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神の御許にて  作者: 日渡正太
第2話 神様と迷える子羊達
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STAGE 22

 例えば、子供が「クラスでも面白い性格で人気者」というタイプで、しかし親の好みは「真面目な優等生タイプ」とういうアンマッチが生じた場合、ほとんどの親は子供の個性を受け入れて、それに文句を言うことは少ない。


 ただ中には、「おまえはクラスで笑われているのか! みっともないことをするな!」などと子供を叱りつけて、自分達の理想である「真面目な優等生タイプ」に変えてしまおうとする親がいる。


 微に入り細に入り、子供の言動を細かく規制して、自分達の望む方向へと修正し、家庭外の友達関係にも干渉して(その結果、子供は学校などで孤立してしまうことが多い)、「成績上位の子」を望む親なら、部屋に閉じ込めて「勉強! 勉強!」と厳しく言い続けることになる。


 子供にしてみれば「別人になれ」というのは不可能な要求だから、親への対処で手一杯となり、時間とエネルギーを使い果たして、本来、友人関係や恋愛事など、家庭の外に目を向けるべき大事な成長期を、それに充てることができない。


 そのため、人間関係の機微など、社会性を身につける貴重な機会を奪われたまま年数だけが過ぎて行き、その影響はやがて同世代の仲間達との顕著なコミュニケーション能力の格差となって現れてくる。


 そして最終的には「学校へ行けない」となり、そのまま成人まで達してしまうと、「働けない」ということになってしまう。


 ……と、まあ、これが、俺がこれまでの経験で見てきた、もっとも一般的な、不登校、引きこもりの誕生メカニズムだ。


 もちろん、実際には百人百通りの原因があり、何もかもこの通りではないが、ある程度当たってはいると思う。


 原因が子供自身の資質よりも、親の側にあるのは、もうほとんどと言っていいことなので、本来なら親の側の行動を変えないと根本解決にならないのだが、この手の親は「自分は立派な人間であり、全ての非は子供にある」と主張して、自らの責任を認めないことが多い。


 そこがこの問題の非常に厄介な点でもある。


 親を変えられないなら、子供の意識を親から切り離して、別の方向へ向けさせるのが最良なのだが……。

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