの子を学校に行かせてくれと言ってるんですよ!? それを行かないでいいとは何事ですか! 受験はどうするんです? あなたはうちの子の将来を何だと思って……!」
「わかってます! 今だけです、今だけ!」
話がとも子ちゃんに丸聞こえだが、こういう子は、なぜか不思議と頭がいいことが多い。
自然に察してくれるか、後で話せばわかってくれると……思う!
「ええと……とも子ちゃん、学校へは行かなくてもいいけど、ただ家でずっと、お父さんやお母さんとだけいるのは、よくないと思うんだ。学校へ行く代わりに、ここへ毎日通うっていうのはできないかな? ここなら何もいやなことはないし、談話ロビーでゆっくりしてくれてるだけでいいよ」
とも子ちゃんは、しばらくきょとんとしていたが、やがて、
「……好きなもの持って来ていい?」
と尋ねてきた。
「好きなものって何?」
「漫画と、3DS」
「いいよ、そのくらい」
俺は笑って答えた。
「フン、まあ、いいでしょう」
おばさんが、しぶしぶと言った感じで頷いた。
「で、ここは、お布施? 寄付? そういうのはかかるの? いくら?」
「お母さん、それはお気持ちで……」
俺が営業スマイル全開で答えると、
「いくらでもいいの? 1万円とかでも?」
「ご冗談でしょう」という言葉を、俺は必死に飲み込んだ。
「今はまだ、正式に入信されたわけではありませんので結構です。このままお嬢さんがここへ通って、本当に元気になって、心から笑っていられるようになったら、その時はお気持ちでお願いします」
俺はそう言って深々と頭を下げた。
「ふうん、そうなの……」
そうしてこの日、おばさんととも子ちゃんは、とりあえず帰って行った。




