STAGE 23
「まったく腹立たしい! この子は甘やかしすぎたのね! あまり厳しくするのもいけないと思って、何でも好きなようにさせてきたから甘えてるんですよ! 私は育て方を間違ったわ!」
子供の目の前で堂々と言い放つおばさん。
娘さんは、今にも泣き出しそうな顔で無言だ。
こんなふうに母親の前で萎縮して震えている子が、何でも好きなように、甘やかされて育ってきたとは思えない。
「君、名前を教えてくれるかな?」
俺は娘さんに話しかけた。
「金沢とも子です……」
うつむいたまま、聞き取れないほど小さな声で、女の子は答えた。
「とも子ちゃんか……学校って本当に楽しくないよね、俺もそう思う。今日は土曜日でホッとしてるよ、月曜日なんか、来なきゃいいのにな」
「あなたは何を言ってるの?」
おばさんが気色ばんだ。
「学校なんて、行きたくなきゃ、無理に行かないでいいと思うよ。他にもそういう人はいるし、行かなくても済む方法はいろいろあるから。俺も来週からサボろうかな、いや、マジで……」
俺が少々実感を込めて言うと、おばさんが立ち上がった。
「帰らせてもらいます!」
「まあまあまあまあ!」
俺は必死でおばさんを引き止めた。
このままでは一流企業のお偉いさんの金が逃げてしまう!




