孤島のkiller
手に取ってくださり、有難うございます。
この物語は全ての登場人物が犯人に成り得る。あなたがどの順番で読むか、その結末がこの物語の結末である。
1 一つの掲示板
ある夏にインターネット掲示板に一つのスレッドが立てられた。そこにはたった一文、「無人島への招待状」と書かれていた。 この掲示板に引き寄せられた五人が無人島へ向かっている。 雲ひとつない晴天の日、一隻の船が陸地から離れた孤島に向かって進んでいた。 船はモーターの音で風情などというものは自然の音と共にかき消されていたが、この五人は無人島に対してとても好奇心を持っていたのでそんなことは関係ない。五人は性別、性格、年齢、といったものが全くと言っていいほど違う人々が集まった。 無人島に船がつくまでの間にその五人を今のうちに紹介しておこう。
〜高橋〜
高橋 明美。 性別は女 年齢は20歳で身長は160cm。高校時代から憧れていた大学に進学し、順風満帆な大学生活を送っている。 バイトも勉強も友達も、全てを両立させうまく行っている。多くの人が羨むような人だろう。あるバイト帰り、昔からしていた掲示板アプリを開いてみると「無人島への招待状」といったスレッドが立てられていることに気づいた。 多くの人が怪しいと考えるような内容だった。しかし、全てがうまく行っていた高橋には関係のないことだ。 そんな高橋はこのスレッド主に連絡をし、このイベントに参加することが決まった。
〜立川〜
立川 はるま。 性別は男 年齢は25歳で身長は180cm。 大学を卒業しているがつきたい職がなく今はニートとして過ごしている。性格は面倒くさがり屋で基本的には家から出らずいつもゲームばかりしている。 全てを面倒だと感じるような人で風呂はおろか、食事すらまともにしない時もある。そのような性格は私生活にも影響をきたしており、髪を切りにいかないせいで前髪はとても
長くどこか不潔な見た目をしている。 しかし、高校生時代に料理部に所属していたおかげで料理を作ることができる。ある時料理を作ろうとインターネットで調べていると、このスレッドを見つけた。
〜間〜
間 日向。 性別は女 年齢は30歳で身長は170cm。
性格は大人びているが、自分がなんでもできる人だと思っており基本的に1人で突き進むタイプだ。自分で会社を設立したが、1人で突き進んでしまう性格のため誰からも慕われいなかった。間はこの時、自分が社員たちから愛想を尽かされていることを知っており、もう会社経営を辞めようと思っていた。なぜなら、この会社は元々父から継いだ会社であり、まだ間自身の能力は未熟だった。そのせいでこれまで会社を支えてきた重役たちの中には不信感を募らすものもおり、根も葉もない噂が流れたこともあった。そんな時、高校生時代の同級生であり信頼していた秘書の樫原とカフェでネットサーフィンをしていた時にこの無人島の話を見つける。
〜樫原〜
樫原 健太郎。 性別は男。年齢は30歳で身長は170cm。間のことが昔から気になっており、間を追いかけて大学、会社と進んできた。 間からはただの仲の良い友達と思われており、今から恋人になるには少し難しい関係になっていた。 樫原は間に比べ有能であり、他の社員たちからも慕われていた。ある日、間からは会社内での立場や噂の件について相談されていた。 そこで樫原はカフェへ誘い、相談に乗っていた。相談をしながら片手で持っていたスマホの画面を覗くとたまたま「無人島への招待状」という画面が見えた。そこで気分転換という名目でこの提案をしてみた。すると、すぐに間はこの提案に合意し、無人島へ二人で行くことが決まった。
〜武田〜
武田 勇人。 性別は男。 年齢は65歳で身長は165cm。髭が生えており、見た目は50歳ほどとだいぶ若く見える。性格は少し厳しいが、その奥には優しさが見える。武田は元々学校の教員をしており、国語を教えていた。学校の中ではすごく人気であり、他の教員からも一目置かれる存在だった。仕事は定年で退職し、妻と平凡で特にこれと言って特別なことなどない日々を過ごしていた。そんな時ネットを見ていたところこの掲示板を見つける。武田は年齢のこともあり無人島への参加を少し躊躇っていた。しかし、参加費無料というところに目を惹かれ、参加することを決めた。
〜???〜
このイベントの主催者 それ以外は何もわからない。
このように五人は経緯こそ違えど、今の自分を変えたいという同じような思いを持って参加していた。船はしばらくした後、コンクリートで作られている船着場に泊まった。晴天ので陽の光が強く、それがコンクリートに反射して地面がぐらついている。船着場に置いてあるベンチには苔で覆われており、まるで荒廃後の世界に来たようだ。そこからは整備されていない道を10分ほど進んだ。そこには周りを木で囲まれた二階建ての一軒の民家があった。
屋根は瓦で覆われている。参加者には一人一部屋が与えられた。荷物を自分たちの部屋に置き、一度リビングへ集められた。そこからは主催者である???から説明があった。
???「このイベントに参加していただき、ありがとうございます。今日の予定ですが、みなさんは昼食はすでにとっていると伺っています。ですので、ここからは自由行動にしたいと思います。が、一つ、絶対に守ってほしい決まりがあります。それはこの島の裏には絶対に行かないでください。」
間「なんで言ったらダメなんだ?」
???「ダメなものはダメです」
高橋「夜ご飯はいつからですか〜?」
???「そうですね。みなさん、7時を目安に戻ってきてください。みなさんが揃い次第始めましょう…」
その後、高橋、間、樫原、武田、立川の五人はそれぞれ行動し始めた。高橋は、家の中に釣竿が置いてあったのでそれを持って海へ出かけた。魚釣りにでもいくようだ。
高橋「では、私は釣りに行ってきまーす!」
樫原「一人で大丈夫ですか?」
間「私たちもついていこうか?」
高橋「いつもお父さんと釣りをしてるので慣れてます!だから大丈夫です!」
高橋は余裕のある笑みを見せている。よほど自分の腕に自信があるのだろう。そして、高橋はすぐに家を飛び出して行った。
間、樫原はこの家に残るようだ。途中で何か面白そうなことがあればその都度出かける予定らしい。
立川も動くのが面倒くさいと言ってリビングに残る予定らしい。
武田は家のすぐ隣にある森で山菜摘みをする予定だ。
武田は腰を重そうに上げ、杖を持ち歩き始めた。右足を痛めているように見える。
また樫原が一緒についていこうかと提案をしたが、武田はそれを断り一人で行ってしまった。
間は先ほどから外に出たそうにしている樫原を見て
間「外に出たいのなら、私に合わせなくてもいいのよ?」
それに樫原は首を横に振りながら答える。
樫原「そんなことはありません。社長と一緒に行動します」
???「それでは私は少し島の裏に行ってきます。」
立川「そこで何をするのですか?」
立川が少し疑うように聞いた。
???「今晩のご飯の準備をしに行ってきます。」
そして、それぞれが自由に行動し始めて5時間後、約束の7時になった。間は手に魚を4,5匹持っており、武田は、コケシなどの山菜をザル一つを埋めるほど持って帰ってきた。
しかし、夜ご飯を準備しに行った「???」が戻ってきていない。
間「この時間を設定したやつが遅れるなんて、豪華な料理でも出てこないと許さない。」
お腹が空いているせいか少しイライラしてきているようだ。
樫原「きっと僕たちのために何かしてくれてるんですよ。」
間のイラつきをなだめるように言っている。
しかし、いつまで経っても帰ってこない???には、間も心配になってきている。そこで、立川、樫原、高橋がそれぞれ何か手がかりを探しにいくようだ。
※ ここからは読者であるあなたの選択で物語が決まっていきます。これからは立川視点、樫原視点、高橋視点に分かれていきます。 全てを読むことはお勧めしません。
この物語を選択していき、それが完結した後に他の選択肢もご覧になってください。
続きも書いていくのでよらしくお願いします!