表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の御許にて  作者: 日渡正太
第2話 神様と迷える子羊達
24/41

STAGE 24

「お母さん、今はこの子を肯定してあげることが大事なんです! とにかく任せてください!」


「私はこの子を学校に行かせてくれと言ってるんですよ!? それを行かないでいいとは何事ですか! 受験はどうするんです? あなたはうちの子の将来を何だと思って……!」


「わかってます! 今だけです、今だけ!」


 話がとも子ちゃんに丸聞こえだが、こういう子は、なぜか不思議と頭がいいことが多い。

 自然に察してくれるか、後で話せばわかってくれると……思う!


「ええと……とも子ちゃん、学校へは行かなくてもいいけど、ただ家でずっと、お父さんやお母さんとだけいるのは、よくないと思うんだ。学校へ行く代わりに、ここへ毎日通うっていうのはできないかな? ここなら何もいやなことはないし、談話ロビーでゆっくりしてくれてるだけでいいよ」


 とも子ちゃんは、しばらくきょとんとしていたが、やがて、

「……好きなもの持って来ていい?」

 と尋ねてきた。


「好きなものって何?」

「漫画と、3DS」


「いいよ、そのくらい」

 俺は笑って答えた。


「フン、まあ、いいでしょう」

 おばさんが、しぶしぶと言った感じで頷いた。


「で、ここは、お布施? 寄付? そういうのはかかるの? いくら?」

「お母さん、それはお気持ちで……」

 俺が営業スマイル全開で答えると、


「いくらでもいいの? 1万円とかでも?」


「ご冗談でしょう」という言葉を、俺は必死に飲み込んだ。


「今はまだ、正式に入信されたわけではありませんので結構です。このままお嬢さんがここへ通って、本当に元気になって、心から笑っていられるようになったら、その時はお気持ちでお願いします」


 俺はそう言って深々と頭を下げた。


「ふうん、そうなの……」


 そうしてこの日、おばさんととも子ちゃんは、とりあえず帰って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ