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震える鼓動抱きしめて





震える鼓動。


震える唇。


本当に伝えたい言葉を口に出すのは一番難しい。







ドクン、ドクン。


心臓がゆっくり動いてる感じがする。


半分勢いでやって来た私。もちろん告白なんてしたことがない。


伝えたいこと伝えといて陸君の下へ逃げてしまおう。


心の中でそう決めていざ、出発。


ガラッ


なんでいつもタイミングの悪いときに会ってしまうんでしょうか。








「堂本さん」


「安斉君」


ああ、逃げてしまいたい。どうしてこんなかたちでいつも出会うのでしょう。


「裏庭行こうか」


「へ?」


「ここだと邪魔だしね」


そう言って少し体をずらすと注目されてる・・・・・・・・・・・・・


「そうしましょう」






ゆっくりとベンチに座る。


グランドから部活のかけ声しか聞こえないほどここだけ殺風景に感じられる。


放課後ということやもうすぐ終了時刻ということもあってか人が通る気配すらしない。


なぜ彼がこんなところに連れてきたのは分からないが何か事情があることが感じられる。


「あのさぁ」


「はいっ」


告白しようとしてきた私には耐え難い緊張感だった。


「あの女とは関係ないからね」


・・・・・・・・・ごめんなさい。よく意味が分からないです。


「堂本さんの偽友のこと。名前聞いてなかったから」


そ、そうなんですか。って関係ないってどういうこと?


「一回目は事故。これに関しては僕も悪いところがあるからなんともいえないけど二回目は調子に乗ったあの女がやってきただけ」


ということは・・・・・・・・・・・・・・


「カレカノという関係ではないと言うことでしょうか?」


「うん、そういうこと」


はぁ、恋人じゃなかったんだ。


なんか安心。って付き合ってるわけではないから関係ないんだけどね。







「で、堂本さんはどうしたの?」


「へぇっ?!」


「なんか息上がりながらやってきてたみたいだから」


「えっと・・・・・・・・・」


告白するときって雰囲気大事にするものですよね?


こんなんで人生初の告白してもいいんでしょうか?


「あっと・・・・・その・・・・・」


「ゆっくりでいいよ。流星群のときに話したときもテンパッてたし」


「あの・・・・・・」


こ、言葉が出てこない。


一言、しかも二文字なのに言えない・・・・・・・・・


それから何も言えず沈黙が続いた。







「もうそろそろ、帰ろうか」


「えっ」


「明日、言えたら教えて?」


「あっの」


「なら紙に書いても・・・・・」


そういいながら荷物を取りに行こうと遠ざかっていく安斉君。


明日でもいいんじゃないか。


そう思う自分がいる。でも、ここで伝えなかったらそのままずっと甘えてしまうような気がする。


私は・・・・・・・・・・・・・


「・・・・っき」


「えっ?」


「好き、安斉君のことが・・・・・好き」


のどにつっかえながら出てきた私の気持ち。


おそるおそる彼を見てみると・・・・・・目を見開いて立っていた。







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