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内容はないようです  作者: プロットなんていらねぇ!
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トラブルが起きたらしい。あとなんで復讐しようと思ったんだっけ?

 私が保護されてから数日が経った。

 この保護組織……青夜の月の拠点はかなりの広さで、所属してる人達も多くてそろそろ百近い人数になるらしい。

 でも、それでも現地民は私だけ。

 保護してくれたことは感謝しているし、何かしら役に立つ知識を提供したいところではあるけど……今のところ、何もできていない。


「よう、イルシュ」

「あ……グレイブさん。……どこかに行ってたの? 服がちょっと焦げてる」

「まぁ、ちょっとな。最近炎狼が増えてんだ。……だから、あの日もイルシュは襲われたんだろうよ。ま、襲われたところで死にゃあしないがな」

「……全員、女神に不死にされているんだよね」


 何の目的があるのか知らないけど、女神は異世界から人を喚び出しては不死にしてここに放り出しているらしい。

 いつ、どこに召喚されるかはバラバラで、今のところ規則性は無さそうで、目的がわからないとグレイブさんは溜息を吐いていた。

 ……あとは、そうだ。

 グレイブさんはここの人の中でも特殊な部類で、転生者と呼ばれる人だったらしい。

 こことは違う世界に転生して、世界を救って……それで、時々問題を解決しながら平穏に過ごしていたところで女神に召喚されたんだとか。

 グレイブさんは世界を救っているからみんなに頼りにされて、いつの間にか纏め役になっていたみたい。

 …………女神、か。


「……あの女神は……私の才能を買った、って言ってた。ただ目の前のことを認識して、受け入れる才能……? とか、だったかな」

「聞いてもわからんな。女神が何を目的としているのか……ああでも、その才能に関しちゃ俺も納得できるな」

「……どうして?」

「わからないことだらけだろうに、受け入れるのは早かったからな。混乱は確かにしていたが、受け止めるのは誰よりも早かった。周りは溶岩だらけで、保護して数日は錯乱してるやつもいるっていうのに……何よりイルシュ、一回死んでんだろ? メンタルが強いんだろうな」

「ふぅん……そうなんだ」


 ……その錯乱してたって人は、何度も死んじゃったとかなんじゃないのかな。

 だけどそれなら、把握してないってことはなさそうだから……私が子供だから、ちょっとぼかしたのかも。

 そう考えていると、人が奥から走ってきた。

 あの人は……〝探索班〟の人、だったっけ。

 探索班っていうのは、外に出て何かあるか探す人達のこと。

 外は大いなる太陽に溶かされてほとんど何も無いから、状況を変えるとかそういった意味では成果をあげることは少ないけど……新しい人の保護はよく行ってる。

 他にも〝巡回班〟や〝保護班〟なんかに別れていて、それぞれがそれぞれのやるべきことをこなしている。

 巡回班は外を見回って拠点近くの〝炎魔〟を追い払ったり、新しく召喚された人を助けて保護するのが主な仕事。

 探索班との違いは、より戦闘と人の保護に特化してること。

 探索班はあくまでも探索が主な仕事だから。

 保護班は拠点の見張りとか、拠点での生活をより豊かにする活動をしている。

 外にトラウマを抱く人も多いから、今のところ保護班が一番人が多い。

 私は……まだここのことを学んでいる最中だから、どこにも属してない。

 強いて言えば保護班なのかな。

 さて、改めてグレイブさんに駆け寄ってきた探索班の人を見る。

 何かトラブルかな。


「ぐ、グレイブさん! きょ、巨大な炎魔が出現して……っ、探索班の数名が、ぜ、ぜつ、絶命しました……!」

「何!?」


 ……絶命?

 死んだってこと?

 ……女神に不死にされているはずなのに……どうしてだろう、生き返るには条件がある?

 それとも、その炎魔が女神の不死の力を打ち破ったのかな……


「……イルシュ、部屋に戻ってろ」

「行くの?」


 険しい顔で言ってくるグレイブさんに訊いてみる。

 すると、グレイブさんは黙り込んでしまったから、まぁ……出発するつもりなんだろうね。


「……無理に止める気はないけど……でも、危険なんじゃないかな。もっと情報を集めてからにするべきだと思う。グレイブさんは、ここの纏め役だから。……言っちゃ悪いけど、他の人とは命の重みが違うよ。不死を打ち破る存在がいる中で、ここの秩序が乱れたら……それこそ悲惨なことになると思う」


 ここでは、グレイブさんに心身を預けている人はとても多い。

 だからこそ、こんなところでグレイブさんが死んでしまうようなことがあったら、仇討ちとか、錯乱してしまうような人が現れて、被害は拡大してしまうはず。


「……ッ……ふぅぅ……すまん、冷静じゃなかった。こんな小さい子にそんなことを言われるとはなぁ……ここでは誰も死なないって、俺も油断してたんだろうよ。……偵察隊を組もう。そいつがいるところに取り残されてるやつはいるか? そいつの正確な位置は?」


 報告に来た人に色々なことを尋ねながらグレイブさんが歩いていった。

 私は役に立てないから、いつも通り勉強に向かう。


「……復讐……復讐かぁ」


 ……なんで私、復讐しようなんて思ったんだろ?

なんでイルシュちゃんは急に復讐しようとか思ったんでしょうねー。


炎魔


炎でできた不死身の怪物。

イルシュが来る前は地面の溶岩から現れていると思われていたが、イルシュが来てからは大いなる太陽のせいなのではと考えられている。

あらすじの大いなる太陽の痕跡っていうのがこれ。

炎狼も炎魔の一種。


組織の名前、大いなる太陽を良い感じに逆転させて矮小なる月とかにしようと思ったけど弱そうなのでやめました。

威厳のあるカッコいいキャラが「矮小なる者よ……」とか言ってたらおーってなるけど、組織名にすると流石にちょっと弱そうね。

ラスボスは大いなる太陽なのか女神なのか、はたまた別の存在なのか……まだまだわからないけど、この組織はそれらに対抗する存在かもしれないしね。


ちなみに組織名の青夜の月って名前は、太陽→赤色→逆にして青色→ずっと日中→逆にして夜→太陽→逆にして月、って感じで決めました。

安直だね。

今思ったけど星夜の月とかでもいいかもしれないね。

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