ついに星空へ
それから一週間後。待ちに待った流星群が流れる日がやってきた。
「こんばんわ、堂本さん」
「こんばんわ、安斉君」
実はみさちゃん達も誘ったのだがそれぞれ用事があったので一人で行くはずだった、が。
そのことを安斉君に話すと意外にも安斉君の通学路と私の通学路が途中から一緒のことを知り、待ち合わせしていくことになったのだ。
凄く凄く嬉しいのだが・・・・・・・・・・・・・・私には大変なことで。
さっきから緊張して受け答えが出来なくなっている。
その前に噛みすぎでしょう、私。
それからようやく学校に着いた。なんだかいつもと同じ距離なのにどっと疲れた気分。
よく見るとちらほら望遠鏡を覗いている人がいる。早く見てみたいなぁ。
そう思っているところに安斉君の名前を呼んでこっちにかけてくる人が。
・・・・・・・・・・あれ?陸君だよね?
「よぉ、空汰。来てくれたのかって・・・・・・・・・輝晴?!
何でここに。というか知り合いなのか」
う~ん、知り合いというかなんと言うか・・・・・・・まぁ誘われてきましたとしか言えないんですが。
「こいつと知り合いなの?」
こいつというのは陸君でしょうか?
言葉が一瞬雑になったのを疑問に思いつつ答えようとした。そう、ようとしたんだ。
先に陸君に言われてしまって口が開いたまま声が出せなかった。
陸君・・・・・・・伊藤陸は私が小学校から同じ学校に通って約11年の唯一の男友達だ。
と言っても言葉は交わすことなんてあまりない。
もしかしたら彼にとっては知り合いの部類に入るのかもしれない。
それでも彼は昔から優しくて。あの時はとても助けられた恩人である。
だから唯一下の名前で普通にしゃべれる友達。
「で、陸。僕たちの場所はどこ?」
僕たちの・・・・・場所?
「大丈夫、ばっちりとってある」
「ど、どういうこと?」
「うん?ああ、輝晴は知らないか。学校の望遠鏡あまりないから早いもん勝ちなんだよ。
だから一番早く取って設置した。
結構みんなから離れてるからうるせぇ奴らも来ないし。
ま、来ることお前が伏せたから女子は少なくて居てもほぼカップルで動いてる」
ロマンチックだもんね。いいなぁ。私もいつかそういう時期が来ればいいなぁ。
「じゃあ、行こうか」
彼の合図と共に彼らの背を追って私はついて行くのだった。