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高い高い壁があった。




それはもしかしたら飛べる高さだった。




なのに飛べなかったのは私が弱虫だから。








「輝晴って安斉君と仲いいの?」


「えっ?」


いきなりの質問にあせった。


美里ちゃんたちが図書館に来ることはない。


だから彼と一緒にいるところは見られていないはずだ。


「ほら、流星群が流れる日に輝晴と安斉君といるところを見たからさ」


そこか・・・・・・・


ここで否定するのはよくないと思う。また見られたときの言い訳も大変だ。


「うん、まぁ」


「へぇ・・・・・安斉がね」


ん?なんだか知ってる風だけど。


「私さぁ安斉と一緒の中学なんだけどあんまり人とつるまなかったんだよね。最近はちゃんとほかのやつもつるんでるみたいだけど」


そうなんだ。ちょっと嬉しいかも。


ん?あれ?


「嫌いじゃないの?」


「嫌いじゃないよ。苦手・・・・・・というべきかな?たとえるならば話す話題が分からない人、かな」


なんだ、嫌いじゃなかったのか。何やってたんだろ、私。


「で、いつも気になってたんだけど、そのミサンガに何をお願いしたの?」


「あ、これね、陸君がつけてくれたの」


「ふ~ん」


何か言いたげな表情の美里ちゃんだったが何も言わなかった。






で、今日も“挑み”中。


「なぁ、輝晴。もうそろそろ・・・・・・・殴り飛ばしてもいいか?」


「さすがにそれは・・・・・・・・・」


「この公害女を本気でどうにかしたい」


確かに陸君の言う通り歩く公害女をどうにかしたい。


その公害のせいでここのところ図書室の利用者が少ない。


今日は私たちだけだ。







「ねぇ、陸君と輝晴ちゃんは付き合ってんのぉ?」


いきなりこっちに向いて甘ったるい声で吐いたのはそんな言葉。


「付き合ってねぇよ」


いらっときたのか陸君はいつもより低い声で答えた。


「でも仲良さそうだし・・・・・・・・・・・・・・小学校のころ、好きだったんだよね?」


「はぁ?」


つい反応してしまった。だけどそんなはずはない。陸君は友達でそれ以上もそれ以下もない。


だけど肝心の陸君は苦虫を潰したような顔をした。


どういう、こと?






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