STAGE 16
校門を出て、3人で駅前のマックに向かう途中、俺は由里に大事な話を切り出した。
「なあ由里、よく聞いてくれ。親父のさ、御奉仕隊ってあるじゃん?」
「あ、うん」
「親父がさ、俺のも作るって言うんだよ、御奉仕隊」
「え、丈太の?」
「そう、もちろん、俺はそんなのいらないんだけどさ……それでさ、親父が、おまえもそれに入れたいとか言うんだけど……」
「え、わ、私!?」
「うん、だからさ……」
「え、ど、どうしよう? 丈太の御奉仕隊っていうことは、丈太のそばにいて仕事のお手伝いとかするんでしょ? 大丈夫かな……私……そんな……」
「いや、だから、おまえ、それ断れ」
「え……?」
「正直、親父がそう言う以上、御奉仕隊を作られるのは仕方ない。だが、おまえがそこに入るのだけは我慢できん! だから話が来たら断れ! いいな?」
「……どうして、そういうこと言うの?」
「だって、おまえに、そんなことして欲しくない……」
「待て待て待て!」
突然川原が割って入った。
「丈太、おまえ、その言い方じゃ……!」
「どうしてだ!? 俺はこいつが、そんなのに入るのだけは耐えられな……」
パ――――ン!!
突然、由里に平手打ちを食わされた。
「もういいっ! よくわかった!」
目に涙を浮かべて、走り去る由里。
あっけに取られたまま、見送る俺。
「どういうことだ?」
「おまえさあ……」
溜め息をつく川原。
「だってあいつ、御奉仕隊ってどんなことするか知ってんのか? いや、俺は何もする気はないけど……」
「いや、知らないだろ、一般の信者さんは、普通に仕事の手伝いするだけだと思ってるぞ。あのミニスカ巫女の衣装だって、在家さんには公開してないわけだし……」
「そうか……だよな……」
俺は由里が走り去った方角を眺めた。
それにしても、あいつ何であんなに怒ったんだ?
もう、わけわかんねーよ!