キミノセイ
人には知っていい真実と知らなくていい真実がある。
私は今、そのパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない。
願わくば、何もなかったころの私たちに戻りたい。
“付き合ってるの?”
空気も読めない公害女によって雰囲気が一気に変わり私たちの周りにはなんともいえない空気が流れた。
ガッタン
安斉君が席を立った。
「おい、空汰」
陸君の言葉を無視してそのまま図書室を出て行ってしまった。
そして公害女も不敵な笑みを見せてあとに続くように出て行ってしまった。
私たちの周りに流れるのはなんともいえない重い空気だった。
「輝晴」
さっきのころもあり声をかけられ緊張した。
「輝晴、言いたいこと、あるでしょ」
「あれ、本当・・・・・・・・・・・・?」
「・・・・うん。本当」
目の前が真っ白になっていく気がした。
「俺は小学校のころから輝晴のこと好きだよ」
「うそだぁ」
「うそじゃない。そのミサンガもそのため」
「え・・・・・・・」
まさかこのミサンガにそんな願いがあるとは思わなかった。
「あれが輝晴をいじめたのも、俺のせいだ」
「えっ?」
「あいつに告白された。それで好きな人、輝晴のことが好きだと伝えたら次の日には」
―――――――――――いじめを開始した
いや、まさかとは思った。
でも陸君がうそをつくはずがない。
これは真実である。
でも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「私を助けたりしたのは罪滅ぼしつもりたっだの?」
目から一筋の涙が流れた。
友達だと思っていた。唯一の男友達として。
なのにそれは違った。
私は陸君とって・・・・・・・・・・・
「ごめんね」
「いやいい。むしろ謝るのは俺だ」
「ごめんね」
「もう謝るな。もう過去のことだし、な?」
「ごめんね」
ごめんね、陸君。
迷惑かけちゃって。